彼の見つめる先にの紹介:2014年ブラジル映画。視覚障害のある高校生レオナルドは、転校生のガブリエルと出会ったことでこれまでにない気持ちを抱くようになる。2人の少年と1人の少女を中心に巻き起こる青春ストーリーをとても爽やかに描いています。ダニエル・ヒベイロ監督が過去に製作し人気を博した短編映画を、当時と同じキャストで長編作品にしたものとなっています。ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とテディ賞をW受賞した作品です。
監督:ダニエル・ヒベイロ 出演:ジュレルメ・ロボ(レオナルド)、ファビオ・アウディ(ガブリエル)、テス・アモリン(ジョヴァンナ)、ルシア・ホマノ、セウマ・エグレイ、ほか
映画「彼の見つめる先に」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「彼の見つめる先に」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
彼の見つめる先にの予告編 動画
映画「彼の見つめる先に」解説
この解説記事には映画「彼の見つめる先に」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
彼の見つめる先にのネタバレあらすじ:起
生まれつき視覚に障害を持つ高校生のレオナルド(ジュレルメ・ロボ)は、夏休み最後の日を幼なじみのジョヴァンナ(テス・アモリン)と過ごしていた。休みをダラダラとすごしてきた2人の興味はファーストキスだったが、相手もいないとあきらめ気味だ。
新学期が始まり、いつものようにジョヴァンナの介添えで登校したレオは、さっそくクラスのいじめっ子ファビオたちの攻撃を受ける。彼らは目の見えないレオをからかい、常にレオに付き添うジョヴァンナのことを盲導犬と嘲笑するのだった。
そんな中、クラスに転校生ガブリエル(ファビオ・アウディ)がやってくる。授業でレオが使う点字タイプライターがうるさいと誰も座りたがらなかった後ろの席に、ガブリエルは進んで座り、ほかの人とまったく同じように話しかけてくる彼に、レオとジョヴァンナは好感を持ち、やがて3人は一緒に行動するようになる。
一方でレオは、過保護な両親をうっとうしく感じるようになっていた。両親ともに留守にする水曜日は祖母の家で過ごすことになっていたが、家で留守番くらいできるという彼にも母はいい顔をしなかった。
もともと新しい世界に好奇心を抱いていたレオは、両親の干渉から逃れるため家を出たいと思い始めていた。ある日、祖母の家からの帰りが普段より遅くなったレオは、母から連絡もせずに遅くなったことを咎められて、言い争いになる。
嫌気がさしたレオは、ジョヴァンナとともに交換留学生の相談窓口を訪ねるが、相談は保護者同席が必要だと言われてしまう。それでも視覚障害者でも留学できるかというレオの質問に、担当者は例がないが受け入れる家庭があれば可能だと答える。
彼の見つめる先にのネタバレあらすじ:承
ジョヴァンナ、ガブリエルと過ごす時間が多くなったレオだったが、徐々にそのバランスが崩れ始める。歴史の課題でペアを組むことになったレオは、いつもならジョヴァンナと組むところを、同性でペアを組むことという先生の指示でガブリエルと組むことになる。
2人で話していると、いつもの調子でガブリエルはレオに映画に行かないかと誘い、目が見えないことに気づいて謝罪するが、好奇心からレオは映画館に足を運ぶ。そこでレオはガブリエルの解説で初めて映画館で映画を楽しんだ。
それを聞いたジョヴァンナは、自分を誘わず2人だけで行ったとヘソを曲げるが、レオは彼女に謝りながらもガブリエルと2人の時間を待ち望むようになっていた。レオの部屋で課題に取り組みながら、祖母の影響でクラシック音楽しか知らなかった彼に、ガブリエルはポップスを聞かせ、2人で曲に合わせてダンスをする。
そして月食を見に行こうというガブリエルの誘いに、レオは初めて真夜中に家を抜け出す。石を使って月食の仕組みを説明するガブリエルに手をとられ、レオの心はときめいていた。
