タイムラインの紹介:2003年アメリカ映画。「ジュラシック・パーク」の原作者であるマイケル・クライトンの同名小説を映画化したタイムトラベル映画です。中世と現代を股にかけ、行方不明になった遺跡発掘チームリーダーを助け出すために奮闘する考古学者らの冒険を描きます。
監督:リチャード・ドナー 出演者:ポール・ウォーカー(クリス・ジョンストン)、フランセス・オコナー(ケイト・エリクソン)、ジェラルド・バトラー(アンドレ・マレク)、ビリー・コノリー(エドワード・ジョンストン)、デヴィッド・シューリス(ロバート・ドニガー)ほか
映画「タイムライン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「タイムライン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
タイムラインの予告編 動画
映画「タイムライン」解説
この解説記事には映画「タイムライン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
タイムラインのネタバレあらすじ:起
アメリカ・ニューメキシコ州。灼熱の砂漠地帯で老人の男が瀕死の状態で発見され、ERに搬送されましたが間もなく死亡しました。検視の結果、老人に目立つ外傷はありませんでしたが、レントゲン写真からは老人の臓器や血管、骨格などのあらゆる組織が輪切りのようにずれて欠損していることが確認されました。老人の身元は巨大ハイテク企業ITCに所属する物理学者であり、彼の死因は“転送エラー”によるものでした。間もなく身元引受人としてITC社の社員が現れ、レントゲン写真など証拠の品を残らず消去していきました。同じ頃、フランス南西部・ドルドーニュにある修道院の発掘現場から、どうみても現代の製品としか思えない眼鏡のレンズ、そして“HELP ME 1357年4月2日”と書かれたメモが発見されました。その筆跡からこのメモは、発掘に携わっていて2日前に消息を絶った歴史学者エドワード・ジョンストン教授(ビリー・コノリー)のものだと判明しました。
タイムラインのネタバレあらすじ:承
ジョンストン教授は行方不明になる2日前に、発掘プロジェクトのスポンサーであるITC社を訪ねるために発掘現場を離れてからそれ以来、行方をくらましていたのです。ジョンストン教授の息子・クリス(ポール・ウォーカー)と発掘チームのメンバーらはITC社長ロバート・ドニガー(デヴィッド・シューリス)のもとを訪れ、そこでITCが極秘裏に開発していた時空間転送装置“3Dファックスマシン”の存在を知ります。ジョンストン教授はその装置を使って英仏百年戦争の最中の14世紀のフランスに転送され、そのまま消息不明になっていたのです。クリスは父を探すため、助教授アンドレ・マレク(ジェラルド・バトラー)、紅一点のケイト・エリクソン(フランセス・オコナー)、フランス語が堪能なフランソワ(ロシフ・サザーランド)、案内役としてドニガーの側近ジョン・ゴードン(ニール・マクドノー)、護衛の者2名の計7人は中世の衣装に身を包み、転送装置で1357年のフランスへと旅立ちました。
タイムラインのネタバレあらすじ:転
クリス一行が辿り着いた1357年のフランスでは、オリバー卿(マイケル・シーン)率いる英国軍とアルノー卿(ランベール・ウィルソン)率いるフランス軍が熾烈な争いを繰り広げていました。クリスら7人は1357年につくなり騎馬隊に襲われて逃げ惑い、更には護衛役が投げた手榴弾が未来に転送されて転送装置が破壊されてしまいました。次々と仲間たちが命を落としていくなか、マレクはイギリス軍から逃げてきたレディ・クレア(アンナ・フリエル)を助け、やがて二人は互いに想いを寄せるようになっていきます。一方、修道院に逃げ込んだクリスとケイトはジョンストン教授の手紙と眼鏡を見つけました。その頃、現代ではITC社が転送装置のバックアップシステムの正常性を調査しており、その結果正常に動く確率は81%と算出されました。
タイムラインの結末
タイムリミットは6時間以内。ドニガーは転送装置は使えないと判断しますが、研究者たち何としてもクリスらを呼び戻そうと望みを賭ける決断をしました。一方、1357年ではクリスとケイトはジョンストン教授と再会、マレクと共に現代へ帰ろうとしましたが、クレアとこの時代で生きる決意をしていたマレクはクリスらには同行せず、タイムリミット1分前にクリスとケイト、ジョンストン教授は現代へと戻っていきました。一方、転送装置を止めようとしたドニガーは装置に閉じ込められ、そのままクリスらと入れ替わりに過去へ転送されていきました。その後、発掘現場では、アレクの名が刻まれた棺が発見されました。
この映画「タイムライン」は、マイケル・クライトンの原作の小説もいまひとつだし、映画はもっとダメな失敗作であったと思う。
原作の小説を読んだ時は、マイケル・クライトンお得意の歴史ネタに、時間SFが融合するというので期待したのだが、時間旅行の概念と方法に関しては、マイケル・クライトンらしいテクノロジー・アイディアを駆使しているものの、総じて物語にご都合主義な展開が目立ち、ガッカリしてしまった。
ベテラン監督のリチャード・ドナーも往年の冴えがなく、詰めの甘さが目立っている。時間旅行のシーンもあっさりしていて、肝心の時間理論のくだりも、バッサリとカットされていた。
これではタイム・トラベル物としてもつまらないし、もっと言えば、作り手たちに”SFマインド”がまったく欠落していると思う。