映画「デストロイ8.8」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デストロイ8.8の紹介：2011年チリ映画。突然襲った大地震。服役中の囚人たちは着のみ着のままで逃げ出しました。囚人の一人マニュエルは、仲間たちと群れない性格で、一人で逃げ出すと自宅に戻ります。しかし自宅が津波で崩壊し、妻子がいなくなっていることを知ると、森に向かって歩きはじめます…という内容のチリの作品です。映画の解説とは裏腹に、脱走した囚人マニュエルの行動を淡々と映しだすだけの展開で、会話もほとんどない人間ドラマです。
監督：セバスティアン・レリオ 出演者：ルイス・ドゥボ（マニュエル）、セルヒオ・エルナンデス（フォアマン）、ヴィヴィアナ・ヘレーラ（マルセラ）ほか
この解説記事には映画「デストロイ8.8」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
服役中のマニュエルに、妻のマルセラが面会にきます。二人は少し話をした後、テントの中で息を殺して愛し合います。マルセラが帰るとマニュエルは不機嫌になり、周りの囚人たちに当り散らしては謝るという、俗にいう偏屈もの。
その夜、巨大地震が襲いかかりました。激しい揺れが続き、囚人たちは必至で逃げます。元々仲間を作らないマニュエルは一人で山に向かって逃げます。周囲では「津波が来るぞ～」と囚人たちが叫んでいます。マニュエルは必死で小高い場所まで上がり一夜を明かし、翌朝目覚めると、山の下にある町は、津波で崩壊していました。
水が引いたのを見計らって、海岸沿いの自宅に戻ったマニュエルは、マルセラと娘のタテアナを探します。家は倒壊し、家具は散乱する中、マルセラの持っていたバッグを見つけたマニュエルは、海に向かって大声で二人の名前を叫びます。
二人の生存をあきらめたマニュエルは、森の中にある自分の実家に向かいます。実家も同様、津波が襲い家の中は散乱している状態で、床の上に母が倒れて死んでいました。母に寄り添い、顔を寄せるマニュエルは、母の亡きがらを毛布でくるみ、抱えて森に入ると埋葬し、母の横で眠ります。
目覚めたマニュエルは森から出ます。津波で流されたのか、檻の中でトラが寝ています。トラの生死を確認するために音をたてると、トラは生きていました。しかし怪我をしたのか、動き出す気配がない事から、檻の扉を開け、トラに「ここから出ろ」と話しかけます。トラはマニュエルの言葉に反応したかのように目を開きマニュエルを見ていました。
小さな町に出たマニュエルは、元気になって歩いているトラを見つけ微笑みます。トラがいなくなると、流された家財道具を集め、自分の住処を作ります。すると近くで、住人達が家族を探しています。更にパトカーもやってきたため、脱走した囚人であるマニュエルは町を離れ、再び森へ向かいます。
空腹のマニュエルは、農場で自分が逃がしたトラの死体を見つけ、調べると銃痕がありました。その後、近くにあった豚の餌を食っていると、農場のフォアマンが銃を突きつけ「吐き出せ、お前は豚か」と言い寄って来ます。マニュエルは「津波にあい、妻と子供が死んだ。今から妻の実家に向かうところだが空腹に耐えられなくなった、許してくれ」と言います。
フォアマンは「食べたかったら、オレの家の仕事をしろ」と言い、了解したマニュエルは地震で崩壊したフォアマンの家の中の瓦礫を取り除きはじめます。警戒するフォアマンは銃を離さず、自分の仕事をしていましたが、夕方になるとマニュエルを信用しトウモロコシを与えます。
テレビで津波のニュースを見た後、「今から酒を飲もう」といって二人は飲み始めます。フォアマンが身の上話を始めると、マニュエルは囚人であることを隠し、やや話を変えながら身の上話を始めます。やがて、酔いが回ってきたフォアマンは、家の近くに来たトラを撃ち殺した自慢話を始めます。
それはマニュエルが檻から逃がしたトラでした。「逃げて生きろ！」と逃がしたトラを、フォアマンは自分の腕前を誇示するかのように、トラを仕留めたことを話します。だんだん機嫌の悪くなるマニュエルに対し、フォアマンは勢いづいて神の話までし始め、そのまま眠りこけます。
マニュエルはガラスの破片を拾い、フォアマンの腹を刺して殺すと、靴や服を奪い河口付近の町に出ます。瓦礫の撤去や、家族を探す人たちの中、一人では生きていけないと悟ったマニュエルは、金属の瓦礫に家具を何度も叩きつけ騒音を出します。
周りの住民がやめろと言ってもやめないマニュエル。やがて警官が来て逮捕されると、手錠をはめられたマニュエルは護送車の中で安堵の表情を浮かべるのでした。
以上、映画「デストロイ8.8」のあらすじと結末でした。
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