トレーニング デイの紹介:2001年アメリカ映画。麻薬取締課に配属された新人刑事の「訓練日(トレーニング デイ)」を描くポリス・アクション。配属初日、新米刑事ジェイクはベテラン刑事アロンゾから麻薬取締官としてのいろはを教え込まれる。しかし捜査のためなら平然と法を犯すアロンゾに不信感を抱き始めるジェイク。そして疑念が頂点に達した時、思わぬ展開がジェイクを待ち受けていた。デンゼル・ワシントンが第74回アカデミー主演男優賞を受賞している。
監督:アントワーン・フークア 出演者:デンゼル・ワシントン(アロンゾ・ハリス)、イーサン・ホーク(ジェイク・ホイト)、スコット・グレン(ロジャー)、エヴァ・メンデス(サラ)、クリフ・カーティス(スマイリー)ほか
映画「トレーニングデイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トレーニングデイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「トレーニングデイ」解説
この解説記事には映画「トレーニングデイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トレーニングデイのネタバレあらすじ:ベテラン刑事と新米刑事
舞台は現代アメリカ、ロサンゼルス。交通課に勤務していた新米刑事ジェイク・ホイトは、妻子のため出世を狙って麻薬取締課に転属。初日の朝、上司になるアロンゾ・ハリス刑事から電話でカフェに呼び出され、緊張しながら対面します。アロンゾはジェイクを車に乗せ、「今日は訓練日(トレーニング デイ)だ」と言います。まず麻薬の密売現場へ向かった2人。アロンゾは麻薬を買った学生達に銃を突きつけ怒鳴り散らします。そのあまりにも乱暴な手法に驚くジェイク。更にアロンゾは取り上げた麻薬を、半ば強引にジェイクに吸引させます。次にアロンゾは情報屋ロジャーの家へ向かいました。ロジャーはアロンゾを歓迎し、談笑し始めます。
トレーニングデイのネタバレあらすじ:深まる疑念
ロジャーの家を出た2人は路地裏でレイプされそうになっていた少女レティーを見つけます。ジェイクが慌てて駆けつけ男2人組を拘束しますが、アロンゾは興味が無いらしく事件を放置してしまいます。落ちていたレティーの学生証をポケットに入れ、アロンゾに不満をぶつけるジェイク。アロンゾは善良な市民を守るためには、麻薬取締官は狼にならなければならないと教えます。その後車椅子の売人を追い詰め無理やりボスの所在を吐かせたアロンゾは、令状も無しに家宅捜索を始めます。彼の狙いは麻薬ではなく金品でした。金を奪ったアロンゾにジェイクは当然抗議しますが聞き入れられません。それどころかこの程度で怯えるなら元の部署に戻れと脅される始末です。
トレーニングデイのネタバレあらすじ:凶行
昼頃2人は非常に治安の悪い地域へやって来ます。アロンゾはこの地域の顔役でしたが、あまり好かれてはいないようです。アロンゾの愛人と息子が住む家で昼食にした後、刑事2人と検事1人の3人組と会うためレストランへ。彼らと離れた席に座ったジェイク。アロンゾは3人と談笑していますが、会話の内容からどうやら全員汚職に関わっているメンバーのようでした。少し前にラスベガスでロシア人と揉めたことに言及されたアロンゾは、金で解決すると余裕を見せます。彼らに手を回して貰ったアロンゾはロジャーの逮捕令状を金で手に入れ、部下を呼び出し行動に移りました。ロジャーの家に踏み込んだアロンゾ達は床下から大金を発見します。それを当然のように着服するアロンゾ達に目を丸くするジェイク。更にアロンゾはロジャーを射殺した上、正当防衛でジェイクが殺害したのだと口裏合わせを要求してきました。怒りに震えるジェイクはアロンゾに銃を向けますが結局撃つことは出来ませんでした。
トレーニングデイのネタバレあらすじ:アロンゾの裏切り
