OCD 〜メンタル・クリニックは大騒ぎ〜の紹介:2017年スペイン映画。世界的な名医・パロメロのクリニック。予約は1年待ちという人気のクリニックで、TOC(強迫性障害)を克服するため、ブランカ、フェデリコ、エメリオ、オットー、リリー、アナマリアの6人は待合室で診察を待っていた。しかしスケジュール管理アプリの不具合で6人分の予約がブッキングし、さらにパロメロ先生は飛行機トラブルに巻き込まれてしまう。いつ先生が到着するかわからない状況で、6人はそれぞれのTOCについて語り合い、克服方法を模索していく。
監督:ヴィチェンテ・ヴィジャヌエヴァ 出演:パコ・レオン(エメリオ)、アレクサンドラ・ヒメネス(ブランカ)、ロッシ・デ・パルマ(アナマリア)、アドリアン・ラストラ(オットー)、オスカル・マルティネス(フェデリコ)、ヌリア・エレロ(リリー)、ほか
映画「OCD メンタル・クリニックは大騒ぎ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「OCD メンタル・クリニックは大騒ぎ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「OCD メンタル・クリニックは大騒ぎ」解説
この解説記事には映画「OCD メンタル・クリニックは大騒ぎ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
OCD〜メンタル・クリニックは大騒ぎ〜のネタバレあらすじ:起
とある研究室。定時を迎えた同僚たちが世間話に花を咲かせる中、ブランカはガスマスクに防護服といういでたちでサンプルの検査を続けていました。
敬虔なクリスチャンのアナマリアも外出の仕度を整えますが、鍵はかけたか、ビンの蓋は閉めたか、色んな心配が募ります。渋滞中の道路では、タクシー運転手のエメリオが乗客相手に自慢の計算を披露していました。しかし乗客たちは一方的な会話と計算についていけず、すぐに降りていきます。
時を同じくして、街を歩きながら周囲に罵倒を浴びせる中年男性がある建物へ向かっていました。何の共通点もない彼等の向かう先は、TOC(強迫性障害)の世界的名医・パロメロ先生のクリニックでした。
ブランカがクリニックの待合室に入ると、先ほどの中年男性が座って診察を待っていました。ブランカは4時半からの予約でしたが、男性も同じ時間で予約していると答えます。不思議に思いつつ、ぎこちない雰囲気で診察を待っていると、いきなり男性がブランカを罵倒します。ブランカは恐怖と不安に駆られ、ちょうど現れたタクシー運転手のエメリオに警察を呼ぶよう懇願します。しかし男性はブランカに向かって謝罪します。自分の意思で罵倒したわけではないというのです。その原因は、男性がわずらっている精神障害にありました。フぇデリコという名の彼は、自分の意志に関係なく罵倒してしまう「トゥレッド症候群」を患っていたのです。
さらに話が盛り上がるにつれ、エメリオも2人と同じく4時半にパロメロ先生の診察を予約していました。3人分の予約ブッキングが判明し、ブランカ、フェデリコ、エメリオは途方にくれてしまいます。
OCD〜メンタル・クリニックは大騒ぎ〜のネタバレあらすじ:承
予約のブッキングを受付嬢・ティファニーに伝えても、面倒そうにあしらわれるばかりです。さらに、クリニックにはインストラクターのリリーとアナマリア、オットーの3人が待合室に現れました。この3人も4時半から診察を予約しており、なんと6人分も予約が重なってしまっていたのです。
診察が始まらない苛立ちや不安、フェデリコの罵倒で、6人は次第に強迫性障害の症状が抑えきれずにいました。困惑する6人をよそに、受付嬢のティファニーは面倒だという態度を変えません。予約トラブルに加え、ハリケーンの影響で先生の乗る飛行機が遅延していることも発覚します。この機会を逃すと次の診察まで1年後待たなくてはいけません。ティファニーはとりあえず時間をつぶして待つよう伝えるだけでした。
