緑はよみがえるの紹介:2014年イタリア映画。イタリアの巨匠E・オルミ監督が、第1次世界大戦に従軍した亡き父に捧げた反戦映画。1917年、極寒の冬。オーストリア軍と対峙する前線のイタリア兵たちに、司令部から下された不条理な司令が彼らを追いつめていきます。 物語の舞台となる白銀に覆われた大自然が、無常なまでの戦争の愚かさを浮き彫りにします。
監督:エルマンノ・オルミ 出演者:クラウディオ・サンタマリア(少佐)、アレッサンドロ・スペルドゥーティ(若い中尉)、フランチェスコ・フォルミケッティ(大尉)、アンドレア・ディ・マリア(ナポリ出身の兵士)、カミーロ・グラッシ(随行員)ほか
映画「緑はよみがえる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「緑はよみがえる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
緑はよみがえるの予告編 動画
映画「緑はよみがえる」解説
この解説記事には映画「緑はよみがえる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
緑はよみがえるのネタバレあらすじ:起・死線
1917年、第1次世界大戦下の深い雪に埋もれた北 イタリア・アルプス、アジア―ゴ高原。 イタリア軍とオーストリア軍の戦闘は休戦中であるが、数日前からオーストリア軍の迫撃砲の音は激しさを増しています。 両軍兵士たちは、山中に塹壕を掘って身を潜めています。劣悪な環境下の塹壕で、インフルエンザの蔓延により半数のイタリア軍兵士が高熱に倒れています。兵士たちにとって、家族や恋人からの手紙だけが心の拠り所なのです。
通信がオーストリア軍に傍受されているため、新たな通信ケーブルをこの先の前哨地に繋ぐとの指令を携えた少佐と若い中尉がやって来ます。 地図に示されてる廃墟を前哨地にするとの司令部からの指示に対し、大尉は休戦中と言え敵は目前におり、塹壕を一歩出れば命の保証はないと抗います。
緑はよみがえるのネタバレあらすじ:承・儚い希望
廃墟に向かうため、少佐の指名を受け塹壕を出た兵士が、ものの数歩で敵の銃弾に倒れてしまいます。続いて指名を受けた兵士は、命令を拒否し銃で自殺します。この異常な状況に耐えきれなくなった大尉は、軍位を返上して大尉室を去ります。司令部からの指示により、新しい将校が派遣されるまでは中尉が司令官となります。
雪原にそびえ立つ1本のカラマツの木は、秋になると黄金色になると、兵士がもう一方の兵士に語ります。ほんの一瞬、カラマツが光って見えます。しかし、敵の砲撃によりそのカラマツは無残にも焼けてしまいます。
緑はよみがえるのネタバレあらすじ:転・ 不条理な戦場
塹壕は難を逃れますが、危険を感じた軍曹は戦闘準備に入りたいと中尉に願い出ます。一足早い敵の砲撃により、多くの兵士が命を落とします。塹壕は黒く焼け焦げ、司令部に繋がる通信も不通となります。
司令部からの即時撤退が下されます。多くの負傷者を出した責任を感じていた軍曹は、任務の解任を中尉に直訴します。しかし、軍曹の要望は通ることなく、生存者は退去を始めます。遺体は一時的に雪の下に埋められるという措置が取られます。引き取り手がない者は、永遠にこの森で眠ることになります。
緑はよみがえるの結末:無意味
生き残った兵士たちは、絶望に打ちひしがれています。中尉は、歌の上手なナポリ出身の兵士に歌ってほしいと声をかけます。幸せでなければ歌えないと、兵士は言います。中尉は母親に、戦争の愚かしさや虚しさを手紙に書きます。
ある兵士が言います。この戦争もいつか終結し、緑がよみがえり、何も残らず、信じる者さえいなくなると…。
以上、映画「緑はよみがえる」のあらすじと結末でした。
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