スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~の紹介:2019年フランス映画。障害者支援センターの設立や自閉症の若者の支援に携わってきた福祉活動家ステファン・ベナムや障害者支援などに携わってきたダーウド・タトウの実話を基にしたヒューマンドラマです。フランスを舞台に、無許可や資金難などの困難に直面しながらも自閉症の子供たちを支援するために奔走する二人の男を描きます。
監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ 出演者:ヴァンサン・カッセル(ブリュノ・アロシュ)、レダ・カテブ(マリク)、ブライアン・ミヤルンダマ(ディラン)、エレーヌ・ヴァンサン(エレーヌ・デュボワ)、バンジャマン・ルシュール(ジョゼフ・デュボワ)、マルコ・ロカテッリ(ヴァランタン)、アルバン・イヴァノフ(メナヘム)、クリスチャン・ベネデッティ(アルベール・フラチ)、カトリーヌ・ムシェ(ロサン医師)、フレデリック・ピエロ(社会問題監督局(IGAS)調査官)、スリアン・ブラヒム(IGAS調査官)、リナ・クードリ(リュディヴィヌ)、アロイーズ・ソヴァージュ(シレル)、ピエール・ディオ(マルケチ)ほか
映画「スペシャルズ!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スペシャルズ!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スペシャルズ!の予告編 動画
映画「スペシャルズ!」解説
この解説記事には映画「スペシャルズ!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のネタバレあらすじ:起
ブリュノ・アロシュは自閉症の子供や青少年をケアする団体「正義の声」の主宰者です。
ある日、ブリュノはとある駅から連絡を受け、駅へと向かいました。「正義の声」で面倒を見ている自閉症の青年ジョゼフ・デュボワが通勤ラッシュの最中に電車の非常ベルを鳴らしてしまったというのです。
駅ではジョゼフが駅員数名がかりで取り押さえられていました。ジョゼフを引き取りに来たブリュノは駅員に事情を説明するもなかなか理解してもらえませんでした。それでもブリュノは駅員にようやく納得してもらい、ジョゼフを何とか自宅まで送り届けました。
ブリュノが続いて向かった先は緊急医療センターでした。そこでは重度の自閉症を患うヴァランタンという少年がいました。長らく社会からいわれなき迫害を受け続け、家族からも嫌われていたヴァランタンは6ヶ所もの施設でも受け入れを拒否されているというのです。
ヴァランタンは自傷癖があり、自傷を防ぐために常に頭にヘッドギアを装着していました。ブリュノはひとりで歩くことさえも困難なほど重症なヴァランタンの一時外出に付き添うことにしました。
スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のネタバレあらすじ:承
ある日、「正義の声」に社会問題監督局(IGAS)の監査が入りました。実は「正義の声」は無許可で運営されており、しかも大量のスタッフを抱えすぎていることや重度の疾患者を受け入れすぎているため経営は火の車でした。赤字続きに悩まされている専属会計士のアルベール・フラチはブリュノに厳しく忠告しておきました。
マリクはドロップアウトした青少年の社会復帰を支援する団体「寄港」の運営者です。マリクは職業訓練さえもまともに受けることが困難な青少年たちに救いの手を差し伸べ、ブリュノの「正義の声」の施設で介助人として働く機会を与えているのです。ヴァランタンの話を聞いたマリクは、ディランという若者を介助人として「正義の声」に派遣しました。
一方、「正義の声」では監査員がジョゼフの母エレーヌに対し、施設側に落ち度はないのか聞き取り調査を行っていました。ブリュノが「正義の声」を立ち上げたのはジョゼフとの出会いがきっかけであり、懸命にブリュノを庇うエレーヌを前に監査員たちも聞き込みを断念せざるを得ませんでした。
スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のネタバレあらすじ:転
ジョゼフのために何とか働き口を探していたブリュノは、とある洗濯機修理工場の責任者マルケチに頼み込んで1週間の試用期間だけでも雇ってもらえることになりました。ブリュノは自らジョゼフの送り迎えを行い、ジョゼフは試用期間初日を何とか乗り切ることができました。
そんなある日、「正義の声」に派遣されていたディランは電車が止まったことで遅刻してしまいました。マリクから嘘をついているのではないかと咎められたディランはたまらず逃げ出してしまいましたが、それでもヴァランタンのために施設に戻って働き続けることにしました。
ところがある時、ブリュノたちの懸命の努力の甲斐もなく、ジョゼフはまたしても電車で非常ベルを鳴らしてしまいました。ブリュノはまたしても駅にジョゼフを引き取りに行きましたが、今度はヴァランタンがディランを殴ってしまうという事件が発生しました。
ブリュノはヴァランタンには人とまともに触れ合った経験が少ないので気持ちに寄り添ってあげられるようディランを諭しました。ディランは何とかしてヴァランタンと懸命に向き合おうと努力しましたが、それはなかなか容易なことではありませんでした。
スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話の結末
そんなある時、またしても「正義の声」に監査員が突然やってきました。そこにいたマリクが丁寧に応対するも、監査員は施設側が相変わらず無許可運営のうえ定員を超える子供や青少年を抱えすぎていること、そして無資格の若者が介助者として働いていることを問題視していました。
一方、ジョゼフは職場の工場でひとりの女性にほのかな好意を抱きましたが、アプローチが不器用なせいでどうしても上手くいきませんでした。そして試用期間の1週間が過ぎ、ジョゼフは正式採用されることなく工場をクビになってしまいました。
ジョゼフたちが様々な困難に頭を抱え続けるなか、今度はヴァランタンが施設から逃げ出して行方をくらましてしまうという事件が発生しました。ヴァランタンは程なくして無事に発見されたものの、「正義の声」の運営を問題視し続けてきた行政は遂に施設を監視下に置くことに決定しました。
これまで必死で守り続けてきた施設を行政により制圧されてしまったブリュノは、これまで面倒を見てきた子供たちが有志として出演したダンス公演を観ながら涙を浮かべました。
それから月日は流れ、とある民間企業が児童養護活動に携わることになりました。ブリュノやマリクは引き続き若者たちのためにささやかながらも活動を続けていました。ジョゼフもようやく電車内で問題を起こすことなくひとりで乗れるようになり、ブリュノは施設の子供たちと共に温かく見守りました。
ブリュノは引き続きヴァランタンの面倒も見ており、ささやかながらヴァランタンの成長を実感していました。
以上、映画「スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」のあらすじと結末でした。
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