見かねたオットーは、先生が来るまでの時間潰しがてら、自己紹介とTOCの症状を告白しようと提案します。帰ることもできない状況では一番良いアイデアでした。
オットーのTOC(強迫性障害)は線を踏めない事、左右対称と整理整頓に極端なこだわりがある事です。
トゥレッド症候群のフェデリコは弁護士になりたかったこと、でも症状のせいで夢をあきらめたこと、在宅の仕事も罵倒癖でうまくいかなかったことを告白します。
タクシー運転手のフェデリコは計算強迫と物を貯め込む癖がありました。
検査技師のブランカは潔癖症で、潔癖にするあまり自分の時間を取れず、日常生活にも支障をきたすほどでした。ブランカは初めて自分の悩みを打ち明け、またTOCの症状に悩んでいるのが自分だけではないことを知り、少しだけ自分を解放できたと感じていました。症状に違いはあれど、TOCのせいでいつの間にか周囲から孤立してしまうのは他の5人も同じでした。
リリーの悩みは同じ言葉を2度言ってしまうこと、他の人が話した最後の言葉を繰り返してしまうことです。父親の死のショックによるものですが、オットーは2度繰り返すとなんでも左右対称になるとリリーの悩みを肯定します。
アナマリアは、不安や緊張からキリスト教の教えや色んなものを確認しないと落ち着かない性質でした。確認することに時間を取られすぎて自分の人生を楽しめず、すぐ孤立してしまうことを嘆きます。
OCD〜メンタル・クリニックは大騒ぎ〜のネタバレあらすじ:転
全員の紹介が終わってもパロメロ先生は来る気配がありません。そこで再び、オットーはグループドクターをしようと提案します。
グループドクターとは、1人につき3分間、それぞれの問題の解消を目標にTOCの症状を抑えるチャレンジをするものでした。
トップバッターとしてフェデリコがチャレンジしますが、罵倒してはいけないというプレッシャーからいつもより症状がひどくなってしまいます。続くアナマリアも確認する癖を3分間だけやめようとしますが、不安のあまり過呼吸を起こしてしまいました。
リリーの同じことを2回言う癖も止まりません。うちひしがれるリリーは、自分はダメかもしれないがこの中の誰か一人でも治ったら嬉しいと話し、オットーやブランカは寄り添いながら静かに耳を傾けます。
潔癖症のブランカは便器を素手で触る、オットーは目隠しして線を踏む、エメリオは計算しないことにチャレンジしますが、全員達成することができませんでした。
エメリオは無意味だと苛立ちのあまり帰ろうとしますが、フェデリコはこの2時間の間、アナマリアが何度十字を切ったか、フェデリコが罵詈雑言を話した回数を覚えているか問いかけます。エメリオはこれまでどんな計算も答えられたはずなのに、正確な数字を答えることができません。自身の症状より誰かの事で夢中になっていて、症状に気を取られなかったのです。窒息しかけたアナマリアを助けるとき、オットーは線を踏んで水を取りに行き、潔癖症のブランカは手袋なしで体に触れていました。アナマリアやリリーも一瞬でしたが、他の人の症状を止める手助けをしようと無我夢中になっていたのです。ずっと症状に悩んでいた6人にとって大きな一歩でした。
OCD〜メンタル・クリニックは大騒ぎ〜の結末
結局、グループセラピーを終えた6人は先生の到着を待たず6人はそれぞれ帰路につきます。しかし皆充実した表情を浮かべ、また定期的に集まろうと約束しました。
皆が帰った後、受付嬢のティファニーが帰る準備をしていると、再びフェデリコが現れます。ティファニーは驚いた様子でパロメロ先生と声をかけます。フェデリコこそ、あのパロメロ先生だったのです。ティファニーも受付嬢ではなく、元女優でフェデリコと共に演技をしていたのでした。
後日、フェデリコは再び1人の患者としてクリニックに現れます。出会いがしらに思い切り罵倒を浴びせてしまったフェデリコ。次の診察も強烈なものになりそうな予感がありました。
以上、映画「OCD 〜メンタル・クリニックは大騒ぎ〜」のあらすじと結末でした。
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