映画にポップス、ダンス、初めての体験に自然にいざなってくれるガブリエルに友情以上のものを感じ始めていたレオは、こっそり家に戻ると、彼が昼間忘れて行ったパーカーを素肌にまとい、彼の香りに包まれてしばし陶酔のときを過ごす。
ある日、学校でジョヴァンナと話していたレオに、交換留学の担当者からアメリカなら受け入れ先があるという連絡が入る。ただし親同席でないと相談できないため、レオが考えあぐねていると、クラスメイトのカリーナがガブリエルに接近する。
以前から彼女を良く思っていない2人だったが、カリーナのガブリエルに対する行動を、ジョヴァンナが逐一苦々しい思いで報告する内容に、レオも動揺していた。
彼の見つめる先にのネタバレあらすじ:転
課題のために2人で帰ってきたレオとガブリエルだったが、ジョヴァンナから自分を置いて2人だけで帰ったことに怒り、以来レオたちを無視して口を利かなくなる。そしてガブリエルの介添えで帰るようになったレオを、ファビオらは”彼氏”だといってからかう。
レオは意を決して両親に交換留学生のことを打ち明ける。説明を求める父に対して、母は頭ごなしに反対し、受け入れ先はあるのだという彼の話にもいっさい耳を貸そうとしない。
その晩、悪夢で目が覚めたレオは、父を呼んでひげ剃りの手伝いを頼む。
父は嬉しそうに手を貸しながら、レオが海外へ行って新しい挑戦をしたいと思うことも、親への反抗も自然なことだと言いながらも、親から逃げるための留学には反対だから、正当な理由があるなら母を説得してもいいと諭す。
カリーナがクラスメイト全員を招いてのパーティーを開き、ガブリエルがDJをするからとレオは気乗りしないまま参加していた。レオと仲たがいしたまま酒をあおっていたジョヴァンナを見かねたガブリエルは、彼女にレオと話すよう説得するが、彼女はこうなったのはガブリエルのせいで、彼が転校してきてからレオは自分を避けるようになったと責め立てる。
そのころ、パーティー会場では”スピン・ザ・ボトル”ゲームに興じていていて、ファビオのイタズラでレオが犬とキスする寸前だった。そこへ出くわしたジョヴァンナが危うくレオを助け出すが、レオから、キスするチャンスを邪魔したと言われた彼女は怒って帰る。
あとを追ってきたガブリエルは、皆が自分の邪魔すると怒るレオに思わずキスをすると、茫然とするレオを残し慌てて帰って行く。
彼の見つめる先にの結末
レオはガブリエルのことで頭がいっぱいだったが、彼は素知らぬふりで、ジョヴァンナとも仲たがいしたままクラスでキャンプに行く日がやってくる。ようやくガブリエルと会話ができたレオは、パーティーのときのことをさりげなく聞いてみるが、酔っていて覚えていないのだと言われがっかりする。
夜になって、ガブリエルは仲たがいしたままのレオとジョヴァンナに話をさせるため、カリーナを誘ってその場を離れる。2人になったレオとジョヴァンナは、隠れて酒を飲んで話し、仲直りをするが、レオはそこでガブリエルに恋していることを打ち明ける。
突然の意外な告白に驚いたジョヴァンナは、その場から立ち去ってしまい、レオはガブリエルを探し声のするほうへ行く。するとガブリエルはカリーナとプールの中で誘われたレオもプールに入るが、キャンプから帰ったレオは風邪をひいて熱を出す。
学校を休んだレオのもとにジョヴァンナがやってくる。彼女はレオに謝り、意外な告白に驚いたが、2人はお似合いだと告げる。その後、やってきたガブリエルにカリーナとの関係を問い質したレオは、カリーナにキスされそうになったが、彼女がいると嘘をついてごまかし、話をしているうちに酔ってプールに落ちたのだと聞かされる。
安堵したレオだったが、パーティーの時のことは酔って忘れたと言っていたのを不思議に思った彼に、ガブリエルは好きな人にキスしたが反応がなかったので弱気になったのだと話す。自分のことだと悟り喜びが湧きあがったレオは、ガブリエルにキスを返す。
それからレオはジョヴァンナ、ガブリエルとまた3人で登下校するようになるが、レオの手はガブリエルにかかっていた。ファビオらの”彼氏”という冷やかしにも堂々と手をつないで見せつけるレオとガブリエルだった。
以上、映画「彼の見つめる先に」のあらすじと結末でした。
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