アイアン・ジャイアントの紹介:1999年アメリカ映画。はるか宇宙から落下してきたロボットをある少年が発見し、互いに友情を育みながら暮らしていくなかである脅威に立ち向かうという感動アニメです。
監督:ブラッド・バード 出演者:ジェニファー・アニストン、ヴィン・ディーゼル、クリストファー・マクドナルド、ジョン・マホーニーほか
映画「アイアン・ジャイアント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アイアン・ジャイアント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アイアン・ジャイアント」解説
この解説記事には映画「アイアン・ジャイアント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイアン・ジャイアントのネタバレあらすじ:ロボットの登場
1957年10月にロシアの衛星であるスプートニクが軌道に入ったあと、巨大なロボットが地球のロックウェルと呼ばれる海に落下してしまいます。海に墜落したロボットは、海から上がると、内陸の森に入り、ふらつき始めます。
アイアン・ジャイアントのネタバレあらすじ:ヒューズとロボットの出会い
9歳の子供であるヒューズは夜、その森でロボットを見つけます。ロボットは電気サブステーションの送電線を食べて、感電死してしまいます。ヒューズはロボットを保存すると、森から離れます。そして数日後にロボットを見つけると、彼はロボットの写真を撮り始めます。ロボットはヒューズの友人となり、彼がどこに行こうともついていきます。彼らが鉄道を歩いていると、ロボットはレールを食べ始めます。そこに近づいてくる電車を見て、ヒューズはロボットにすぐさまレールを直すようにいいますが、間に合わず、電車とロボットは衝突してしまいます。ロボットの体はバラバラになってしまいますが、ヒューズはすべてのパーツを納屋に集め、ロボットは自分自身を修繕し始めます。
アイアン・ジャイアントのネタバレあらすじ:政府職員の狙い
ヒューズは母と食事をしたあとにロボットと漫画雑誌を読みます。そのころ、マンスレイというアメリカ政府の職員がロボットを調査していました。彼はサブステーションのところでヒューズのBB弾を見つけます。ヒューズはなんとかマンスレイを避けてロボットを他の場所へ隠します。政府職員たちは森で鹿を射殺したことで、ヒューズとロボットは死について話し合わなければなりませんでした。マンスレイはついにアメリカ陸軍にロボットの脅威を話します。ヒューズはおもちゃの銃でロボットと遊んでいたときに、ロボットは致命的なレーザーアイを起動させてしまい、ヒューズを攻撃しようとします。人間がヒューズを助けてくれましたが、ヒューズはロボットが悪いわけではないということを知っていたので、すぐさまロボットを追いかけます。
アイアン・ジャイアントのネタバレあらすじ:軍とロボット
ロボットは2人の少年を救いますが、そこに軍が到着し、攻撃を仕掛けます。ロボットはヒューズとともに飛び去りますが、軍の戦闘機であるF-86のミサイルにより撃ち落とされてしまいます。墜落したあとに、ロボットは怪我をしたヒューズを見て死んだものと思い、エネルギー兵器を軍に向けて作動します。その後、ヒューズが起き上がり、ロボットを安心させると、ヒューズは兵器の使用をやめるようにロボットに言います。
アイアン・ジャイアントのネタバレあらすじ:政府職員の逮捕
マンスレイはミサイルを軍の許可なく発射させ、彼は逃げようとしましたが、ロボットは彼を止め、マンスレイは軍に捕らえられます。しかしすでにミサイルはロックウェルの街に向かって降りてきており、ヒューズはこの緊迫した事態をロボットに話します。
アイアン・ジャイアントの結末:ロボットの覚悟
ロボットは飛び去る決断を下し、空高く舞い上がるとミサイルと激突します。空中で爆発をし、ロックウェルの街は救われますが、その街の人々はロボットの犠牲に涙をするのでした。
この作品は、アメリカの銃社会の悲劇、普遍的な戦争の悲劇に疑問を投げかけるアニメ映画の傑作だと思います。
この映画の監督は、「Mr.インクレディブル」「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「トゥモローランド」のブラッド・バードの作品です。
公開当時、ディズニー以外の海外アニメが、日本で騒がれてヒットしたという事でも有名になった作品でしたね。
時は1957年、米ソの冷戦時代の真っただ中のある日、メイン州の沖合に宇宙から巨大ロボットが墜落しました。
この墜落したロボットを発見した少年は、森にかくまいながら、ロボットとの友情を深めていきます。
だが、政府の捜査官に噂をかぎつけられ、軍隊が出動する事に—-という物語です。
物語自体はとても単純で、テーマも明快で力強いものがあります。
ごたごたした説明部分を一切削ぎ落とし、核心部分だけを貫いた構成が、ダイレクトにそのメッセージを訴えかけてきます。
こうした構成をとれるのも、キャラクターを単純化できるアニメならではの特性があるからだと思います。
そして、少年とロボットの友情に的を絞り、しっかりと丁寧に描く事で、我々観る者の心の琴線に触れるドラマになり得ているのだと思います。
この目玉が光り、鋼鉄の塊といった巨大ロボットの風情を見る限り、このアニメは、アメリカン・コミックよりも古くからある日本のアニメの影響を感じてしまいます。
また、鉄が大好物で、生まれたての赤ん坊のように純真無垢な巨大ロボットは、愛嬌たっぷりで、実に親しみやすいキャラクターになっていると思います。
しかし、一方で、この巨大ロボットには、自分に危害を加えようとする者に対して、反撃するという恐ろしい機能がプログラムされているのです。
しかし、考えてみれば、これは人間が本来持っている暴力性と同じものである事に気付かされます。
その証拠に、巨大ロボットが自分の身を守るために戦っているように、軍隊も国家と国民の安全を守るために戦っているのです。
この双方の防衛本能から来る戦闘には、悲しきかな終わりというものがありません。
悪夢のような現実を直視する事で、この「アイアン・ジャイアント」というアニメは、未だ途絶える事のないアメリカの銃社会の悲劇、普遍的な戦争の悲劇というものに疑問を投げかけているのです。
少年との心の交流を通して、この巨大ロボットは、”生と死、善と悪の概念”を学び、正義のスーパーマンとして自立するのです。
そして、最後に巨大ロボットは自らを犠牲にして社会を救う道を選ぶのですが、このクライマックスには、素直な気持ちでひたすら感動しました。
現代社会に生きる大人たちにも、また、これから未来を背負う子供たちにも是非、観て欲しいアニメ映画だと思います。