暴行の紹介:1963年アメリカ映画。黒澤明監督の「羅生門」をハリウッドでリメイクした作品。オリジナルでの三船敏郎の多襄丸役を演じるのは、メーキャップでメキシコ人に扮したポール・ニューマン。また、千秋実の僧に当たる牧師役は、のちにスタートレックで有名になるウィリアム・シャトナー。
監督:マーティン・リット 出演:ポール・ニューマン(フアン・カラスコ)、ローレンス・ハーヴェイ(ウェイクフィールド大佐)、クレア・ブルーム(ニナ・ウェイクフィールド)、エドワード・G・ロビンソン(詐欺師)、ウィリアム・シャトナー(牧師)、ハワード・ダ・シルバ(探鉱者)、ほか
映画「暴行」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「暴行」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「暴行」解説
この解説記事には映画「暴行」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
暴行のネタバレあらすじ:起
雨の降る中、米国南西部の小さな駅で1人の男が列車を待っていました。そこへロバに乗ったもうひとりの男がやってきます。駅にいた男は牧師で、ある裁判のせいで信仰心が揺らぎ、教会を捨ててこの町を去ろうとしていました。ロバに乗ってきた男は金鉱を探り当てようとこの町に滞在している採掘夫。同じく裁判に関わりがあり、牧師を引き止めに来たのでした。二人が話しあっているところへ、駅舎の奥の方からもうひとりが「うるさい!」と怒鳴りながら現れます。偽物の薬を売りつけている詐欺師でした。口数の多いその詐欺師にイヤイヤながら受け答えしているうち、話は昨日行われた殺人事件の裁判に及びます。興味を起こした詐欺師は、牧師たちふたりにその詳細を話させるのでした――。
暴行のネタバレあらすじ:承
その事件は山の中でウェイクフィールドという南部の名家出身の男性が殺されたというものです。死体の発見者は牧師を引き止めに来た採掘夫でした。幸い、犯人はすぐに逮捕されました。その地域一帯に悪名を轟かせた山賊フアン・カラスコ。彼は裁判にかけられても反省する様子もなく、サボテンの側で寝ているとウェイクフィールドとその妻ニナが馬車に乗って通りかかったこと、ニナをレイプするために彼らを騙して山奥に連れていったこと、レイプのあとニナの頼みにしたがってウェイクフィールドと決闘を行ったこと、自分が勝ったもののニナはその間にどこかへ逃げ去ったことを自慢げに語ります。
暴行のネタバレあらすじ:転
ところが次に証人として呼び出されたニナが語った話はカラスコとは食い違っています。彼女によればレイプされたところまではカラスコの話と同じですが、そのままカラスコは立ち去りました。ニナは夫の縄を解いたものの、彼の目に浮かんだ軽蔑の目に耐えきれず、手にしたナイフで夫を殺してしまったというのです。続いてネイティブ・アメリカンの呪術師が証言台に立ち、死んだウェイクフィールドの霊を呼び出します。霊によれば、やはりレイプまでは全くこれまでの話と同じ。その後、ニナはカラスコに心を惹かれてしまい、ウェイクフィールドを殺すように迫ります。しかしカラスコはその邪悪さに辟易し、ウェイクフィールドの縄を切って彼にニナの処分を委ねます。その間にニナは逃亡。カラスコもその場を立ち去ります。残されたウェイクフィールドは自分の惨めさに耐えられなくなり、そのまま自殺を遂げたのでした。
そこまで聞いていた詐欺師は、採掘夫の様子がおかしいことに気づき、彼の目撃したことを話すように促します。実は採掘夫は事件の一部始終を見ていました。やはりレイプまでは同じなのですが、カラスコはニナに妻になるように迫ったというのです。ニナはうまくカラスコを騙してウェイクフィールドを助けようとしますが、彼は妻が辱めを受けたことが承服できません。そのうち、ニナの言葉でライバル心を刺激された男たちは決闘を行い、何とかカラスコが勝ったものの、ニナはやはり決闘の間に逃げ去っていました。
暴行の結末
話が終わり、3人は黙り込みますが、その時赤ん坊の泣き声が聞こえます。駅舎の奥に行くと、そこに確かに赤ん坊がいました。捨て子です。お金が添えられていましたが、詐欺師はそれを奪おうとします。しかし採掘夫がそれを阻止。すると「お前の話も嘘だろう」と詐欺師が言い出します。図星でした。確かに採掘夫は現場から、殺害に使われた高価なナイフを持ち去っていたのです。うなだれる採掘夫。しかし赤ん坊を引き取る気になった彼に対し、牧師は「一緒に帰ろう」といいます。やってきた列車に乗り込もうとする詐欺師を残して、ふたりは赤ん坊と一緒に町への道をたどっていきます。
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