テレマークの要塞の紹介:1965年イギリス,アメリカ映画。第二次世界大戦中実際にあった、ガナーサイド作戦を題材にした戦争アクション映画。ナチスドイツ占領下のノルウェーでは、原子力爆弾を製造するための重水が大量に作り出されていた。それを阻止すべく、レジスタンスは命懸けで製造工場の爆破作戦に身を投じるのだった。
監督:アンソニー・マン 出演者:カーク・ダグラス(ロルフ・ペデルセン教授)、リチャード・ハリス(クヌート・ストラウド)、ウーラ・ヤコブソン(アンナ)、マイケル・レッドグレーヴ(ヒュッテ)、デヴィッド・ウェストン(アーネ)ほか
映画「テレマークの要塞」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「テレマークの要塞」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「テレマークの要塞」解説
この解説記事には映画「テレマークの要塞」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
テレマークの要塞のネタバレあらすじ:重水の実験工場
舞台は1942年、ドイツ占領下のノルウェー。リューカンの町では地道なレジスタンス活動が続いていました。峡谷の底には工場があり、ドイツ軍が重水の実験を行っています。重水は原子力の研究には必要不可欠なもの。ドイツ軍に重水の大量製造を命令された工場長ニールセンは危険を感じ、チューブの歯磨き粉に極秘情報を記したネガを潜ませます。ネガはレジスタンス集団のクヌート・ストラウドの手に渡りました。クヌートはオスロ大学数学部のロルフ・ペデルセン教授を訪ねます。ネガを調べたロルフは顔色を変え、急遽クヌートらと共にロンドンへ向かうことにしました。ロンドンの軍略会議の席に着いたロルフとクヌート。そこで報告されたのは、ドイツの原子核分裂研究は連合国軍より進んでいるという事実でした。それはドイツが原爆を製造する可能性が高いことを示唆しています。重水工場の破壊を決定した軍は準備を整えるため、ロルフとクヌートを一足先にノルウェーへ向かわせます。
テレマークの要塞のネタバレあらすじ:準備
ロルフとクヌートは、無線係を務めるレジスタンスメンバーの家を訪れます。そこにはロルフの元妻であるアンナと、彼女の伯父ヒュッテが暮らしていました。4人は少し離れた場所に無線小屋を用意し、その後教会のクリスマス礼拝に参加します。そこにはレジスタンスの仲間アーネの妻シグリッドもいました。ロルフはさり気なくニールセンの隣に座り、しおりに偽装した工場の見取り図を入手します。既に3000ポンドの重水が出荷待ち状態だと判明し、イギリスは湖に滑走路を作るようロルフ達に指示。その作業をイェンセンという男に目撃され、彼を小屋で監禁することにします。ところがイギリスのコマンド部隊を乗せた輸送機がロルフ達の目の前で墜落炎上してしまい、援軍50人が命を落としてしまうのでした。
テレマークの要塞のネタバレあらすじ:爆破作戦
クヌートは彼らの死に報いるため、この場にいる9人の仲間だけで実験場を爆破しようと提案します。ロルフ達はイェンセンを縛って小屋の中に転がし、作戦に移りました。闇に紛れて進む9人。細心の注意を払って工場に侵入したロルフ達は、爆弾で重水の製造コンテナを破壊することに成功しました。ところが逃げる途中、アーネがドイツ兵に射殺されてしまいます。その上予備がベルリンで製造されており、根本的な解決には至りませんでした。イェンセンがドイツ軍に情報を流したことで小屋の位置が特定され、ロルフとクヌートはドイツ兵に追われながら雪山を逃げ回ります。クヌートは逃げ切ったもののロルフはイェンセンに足を撃たれてしまいました。ドイツ軍の手に落ちそうになったロルフは無我夢中で脱出し、自力で病院に辿り着きしばらく身を潜めることにします。
テレマークの要塞のネタバレあらすじ:辛い選択
