魔女がいっぱいの紹介:2020年アメリカ映画。魔女が実在する世界を舞台に、魔女の恐るべき野望を知ってしまった子供たちの運命を描きます。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』などを手掛けたロバート・ゼメキス監督が、『チャーリーとチョコレート工場』の原作者であるロアルド・ダールの同名著者を映画化したダークファンタジーです。
監督:ロバート・ゼメキス 出演者:アン・ハサウェイ(大魔女グランド・ウィッチ)、オクタヴィア・スペンサー(おばあちゃん)、ミランダ・サルフォ・ペプラ(若い頃のおばあちゃん)、スタンリー・トゥッチ(ミスター・ストリンガー)、ジャジール・ブルーノ(ぼく)、クリス・ロック(年上のマウス)、クリスティン・チェノウェス(メアリー/デイジー)、コディ=レイ・イースティック(ブルーノ・ジェンキンズ)、ブライアン・ボベル(レジナルド)、ほか
映画「魔女がいっぱい」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「魔女がいっぱい」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
魔女がいっぱいの予告編 動画
映画「魔女がいっぱい」解説
この解説記事には映画「魔女がいっぱい」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
魔女がいっぱいのネタバレあらすじ:起
物語は「魔女は実在し、しかも身近にいる」というナレーションから始まります。
魔女は人間世界に紛れて暮らしており、とにかく大嫌いな子供をどうやって消すかを年がら年中考えているのです。魔女にとっては、子供をぺしゃんこに潰すことが何よりもわくわくする至福の時なのです…。
…1968年の冬、少年“ぼく”(ジャジール・ブルーノ)が8歳の頃。クリスマスのシカゴ、両親と一緒に車に乗っていたぼくは交通事故に巻き込まれ、両親を失いました。ただ一人生き残ったぼくはおばあちゃん(オクタヴィア・スペンサー)に引き取られ、一緒に住むことになりました。ぼくは両親を失った哀しみから逃れられずにおり、おばあちゃんはそんなぼくを「これは神様の試練だ」と慰めました。
ある日、おばあちゃんはぼくに白いネズミを買って来てくれました。ぼくはネズミにデイジー(クリスティン・チェノウェス)と名付け、一緒に遊ぶようになりました。ぼくは優しく明るいおばあちゃんやデイジーと触れ合ううちに、次第に哀しみも和らいでいきました。ところが、窓の外に魔女がいるのを見たおばあちゃんは、途端に咳き込みました。
おばあちゃんと一緒に買い物に出かけたぼくは、そこに現れた見知らぬ黒い服の女からお菓子を差し出されました。女の腕には蛇が巻き付いており、そして出て来て、女はぼくに「蛇にキスして」と言ってきました。おばあちゃんがぼくを探す声が聞こえてくると、いつの間にか女は姿を消していました。
その夜、ぼくがおばあちゃんに女の話をすると、おばあちゃんはこの女の正体は魔女だと教えました。ぼくは魔女が本当にいるのか疑問に感じましたが、おばあちゃんは「魔女は実在する」と言うと、かつて魔女によって動物にされた少女の話を始めました…。
…おばあちゃん(ミランダ・サルフォ・ペプラ)がまだ少女だった頃。おばあちゃんは向かいに住む親友のアリスと水汲みに行くと、途中でアリスは黒い服の女からお菓子をもらっていました。翌朝、おばあちゃんがアリスの家に行くと、アリスは突如おばあちゃんの目の前でみるみるうちに大きなニワトリの姿に変身していきました。
おばあちゃんがアリスの両親にこのことを話しても信じてもらえず、それからというものおばあちゃんは毎日のようにニワトリ姿のアリスに会いに行っていました。やがてアリスは大きな緑の卵を産みました…。
…語り終えたおばあちゃんは押し入れから薬草学の古文書や民間療法の道具を取り出すと、「魔女に見つかってしまったらこの家は危険。従妹に頼んでオーリンズ・ホテルを予約してもらう。そこは金持ちの白人だけ泊まるホテルなので安全だ」と支度を始めました。
窓の外では魔女がぼくらの様子を見ており、おばあちゃんは咳き込み出しました。おばあちゃんが咳き込むのは、魔女が近くにいることにより引き起こされるものです。
魔女がいっぱいのネタバレあらすじ:承
ぼくはおばあちゃんやデイジーと共に、リゾート地にある高級ホテルのオーリンズ・ホテルへと向かいました。おばあちゃんはぼくに、国ごとに魔女の組織があり、魔女の上には“大魔女”が君臨していることを教えました。
