王の運命―歴史を変えた八日間―の紹介:2015年韓国映画。朝鮮第21代国王・英祖(ヨンジョ)の息子である王子(荘献)は、聡明ではあったが王は王位継承者に育てようと厳しく育て、親子の愛情が欲しかった王子は後に謀反を企てます。王子とその息子サンの命はどうなってしまうのか…。王宮殿で起こる8日間の悲しみと苦しみを描いた作品です。
監督:イ・ジュニク 出演:ソン・ガンホ(英祖 / ヨンジョ)、ユ・アイン(思悼世子 / サドセジェ)、ムン・グニョン(恵慶宮 / ヘギョングン)、チョン・ヘジン(暎嬪 / ヨンビン)、キム・ヘスク(仁元王后 / イヌォンワンフ)、ソ・ジソブ(イ・サン / 正祖)、ほか
映画「王の運命 歴史を変えた八日間」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「王の運命 歴史を変えた八日間」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
王の運命―歴史を変えた八日間―の予告編 動画
映画「王の運命 歴史を変えた八日間」解説
この解説記事には映画「王の運命 歴史を変えた八日間」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
王の運命 歴史を変えた八日間のネタバレあらすじ:起
王子(サドセジャ)は剣を手に取ると、雨の中、宮殿の御所(王の住居)へ向かいます。
1762年7月4日(1日目)
暎嬪ヨンビンは王に、昨夜の王子の行いを母として詫び、そして孫のサンの身は守ってくれるように懇願します。王の命により、王子は冠帽と王衣を取ります。その様子を門の向こうからサンは覗きます。
王は「昨夜に至っては・・・これ以上は言うまい」そう言うと、王子に向かい刀を投げ「自害しろ」「わしが死ねば国は滅びるが、お前が死ねば300年は安泰であろう」「わしは家長として父の命を狙った子を処罰するのだ」「今自害すれば王子の名は保たれる」そう言います。
すると王子は「いつ私を王子として実の子として扱った?」そう言うと、刀を握り自害しようとしますが家臣たちが押寄せ王子を止めます。その様子を門の外で王子の息子サンと妻の恵慶宮(ヘギョングン)が息を潜めながら見つめます。
地面に頭を叩きつける王子を止めながら、家臣が王に「大明律にもない処分を下す事は出来ませぬ」そう訴えます。王は米びつを持ってくるように言い、王子は運ばれた米びつに自ら入ります。王が蓋に釘を打ち出すと、サンが駆け寄り泣きながら「父上出てきてください」王に「父上をお助け下さい」「どんなご命令にも私が従います」と懇願します。
1762年7月5日(2日目)
王が王命を下します『王子は卓越した資質を備えており余はそれを喜び愛でた』『だが10代からは勉学に目もくれず以降は病に冒され淫乱と悪行にふけった・・・』『あげくには宮殿の裏庭に墓を掘り筆舌に尽くしがたい蛮行に及んだ』『王子の王位を剥奪し平民として幽閉する』
<回想シーン>
王子は成長し、恵慶宮を嬪宮(ピングン)として王宮に迎えます。まだ幼い恵慶宮は両親を前にして涙しますが、王子はそんな恵慶宮に婚礼の祝いとして頂献上された犬を抱かせ「父上を怖がらないで、私がついてるから」と慰めます。心優しい王子に対し王は「遊びは一時のたのしみだが、学問は一生の楽しみだぞ」と勉学に力を入れるように言って聞かせます。
<回想シーンここまで>
王の運命 歴史を変えた八日間のネタバレあらすじ:承
1762年7月6日(3日目)
王子は米びつに一匹のムカデが入ってきたことにより、米びつを蹴破り宮殿内の池に飛び込みます。家臣が「サン様のお命まで危険になります」と言うと「息子も孫も殺せばいいじゃないか!」、王は正気を失い騒ぐ王子をまた米びつに閉じ込め、蓋の上に芝を乗せるように命じます。
<回想シーン>
王子も成人し、王は王子に代理執政をさせますが、軍事の件で独断で判断した王子に対し王は「お前はわしが苦労して築いた調和を一日で乱した」と激怒します。その他の案件にしても王は王子の後ろに座り、王子に指図をして王子は思うように進めることが出来なくなります。その後も王は何かにつけ王子を叱咤するのでした。
<回想シーンここまで>
1762年7月7日(4日目)
米びつにかけられた水を蓋の隙間から扇に受け、すするように飲む王子は、扇に書かれたその絵を見ながら若い日を思い出します。
<回想シーン>
仁元王后(イヌォンワンフ)に生まれて来るわが子が、龍の夢を見たことから男子であると、その龍の絵を見せに行く王子に、家臣である義父が「これは扇子にしてお世継ぎの王座就任時に捧げます」と言います。そして息子サンを授かります。