後日、出産を控えたシグリッドから工場の状況を教えられたロルフ。工場は既にフル稼働していると知り、病院を出てクヌート達と合流します。工場を破壊するには最早空爆しか手はありません。イギリス軍の空爆とドイツ軍の応戦でリューカンは戦火に包まれます。しかし結局工場に被害はありませんでした。その内にドイツ軍は重水の出荷を決定。鉄道連絡船に積み込まれるのが日曜の朝だと知ったロルフとクヌートは、乗客を犠牲にして船ごと重水を沈める計画を立てました。土曜の夜、港に停泊している船に潜入したロルフとクヌートは爆弾をセット。その後アンナと合流し、ロルフはクヌートとアンナを先にボートハウスへ向かわせます。船が時間通り出航するのを見届けてから合流すると告げ、ロルフは港へ戻りました。しかしそこには赤ん坊を抱いて乗船するシグリッドの姿がありました。
テレマークの要塞の結末:最後の作戦
船に乗り込んだロルフはシグリッドを探し出し、船尾に子ども達を集めてゲームをしたいと言い出します。皆で一斉に救命胴衣を装着するゲームです。シグリッドはロルフのただならぬ様子を受け、彼と協力して子ども達を甲板の後ろの方へ集めました。子ども達が救命胴衣を身につけたちょうどその時、爆発が起こります。ロルフは子ども達をボートに乗せて慎重に避難させ、他の乗客も次々海に飛び込んでいきました。生存者をクヌートとアンナがボートに引き上げます。そして船は重水ごと海に沈み、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画テレマークの要塞のあらすじと結末でした。
1942年、ナチス・ドイツ占領下のノルウエー。
テレマークの化学工場では、ベルリンから重水の増産の指示が届いていた。
工場の責任者は、レジスタンスのクヌート(リチャード・ハリス)にマイクロフィルムを渡した。
そのフィルムを持って、オスロ大学のベイダセン博士(カーク・ダグラス)を訪ねる。
そして、ベイダセンとクヌートは、そのフィルムを持ってイギリスへと向かう。
テレマークの化学工場では、重水を大量に生産しており、それは原爆の製造に必要なものだ。
ナチスによる原爆製造を阻止するためには、この重水の生産をストップしなければならない。
クヌートとベイダセンは、ノルウエーに戻った。
空爆を主張するベイダセンだったが、イギリス軍は破壊部隊を派遣することに。
しかし、部隊が乗った輸送機は、撃墜された。
クヌートとベイダセンは、やむなく10名のレジスタンスで破壊に向かうことになる。
工場の設備を爆破したが、ドイツはベルリンから設備を運び、2週間で再開。
続いて空爆を行ったが、破壊には至らず、重水の生産は続けられたのだった。
その重水を船で運ぶと聞き、最後の作戦として、重水を運ぶフェリーを爆破することになるのだった——–。
この「テレマークの要塞」は、1960年代の戦争アクションで、「ナバロンの要塞」のようなミッションものだ。
「テレマークの要塞」というが、別に要塞ではなく、目標は化学工場。
始まって1時間で化学工場に進入、爆破させる。
おいおい話が終わっちゃったよ、と思っていると、直ちに工場が再開する。
そもそも、工場内に簡単に進入しすぎですね。
その後空爆となるのだが、最初「地元の人が犠牲になるじゃないか」、「それよりも、もっと多くの人々を救うためだ」という議論をしたのに、1回失敗したからか、クヌートもあっさり空爆を認めてしまう。
ちょっとその辺、映画として腰砕けになってしまっている。
ノルウエー人の中には、自分の妻を助けるために、ナチに加担する市民とか、その辺の葛藤のドラマは少しはあるのだが。
最後のフェリーの爆破も、船にあっさり進入と、これもできすぎだ。
この映画、全体的にナチが弱いというか、敵に強力なキャラクターがいないのが残念で、やはり、敵が強くないと盛り上がりませんね。
でもラストの爆弾を仕掛けたフェリーに、死んだ仲間の妻と赤ん坊が乗ってしまい、それを何とか助けようとするあたりは、クライマックスとして多いに盛り上がりましたね。
全体的に地味さを感じる戦争アクションだったが、それなりに面白く観れる作品でした。