T.I.M. -ティム-の紹介:2014年オランダ映画。孤独な少年とロボットの友情を描くSFアドベンチャー。父子家庭で育つティボルは友人もおらず、寂しい毎日を過ごしている。彼の唯一の友人は、父アーレントが購入した旧式の家政婦ロボット「T.I.M. (ティム)」だけだった。ティボルは他の人間と関わろうとせず、ティムさえいれば良いと言う。しかしあまりに古いティムは故障続きで、ついに修理も不可能になってしまった。アーレントはティボルに黙ってティムを捨て、新しいロボットを買ってしまう。ティボルはティムが保管されているロボトニク社にこっそり忍び込んでティムを奪還。そしてティムの修理が出来る唯一の人物、ヘクトル博士を探して旅に出るのだった。
監督:ロルフ・ヴァン・アイク 出演者:ディオン・ウィルケンズ(ティボル)、アブデルハディ・バアディ(ティム)、クラウディア・カネ(キキ)、バス・カイザー(アーレント)、エルンスト・レーウ(ハレマイヤー)ほか
映画「T.I.M. -ティム-」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「T.I.M. -ティム-」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「T.I.M. -ティム-」解説
この解説記事には映画「T.I.M. -ティム-」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
T.I.M. ティムのネタバレあらすじ:ロボットの友達
舞台は生活にロボットが欠かせなくなった時代のオランダ。父子家庭で育つ少年ティボルは、年の近い友人もおらず寂しい毎日を過ごしていました。そんな彼の唯一の遊び相手は、家政婦ロボット「T.I.M.(ティム)」です。ティムはまだティボルの母が生きていた頃中古で購入したもので、ティムのたった1人の友人でした。
しかしティムはあまりに古いため、最近では故障や失敗を繰り返しています。ティボルはしょっちゅうティムに母との思い出を語らせましたが、それすらも危うくなっていました。ティボルは父アーレントと一緒にティムをロボット整備工場まで連れて行きますが、部品も残っておらず修理出来ないと言われてしまいます。
ティボルはそこの整備工から、ヘクトルというロボット博士について教えて貰いました。ヘクトルは最初にロボットを作った人物で、おそらくティムを作った博士です。家に帰ったティボルは、ティムにヘクトルについて尋ねました。
するとティムは灯台の絵を印刷します。ティムにも理由は分からないようですが、ティボルはもしかするとこの灯台にヘクトルが住んでいるのかも知れないと考えました。それからもティムの調子はどんどん悪くなり、アーレントは仕方なく新しいロボットフェイザーを購入します。
はじめは喜んだティボルでしたが、アーレントが勝手にティムを捨ててしまったと知り非常にショックを受けました。ティムはティボルにとって唯一の友人であり、そう簡単に割り切れるものではありません。夜になり、ティボルはこっそり家を抜け出しました。
T.I.M. ティムのネタバレあらすじ:ヘクトルを探して
ティボルは廃棄されたロボット達の行き場、ロボトニク社に忍び込みます。どうやらティムは希少なオリジナル版の1体目だったらしく、研究員達が素晴らしい研究材料だと興奮して話していました。ティボルは慎重にティムに近付き、起動させて外に連れ出します。
ティボルは灯台の絵を頼りに、ヘクトルを探すことにしました。ティボルは、ティムを作ったヘクトルなら修理出来るだろうと考えたのです。ティボルはティムが中古だったことを思い出し、前の持ち主に話を聞いてみることにしました。
翌朝、ティムを買った整備工場で前の持ち主について尋ねるティボル。整備工はやめておけと忠告しますが、しつこく食い下がると大体の住所を教えてくれました。ティボルはティムと一緒に楽しみながら、ちょっとした冒険の旅を始めます。
ティムの前の持ち主ピートは、ノーザンフォレストという北の村でティムを購入したと教えてくれました。森の中を歩いていくと、宿屋を発見します。そこにはピートにティムを売った女性カレンと、その娘キキが住んでいました。
ティボルはヘクトルについて尋ねますが、2人とも知らないと答えます。項垂れるティボルに、キキは北に向かって森を抜けると海に出るので、そこに灯台があるかも知れないと教えました。
