東京おにぎり娘の紹介:1961年日本映画。父親鶴吉の洋服屋を娘まり子がおにぎり屋に改造。美人の店長が自らにぎるおにぎりで店はたちまち大繁盛。でも、まり子をめぐる恋の行方は波乱含み。カラー・スコープ作品。家では洋服だが、お出かけの時やおにぎり屋さんでは和服のまり子を演じるのは若尾文子。そして「大阪生まれの江戸っ子」の頑固おやじがぴったりの中村鴈治郎。
監督:田中重雄 出演者:若尾文子(直江まり子)、叶順子(みどり)、川崎敬三(村田幸吉)、川口浩(白井五郎)、ジェリー藤尾(三平)、中村鴈治郎(直江鶴吉)そのほか
映画「東京おにぎり娘」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「東京おにぎり娘」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「東京おにぎり娘」解説
この解説記事には映画「東京おにぎり娘」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
東京おにぎり娘のネタバレあらすじ:起・縁談の真相
新橋駅から歩いて3分の庶民的な通りにあるテーラー直江。この地で商売をして30年なのに、まだ関西なまりの店主・鶴吉は、かつては東京きっての洋服屋だったが、頑固さがたたって店はもう流行らない。
今日も、お客が来たと思ったら、バーを開店したい人がいるので店を譲らないかという不動産屋で、鶴吉は当然追い返す。ただし借金取りからは逃げて、死んだ妻に代わって家をきりもりする娘のまり子に、借金取りの相手をさせる。
そのくせ、元売れっ子芸者・はまの雀荘では、テレビの月賦を取り立てに来た男を「俺は大阪生まれの江戸っ子だ」と言って追い出すのだった。
まり子は叔母かめが経営する料理屋に手伝いに呼ばれる。だが、それは実は縁談のためだった。まり子の幼なじみで、劇場の仕事をしている五郎が、まり子との話を進めてほしいと彼の母・梅子を通じて頼んできたというのだ。
縁談は簡単に進むかと思われたが、繁盛しているおにぎり屋で五郎とまり子がデートをしてみると、五郎の方はまり子が五郎に夢中なのだと言われたとのこと。この縁談、実はかめと梅子が勝手に考えたものであることがわかる。
まり子と五郎は、どちらかがその気になったら改めて結婚を申し込みましょうということにする。その帰り、まり子を「お嬢さん」と呼び止める男がいた。かつて鶴吉の弟子で、今は自分の店をもち職人を20人も使っている幸吉だった。
東京おにぎり娘のネタバレあらすじ:承・おにぎり屋開業
弟の太郎も高校に上がることだし、家計を何とかしなければ。まり子は店をおにぎり屋にすることを決意する。鶴吉は大反対だが、父に劣らず頑固なまり子はついに店を改造し、父の仕事場は2階に追いやる。
はまの息子・三平は麻雀にうつつを抜かして、のらくら過ごしていたが、思いを寄せるまり子のために、改造の手配に続いておにぎり屋開店後もねじり鉢巻で手伝いをする。おにぎり屋直江は開店以来大繁昌となる。
鶴吉も娘の成功にまんざらでもない。訪ねてきたかめにおにぎり屋への出資の礼を言う。だが、かめが明らかにしたのは、まり子に金を貸したのは彼女ではなく、鶴吉に昔世話になったお礼をしたいと思っていた幸吉であることがわかる。鶴吉の経営方針を批判したので追い出した幸吉をまだ鶴吉は許していなかったので、鶴吉はかんかんに怒る。
東京おにぎり娘のネタバレあらすじ:転・もう一人の娘
鶴吉が怒っているところに現れたのが五郎。外のお店に鶴吉を連れて行く。五郎の話によると、彼のいる劇場の踊り子・みどりがテーラー直江を知っていると言う。みどりは昔鶴吉が芸者に生ませて里子に出した娘だった。里親とうまく行かず、実母も死に、東京に出てきたのだった。
鶴吉は五郎に頼んでみどりとの面会の場をもうけてもらい、ビールを酌み交わして父娘の関係を築く。
ある日、三平と買い物をしていたまり子は五郎が若い女と歩いているのを見る。二人が目撃したのは、五郎がみどりを鶴吉との待ち合わせ場所に連れていくところだった。その日、鶴吉とみどりは父娘二人きりで東京観光をして過ごすが、かめと梅子が二人の姿を目撃していた。
帰ってきた父を、叔母から報告を受けていたまり子が問いただす。てっきり父が若い愛人を作ったと思っていたまり子だったが、自分に妹がいたことを知ることになる。
東京おにぎり娘の結末:仲直り
まり子はとうとう五郎に結婚したいと告白するが、五郎は困ってしまう。他に好きな女がいると言う。それはみどりさんね。まり子は事情を察した。その後、五郎は鶴吉にみどりとの仲を報告し鶴吉は驚く。そしてまり子の心情を思って親として複雑な気持ちである。
そのころ、まり子は料亭に幸吉といた。今日は彼の誕生日だと言う。初めて人に誕生日を祝ってもらえると喜ぶ幸吉。五郎にふられた憂さ晴らしにまり子は飲めないはずの酒を飲みまくる。幸吉はついまり子を抱きしめようとしてひっぱたかれ、恐縮して謝る。酔っぱらって帰宅したまり子は父に「オヤジ、大阪生まれの江戸っ子とは何だ」と説教するのだった。
翌日、かめと梅子が勝手に縁談を進めてまり子を傷つける結果になってしまったことをまり子に謝るが、まり子の顔には悲しさはない。その頃2階には幸吉が来ていて、鶴吉と幸吉は仲直りし、初めて鶴吉は幸吉の店の成功を祝福する。まり子は帰る幸吉を、昔7歳年上の幸吉とよく来たお宮様の前を通って送っていく。
以上、映画「東京おにぎり娘」のあらすじと結末でした。
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