一行はホテルに到着、おばあちゃんが受付をしている間に、ぼくはブルーノ(コディ=レイ・イースティック)という少年と出会いました。ぼくたちは4階の766号室に泊まることになり、ホテルの支配人ミスター・ストリンガー(スタンリー・トゥッチ)は「この高級ホテルに泊まれることはラッキーだ」とぼくに話しかけてきました。
やがてホテルに「国際児童愛護協会」と名乗る女性の団体がやってきました。代表らしき女性(アン・ハサウェイ)は黒猫を抱いており、ペットの持ち込みは禁止だと注意するストリンガーに「ホテルにネズミがいたら役立つ」と言ってのけました。
その頃、魔女の気配を感じ取ったおばあちゃんは激しく咳込んでいました。おばあちゃんはぼくに魔女の特徴を教えてくれました。魔女は人の皮を被った悪魔であり、魔女の口は端っこが耳まで届きそうなほど裂けており、普段は化粧で隠しているのですが、よく見るとうっすら線が入っているのが特徴です。魔女は常に肘まである長い手袋をしており、その中にかぎ爪みたいな長い3本の指を隠しているのです。
魔女には足の指がないのですが、大魔女だけは真ん中に長い指が1本だけ生えています。魔女の頭はツルツルに禿げた頭で、普段はカツラで隠しているのですが、常に地肌に直接被っているため頭がかゆくなり、年中掻きむしっているためにすっかり醜く爛れて“ヅラただれ”と呼ばれる状態になっているのです。
そして何よりも子供を非常に嫌う魔女は、子供の臭いを嗅ぎ分けるために、普通の人よりも鼻の穴が大きいとのことでした。普段は人間のフリをしている魔女は、仲間たちしかいない場所では正体を明かす“むしり取り”を行うとのことでした。
ぼくとおばあちゃんの部屋の真下の666号室には、代表の女性が泊まることになりました。代表の正体こそがあの大魔女グランド・ウィッチだったのです。
翌朝、おばあちゃんの咳は中々おさまらず、ぼくはデイジーと共にホテル内を探索することにしました。するとぼくは昨日出会ったブルーノと再会しました。食いしん坊のブルーノは、さっき見知らぬ女性からお菓子をもらったことを自慢げに語っていました。
その後、ぼくとデイジーは誰もいない大広間に入り、一緒にこっそりと遊んでいると、そこに「国際児童愛護協会」の女性たちが大勢で入り込んできました。ぼくとデイジーは慌てて舞台の下に隠れると、女性たちは大広間の扉を封鎖し、グランド・ウィッチとしての正体を表した代表の「むしり取りなさい」の合図で、全員が一斉に手袋と靴、カツラを脱ぎ始めました。「国際児童愛護協会」の女性の正体は全員が魔女だったのです。
グランド・ウィッチは「この世のガキども全員を消し去り、ペシャンコに潰してやる」と宣言、そのために町で菓子屋を開いて“ネズミニナール”という薬を混ぜたお菓子を売るという計画を明らかにしました。“ネズミニナール”は飲んだ者をネズミの姿に変えてしまう恐ろしい薬であり、1摘投入すると1時間後、2摘で30分後、3摘で即時に作用するというものでした。
グランド・ウィッチは“ネズミニナール”を1摘含んだチョコをブルーノに食べさせていました。そして大広間に入ってきたブルーノは、魔女たちのカウントダウンでネズミの姿に変化してしまい、魔女たちに踏み潰されそうになりました。
逃げ惑うブルーノはデイジーに助けられました。デイジーは人間の言葉を話すことができました。実はデイジーの正体は魔女によってネズミにさせられた孤児のメアリーだったのです。ぼくはメアリーやブルーノと共に逃げようとするも、グランド・ウィッチに捕まってしまい、口に3摘の“ネズミニナール”を入れられました。
魔女がいっぱいのネタバレあらすじ:転
ぼくの身体はたちまちネズミの姿になってしまいました。グランド・ウィッチはぼくを殺そうとしましたが、間一髪でメアリーに助けられ、ぼく、ブルーノ、メアリーは換気口に逃げ込みました。グランド・ウィッチは換気扇に指を挟まれて怪我をし、その隙にぼくたちは何とか逃げ出しました。
ぼくたちは途中でメイドに見つかってしまいましたが、それでも何とかおばあちゃんの部屋まで逃げ延びました。しかし、メイドの通報を受けたネズミ駆除業者がホテルを訪れ、各部屋にネズミ捕りの罠を仕掛けていきました。
ぼくはおばあちゃんに、自分とブルーノとメアリーは魔女によってネズミの姿に変えられたことを説明しました。おばあちゃんはぼくたちの姿を元に戻すためには“ネズミニナール”を使って解毒剤を作る必要があると教え、ぼくはこの部屋の真下がグランド・ウィッチの部屋であることを教えました。
