キッドの紹介:2000年アメリカ映画。B・ウィリス主演のハートウォーミング・ドラマ。40歳の誕生日を目前に控えたラスはイメージ・コンサルタントとして多忙の日々を過ごしていました。40歳の誕生日を迎えた時、突然どこかで見たことのある男の子がラスの家に表れます。その男の子は8歳の時のラス自身だった。
監督:ジョン・タートルトーブ 出演:ブルース・ウィリス(ラス・デューリッツ)、スペンサー・ブレスリン(ラスティ・デューリッツ)、エミリー・モーティマー(エイミー)、リリー・トムリン(ジャネット)ほか
映画「キッド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キッド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キッド」解説
この解説記事には映画「キッド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キッドのネタバレあらすじ:起
もうすぐ40歳を迎えるラス(ブルース・ウィリス)はイメージ・コンサルタントとして仕事は順調。だけど、独身、独り暮らし、寂しくて嫌味な男。10年も一緒に仕事をしているエミリーのことが気になっているのにいつも喧嘩ばかりです。長い間疎遠にしていた父親からの連絡にも疎ましさを感じてしまいます。40歳の誕生日の前日、赤い飛行機がラスの頭上ぎりぎりを飛び去っていきました。その夜、家の敷地内を走り回る子どもを目撃、さらには小さな頃大事にしていた飛行機のおもちゃが玄関に置かれていたのです。自分のテリトリーに誰かを入れることを敏感に嫌がるラスは誰の仕業なのか犯人を捕まえようと必死になります。そしてラスの目の前に表れたのはどこか懐かしさを感じる男の子…名前はラスティ。32年前の子どもの頃のラス自身だったのです。
キッドのネタバレあらすじ:承
40歳の誕生日に突然現れた8歳の頃の自分ラスティ(スペンサー・ブレスリン)は40歳のラス自身にとって思い出したくない過去の自分そのものでした。ぽっちゃりした見た目も舌足らずでだらしないしゃべり方も、ラスをイライラさせます。そんなラスに容赦なくラスティは「40歳にもなって、彼女もいないし犬も飼ってないし、パイロットじゃないなんて最低!」と言い放ちます。自分のいたいところをつつかれたラスは8歳のラスティを過去に帰らせるためにはどうすればいいのかと悩みながらも、過去の「なりたかった自分自身」について考えるようになります。ラスティの存在がエイミーにもばれ、最初はラスの子どもだと勘違いをされますが、誤解も解け小さなラスティはエイミーとラスを恋人同士にしようと奮闘します。しかしラスの意固地な性格のせいでなかなかうまくいきません。
キッドのネタバレあらすじ:転
過去の自分自身のやり直しについて考えるようになったラスは、ラスティが40歳の自分の前にやってきたのは過去に失敗したことをやり直すためなのではないかと思い始めます。そして自分をいじめていた奴らのせいで人生がめちゃくちゃになったと思い出します。小さなラスティと車に乗っていじめっ子たちの話をしているうちに時間が遡って過去にタイムスリップすることができたのです。ラスティはいじめっ子たちに向かって勇気のパンチを繰り出し、見事けんかに勝つことができました。過去のやり直しをできたと思っていたラスでしたが、けんかの後に母親の容態が悪くなりそのまま病気でなくなるということをその時になって思い出したのです。母親の死が原因で父親や兄妹たちと疎遠になってしまい、自分は寂しく今を生きているということも思い出しました。
キッドの結末
二人は少ししょんぼりしながら夕食を仲良く食べます。過去のやり直しができなかった小さなラスティはそれでも40歳までの32年間が決して落胆だけの日々ではないということをラスに教えてもらいます。そこへかっこいい犬を連れ、赤い飛行機に乗った男が現れます。その人物は40歳のラスよりもさらに30年未来を生きる70歳のラスでした。隣にはみたことのある女性が寄り添っています。まだまだ未来は長いと二人に言葉をかけるラス。赤い飛行機も玄関に置かれたおもちゃも70歳のラスの仕業だったのです。赤い飛行機が空に飛び立つのを見てラスとラスティは自分たちの未来は大丈夫だよ!とお互いに励まし合いました。傍らをみると小さなラスティの姿は消え、過去から現在へとラスは戻ってきました。
ありがとう。と過去を見つめなおすきっかけをくれた自分自身にお礼を言います。
少し優しくなったラスはかわいい子犬を連れて、エイミーの元へと向かいます。
40歳の誕生日に、目の前に現れた6歳の頃の自分と喧嘩をしながらも過去を見つめる中年男の話です。無邪気な子供時代と夢を忘れた大人時代、同じ人物のはずなのに様変わりしてしまった姿はどこか物悲しくなります。しかし交流を続けるにつれ、お互いが徐々に変わっていきます。その変化は良いものであり、なんとも心温まるハートフルストーリーとなっています。ラストも感動的で、余韻の残る良い話です。