トーチソング・トリロジーの紹介:1988年アメリカ映画。俳優で劇作家のハーヴェイ・ファイアスタイン原作による舞台劇がオリジナル。ゲイをカミングアウトしているファイアスタインの自伝的物語で、差別と闘いながらも誇りを失わずに生きる、エンターテイナーの半生を描く。1981年にブロードウェイで上演され、トニー賞の戯曲賞と男優賞を受賞した。過去に日本でも二度、舞台化されている。
監督:ポール・ボガート 出演者:ハーヴェイ・ファイアスタイン(アーノルド)、マシュー・ブロデリック(アラン)、アン・バンクロフト(アーノルドの母)、ブライアン・カーウィン(エド)、カレン・ヤング(ローレル)、エディ・キャストロダッド(デヴィッド)、ケン・ペイジ(マーレイ)ほか
映画「トーチソング・トリロジー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トーチソング・トリロジー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「トーチソング・トリロジー」解説
この解説記事には映画「トーチソング・トリロジー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トーチソング・トリロジーのネタバレあらすじ:起
ニューヨークのゲイ・バーで働く、エンターテイナーのアーノルド。恋多き人生ですが、いつも裏切られて傷つくのが人生のパターンです。ある晩、アーノルドは、バーで知り合ったエドと恋に落ちます。しかし、バイ・セクシュアルで自由人のエドは、同時にローレルという女性とも付き合っていました。ショックを受けたアーノルドは、エドに気持ちを残したまま別れを告げます。アーノルドの両親は、彼がゲイであることを未だに認めようとせず、誰にも理解されない孤独な心を抱えたまま、アーノルドはステージでトーチソング(失恋の歌)を歌い続けます。5カ月後、エドが謝罪に現れました。「ローレルを愛しているが、君のことも忘れられない」と言うエドに、戸惑いを隠せないアーノルド。まだエドのことを愛していたのです。
トーチソング・トリロジーのネタバレあらすじ:承
ある晩、アーノルドの店で客同士の喧嘩が起こります。巻き込まれて気絶した青年を、一晩家に泊めたアーノルド。青年はアランといい、職業はモデル。彼もまたゲイでした。アランはアーノルドに恋心を抱き、猛アプローチをかけてきます。エドのことが吹っ切れないアーノルドですが、アランにも魅かれていきます。それから3年。一緒に暮らすアーノルドとアランは、とても幸福な毎日を送っていました。ある日、ローレルから電話があります。エドと同棲中の彼女は、週末を一緒に過ごそうとアーノルド達を誘います。エドの別荘で、楽しい時間を過ごした4人。しかし数日後、ローレルがアーノルドの家に押しかけて泣き出します。エドが「アランと寝た」と告白したのです。衝撃を受けるアーノルド。アランを問い詰めますが、アランはエドに嫉妬を感じていただけで、本当に愛しているのはアーノルドだと言います。また1つ、アーノルドの心に傷が増えました。
トーチソング・トリロジーのネタバレあらすじ:転
2年後。エドとローレルは結婚。アランも、アーノルドにプロポーズします。アランが申請していた養子縁組も認められ、15才の少年を家族として迎えることになりました。心機一転し、新しいアパートも決めた2人。しかし引っ越し当日、買い物に出たアランは、路地でゲイの老人が若者グループに乱暴されているのを目撃します。なんとかやめさせようと間に入ったアラン。若者の1人に殴られ重傷を負い、運び込まれた病院でそのまま息を引き取ります。
トーチソング・トリロジーの結末
アランを失くしたアーノルドはその後、養子になったデヴィッドの親として、慌ただしい毎日を送っていました。デヴィッドもゲイであり、学校でのいじめや喧嘩が絶えません。さらに、ローレルとうまくいかなくなったエドも、アーノルドの家に転がり込んできます。ある日、アーノルドの母親が隠居先のフロリダから訪ねて来ます。初対面のデヴィッドがゲイだと知って驚きますが、さらに養子だと聞いて二度びっくり。相変わらず息子の生き方を非難する母親に、ついにアーノルドの怒りが爆発します。そんなアーノルドにエドは、「君とデヴィッドといる時が一番幸せだ。愛してる」と告白します。エドを愛しながら、アラン喪失の悲しみも引きずるアーノルド。息子の悲しみを初めて理解した母親は、「心の傷は、いつか体の一部になる。傷があることに慣れてしまうけど、それでいいのよ」と優しく言います。母親がフロリダへ戻り、部屋で1人きりになったアーノルドは、愛する人達が近くにいる幸せを、ひしひしと感じるのでした。
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