その頃、下の666号室のベランダでは、浜辺で遊んでいるたくさんの子供たちを不快に思ったグランド・ウィッチが“ネズミニナール”の小瓶をテーブルの上の氷が入った容器に入れていました。おばあちゃんは毛糸で編んだ靴下にぼくを入れ、毛糸を垂らしてベランダに下ろしました。
ぼくはグランド・ウィッチのスーツケースの中に大量の札束が入っているのを目撃、氷の容器に大量に保管されている“ネズミニナール”の小瓶のうち1本を抜き取って靴下の中に戻りました。おばあちゃんは靴下を引き上げようとしましたが、運悪くグランド・ウィッチに気付かれてしまいます。おばあちゃんは編み物をうっかり落としてしまったと言い訳して、何とかぼくを引き上げましたが、グランド・ウィッチはおばあちゃんの顔をどこかで見たことがあることを思い出していました。
グランド・ウォッチはストリンガーを呼びつけ、浜辺から子供たちを追い出すよう命じました。その際、ストリンガーは黒猫を籠に入れるよう指示すると、黒猫は大人しく籠の中に入っていきました。
おばあちゃんは回収した“ネズミニナール”を使って解毒剤を調合しようと試みましたが、薬には魔女の非常に強い呪いがかかっており、失敗に終わってしまいます。ぼくは嘆くおばあちゃんを「ぼくはネズミのままでいい」と慰め、メアリーやブルーノもおばあちゃんに協力すると誓いました。
グランド・ウィッチは魔女たちの夕食として、ガーリック抜きの豆のスープを要求していました。ぼくはこのスープに“ネズミニナール”を混ぜ、魔女たちを全員ネズミに変える作戦を思いつきました。そこでぼく・メアリー・ブルーノはおばあちゃんの助けを得てこっそりと厨房に忍び込み、まんまとスープの鍋に“ネズミニナール”の小瓶を落とすことに成功しました。コックに見つかってしまったぼくたちは厨房から逃げ出し、おばあちゃんに匿われました。
魔女がいっぱいの結末
レストランでは何も知らない魔女たちがまんまと豆のスープを飲み始めていました。グランド・ウィッチがスープを飲もうとしたところ、おばあちゃんの姿を見つけました。グランド・ウィッチは自らニワトリにしてやったアリスのことをはっきりと覚えていました。グランド・ウィッチとおばあちゃんが対峙している隙に、ぼくはグランド・ウィッチのポケットから部屋の鍵を盗み出しました。
次の瞬間、魔女たちは一斉に醜いネズミへと姿を変えていきました。驚いた客は逃げ出し、ホテルの従業員たちが総出でネズミ退治を始めました。おばあちゃんはぼくたちを連れてパニック状態のレストランを抜け出し、ぼくが盗んだ鍵でグランド・ウィッチの666号室に潜入しました。
おばあちゃんは部屋にあった全ての“ネズミニナール”の小瓶を回収しましたが、その際に1本をテーブルの下に落としてしまいます。ぼくたちが回収しに行ったところ、唯一スープを飲んでいなかった魔女が恐ろしい形相で部屋に戻ってきました。ぼく・メアリー・ブルーノは部屋に仕掛けられていたネズミ捕りの罠にグランド・ウィッチの足を挟み、グランド・ウィッチは苦痛のあまり悲鳴と共に大きな口を開けました。ぼくはその隙に、“ネズミニナール”の小瓶を丸ごとグランド・ウィッチの口に放り込みました。
ネズミの姿となったグランド・ウィッチは、ぼくたちを殺そうと追いかけ回しましたが、間一髪でおばあちゃんがガラス瓶の中にグランド・ウィッチを閉じ込めてくれました。おばあちゃんはグランド・ウィッチの服からスーツケースの鍵を抜き取り、開けてみると、そこには大量の札束と共に世界中の魔女の名前と住所が記されたリストがありました。
おばあちゃんはスーツケースを持ち、籠の中から黒猫を放つと、ぼくたちと共に部屋を後にしました。ぼくたちの耳には黒猫に襲われたグランド・ウィッチの断末魔の叫びが聞こえていました。
おばあちゃんはぼく・メアリー・ブルーノを連れてホテルを後にしました。それからというもの、ぼく・メアリー・ブルーノはネズミの姿のまま、おばあちゃんと仲良く暮らし、グランド・ウィッチから奪った金で世界中を旅して回りました…。
…時は流れて現在。ぼくはネズミ姿のまま大人になり、子供たちに語りかけていました。ぼくは子供たちに「魔女は世界中にいる。魔女の名前と住所を知っている。ぼくは86本の“ネズミニナール”の小瓶を持っている。魔女に薬を飲ませてネズミにしよう。一緒に戦おう!」と呼びかけました。子供たちは小瓶を持って各地へと繰り出していきました。
以上、映画「魔女がいっぱい」のあらすじと結末でした。
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