T.I.M. ティムのネタバレあらすじ:初めての人間の友達
今日はもう遅いので、明日途中まで送っていくと約束するキキ。ティボルはキキに皿洗いの手伝いを頼まれますが、今まで面倒なことは全てティムに任せていたため、皿の拭き方すら分かりません。ティボルは少なからずショックを受けますが、明るく優しいキキとの交流は楽しいものでした。ティボルにとっては初めての人間の友達です。
翌朝、ティボルとティムはキキの案内で森を北に進み始めました。一緒に釣りをしたり、昼寝をしたり、楽しい時間が過ぎていきます。キキはティボルの家族や友人のことを尋ねました。しかしティボルは、自分にはティムさえいれば良いのだと言います。
キキが変人だと笑うと、ティボルはムッとして明らかに口数が減りました。気まずい空気の中、キキは案内出来るのはここまでだと帰って行きます。が、すぐに引き返してきて、ティムの部品をいくつか掴み放り投げました。
抗議するティボルの腕を掴んだキキは、部品を投げた方向とは別の方へ走り、物陰に隠れます。そこへ2人のロボトニク社の研究員が現れました。彼らは貴重な研究材料であるティムを奪おうと、ここまで追って来ていたのです。彼らはキキの思惑通り、ティムの部品を辿って別方向へ進みました。
T.I.M. ティムのネタバレあらすじ:初めての喧嘩
そこからまた3人で歩き始めますが、今度はティムがオーバーヒートして止まってしまいます。ティムを心配し、ティムはこれ以上先に進みたがっているだろうかと疑問を口にするキキ。それを聞いたティボルはカッとなり、いちいち口を出すなと怒鳴ります。するとキキは、何故ティボルに人間の友人が出来ないのか分かったと言いました。
ティボルはいつも相手を自分の思い通りにしようとします。しかしそんな関係は、ロボットにしか通用しないのです。ティボルはますます怒って、キキを追い返しました。キキは今度こそ背中を向けて去ってしまいます。ティムと2人で森を歩きながら、ティボルはずっとキキの文句を言っていました。
するとティムは、ティボルもキキに酷いことを言ったと指摘します。ティボルはショックを受け、全てティムのためにやっていることなのに、ありがたいと思わないのかと叫びました。何も言わないティムに、怒ったティボルはもう1人で行けと怒鳴ります。
するとティムは命令通り、1人で行ってしまいました。心細くなったティボルが急いで追いかけると、ティムは転んで動けなくなっています。助け起こすと、モニターが割れていました。ティボルは謝り、もうほとんど歩けなくなったティムを支えながら森を抜けて海に出ます。
T.I.M. ティムの結末:別れと成長
灯台を見つけたティボルは大喜びし、これでティムが直ると飛び跳ねました。大声でヘクトルを呼びますが、人の気配はありません。灯台の入口は塞がれており、もう長い間使われていないようでした。完全にヘクトルへの手がかりを失ったティボルは泣き出してしまいます。
そこへ研究員達が追いついて来ました。ティボルは見つけたボートにティムを乗せ、海へ漕ぎ出します。波に揺られながら寝てしまったティボルは母の夢を見ました。母はティボルを振り返りながら、光の中へ消えていきます。
目を覚ましたティボルは、ティムとの別れを決意しました。ティボルが別れを告げると、ボロボロになったティムは完全に停止します。そして海へ沈んでいきました。岸に戻ったティボルを待っていたのは、キキでした。ティボルが駆け寄り謝罪すると、彼女は優しく抱きしめてくれます。
その後、少し逞しくなったティボルは家に帰りました。心配していたアーレントと強く抱き合い、ティムと別れて来たことを話します。ティボルはティムとではなく、アーレントと一緒に母の思い出を語り合いました。そして、ロボットはもう必要無いと言い出します。
これからは2人で何でもやればいいと言うティボル。アーレントは息子の成長を喜び、フェイザーの返品を決めました。それからは親子2人、ロボットに頼らない生活を始めます。大変ではありますが、2人の間に笑いは絶えません。ティボルの成長を見届け、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「T.I.M. -ティム-」のあらすじと結末でした。
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