100日を迎えたサンを王に抱いてもらうが、王は笑顔も見せず、すぐにサンを引き離します。元王后の放った言葉で王は気分を害し、王座を王子に譲るといい出し、それを止める為に王子は雪深い夜に席藁待罪(ソッコテジェ)を行います。
王子の身体を心配した王皇太后は、王に放った言葉を撤回し、自ら断食をして亡くなります。王妃と王皇太后を失った悲しみから、それからというもの酒と女に逃げる日々でした。王もそんな王子を見て「お前を王子にしたわしが愚かだった」と嘆きます。
<回想シーンここまで>
王の運命 歴史を変えた八日間のネタバレあらすじ:転
1762年7月8日(5日目)
米びつの中の王子に駆け寄り泣く飼い犬のモン。「サンは餌をくれるか?嬪宮は毛をとかしてくれるか」とモンに王子は尋ねます。王位継承の件でサンは王子の息子である事から即位を阻止しようという声が上がります。
1762年7月9日(6日目)
サンは妻に水を持たせ王子に会いに来ますが、既にサンの声を聞いても返事をする力も無く、弱弱しく米びつを叩きます。
<回想シーン>
月日が経つにつれ、王は賢いサンをとても気に入り”あの父にしてこの息子”は当てはまらぬなと笑います。王はサンに言います。「勉学に励め実力がなければたとえ王でも劣位になる」
王は師匠たちに告げます。雨の降る夜「王位をサンに継がせようと思う」と「誰が王子の廃位を申し出る?」「廃位の嘆願書を出せ命令だ」そう言うと、王はその場を去っていきました。
臣下たちは王子に勉学のふりだけでもと説得しますが、そんな生き方は嫌だと、いう事を聞きませんでした。王子は王妃になれなかった暎嬪を不憫に思い、暎嬪を籠に乗せ「我が母上王妃様のお通りだ」と泣きながら叫びました。そして王子が殺めた宦官の兄が、王子の非行さと弟が殺された事を告発しに王を訪ねます。「おまえの存在自体が謀反」だと王より言われた王子は、雨の激しい夜、御所へと向かいます。
御所のふすまの向こうから聞こえるのはサンを前に笑う王の声。王はサンに尋ねます「王子が暎嬪の還暦祝いをしたそうだな」「王と王妃のみに捧げる4拝をなぜ一介の側室にした?」「礼節に反する事だぞ」。サンは答えます「礼節より人が上です」「あの日私は父の心を見ました」それを聞いた王子の手から刀が滑り落ちました。
<回想シーンここまで>
王の運命 歴史を変えた八日間の結末
1762年7月10日(7日目)
王は米びつの中の王子に心で話しかけます。『2歳の頃から早々に帝王学を学ばせた』『あの時お前が見せた知恵を、聡明さは今でも忘れられぬ』『お前を立派な国王に育てる為、厳しく接したのだ』
米びつから王子が『父上を理解しようと必死で努力とした』『でもあなたが強要したやり方は息が詰まって耐えられなかった』『何故あの夜あなたを殺さずきびすを返したのか分かるか』『人がいてこそ勉学も礼節もあるのだ』『私が望んだのは父上からの温かい眼差し、優しい言葉たった。一度でよかったのに』
王が言います「なぜわしとお前はこの世とあの世の分かれ道に立つまで、このような話ができなかったのか」「わしは子殺しの親として後世に残るだろう」「お前は王の命を狙った逆賊ではなく・・・」涙声で「錯乱し、父を殺そうとした一人の奇人として残るだろう」すると米びつの中の王子の頬を涙がつたいます。「そうすればお前の息子は助かる」「わしが王でなくお前が王の息子でなければ、こうはならなかっただろう」王子の手が扇子の上から滑り落ちます。
米びつが壊され、王が王子の死を確認します「息子よ愚かな息子よ」息子の顔をなでながら「どうしてお前はこの年老いた父にここまでさせたのだ」。暎嬪は恵慶宮に何度も泣きながら「息子を殺したの私ではないのだな?」「私の大事な息子、愛しい愛しい子」と言うのだった。
1762年7月11日(8日目)
王はサンの悲しみを思い、王子の地位を回復させその贈り名を、思いの“思”、悲しむの“悼”として、思悼世子(サドセジャ)としました。恵慶宮は涙をこらえながらサンの喪服を脱がせながら「お前が王位を継いで父の無念を晴らすのだ」と言います。
それから14年後
思悼世子に関する文の文字が川の水によって流されます。そして王はサンに「お前の父の記憶を消すのはお前とこの国の未来のためだ」「これがわしとお前の仁義だ」その後、王は逝去します。
王になったサンは父の墓に水を手向けます。恵慶宮が「還暦を向かえてやっと白髪交じりの頭で会いに参りました」。恵慶宮の還暦の祝いの席で、父を思いながらあの扇子で舞うサンの心には、今も父の姿が目に浮かぶのでした。
以上、映画「王の運命―歴史を変えた八日間―」のあらすじと結末でした。
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