夕闇が迫る中、アロンゾはジェイクを連れてスマイリーというギャングの家へ向かいます。家には数人のギャング達が集まっていました。異様な空気にジェイクはアロンゾを呼びますが、彼は既に姿を消していました。アロンゾはギャングにジェイクの殺害を依頼していたのです。アロンゾはラスベガスでロシア人を殺害してしまい、その手打ちのため今夜金を払うことになっているそうです。そのためにロジャーを襲い、邪魔なジェイクを消そうと目論んだのでした。ジェイクは暴行を受け殺害されそうになりますが、レティーの学生証が命を救ってくれました。彼女はスマイリーのイトコだったのです。レティーを助けた礼として見逃して貰ったジェイクは、怒りを燃やしながらアロンゾの愛人宅へ向かいます。
トレーニングデイの結末:決別の果て
家に入り、アロンゾに銃を向けるジェイク。しかし隙を突いたアロンゾが窓から屋根に逃走します。追いかけたジェイクでしたが腕っ節でアロンゾに敵うはずもなく、殴り倒されてしまいます。アロンゾは金を詰めたバッグを持ち、車に乗り込みました。しかしジェイクがボンネットの上に飛び降りて来ます。ジェイクを振り落とそうとするアロンゾは誤って別の車に衝突、脳震盪を起こします。ジェイクはアロンゾを車外に引きずり出し、バッグを奪いました。集まってきたギャング達に促されその場を去るジェイク。アロンゾは金を返せと叫びますが、誰も嫌われ者の彼に味方しませんでした。アロンゾは仕方なく車で逃げようとしましたが、赤信号で止まった際殺し屋に囲まれ蜂の巣にされてしまいます。ジェイクが家に帰ると、ニュースが流れています。アロンゾの死が伝えられ、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画トレーニング デイのあらすじと結末でした。
「トレーニングデイ」感想・レビュー
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主演男優賞を受賞した髭面デンゼル・ワシントンの存在感がすごい作品でした。新米の何も知らない警察官と捜査や自身のためなら方を犯すこともためらわないベテラン捜査官。裏の顔が徐々に明らからになるにつれてましていく不信感。正義感の強い新米くんとベテランとの対立などなど。ものすごく濃い映画でしたね。
ラストシーンで蜂の巣にされるデンゼル・ワシントンで嫁さんはノックアウト。嫌悪感しか残らなかったみたいでしたね。 -
デンゼル・ワシントンと言えば、正義感が強い役が多いのですが
この映画では、悪役に挑戦します。悪役と言っても、表向きは優秀な刑事で実は「悪徳刑事」という深い役どころ。
そういう事前情報を持って見始めても
ついつい以下のように深読みしてしまいます。「デンゼルがやる役だから、『悪徳刑事』と見せかけておいて
さらに、その裏で『大義』に振舞って悪ぶっているのかもしれない。
つまり、
本当は、すごく良い人なのかもしれない。。」ところが。
ストーリーが進むにつれて、アロンゾ刑事(デンゼル)の悪さが露呈してきます。
その露呈の仕方が、デンゼルの驚異的な演技力によって
ド迫力で表現されています。知性的で、荒々しくて、冷酷で、人間臭さも豊富でリアルな 悪。。
見たあとも恐ろしさが長く残る大好きな映画です。
アクションシーンは多めで、見ていて飽きません。
銃殺シーンは、わずか2シーンだと思いますが。。
そのシーンは
見ていて、なんとも重い感じで胸に迫ります。長く記憶に残る映画になるでしょう。
トレーニングデイ、本当に面白いです。
麻薬捜査を中心に物語が進んでいきますが、麻薬社会とは何か、そして正義とは何かを考えさせられる映画です。
その問いを新米刑事ジェイクが悩みながら理解していくことで、テーマが非情に分かりやすく展開していくところが良かったです。
デンゼル・ワシントンもさすがの一言です。