トリプル9 裏切りのコードの紹介:2015年アメリカ映画。犯罪組織と手を組む現職警官。発信された緊急コード、トリプルナインは罠なのか、それとも本物か。猜疑心が巧みに描かれるサスペンス。
監督:ジョン・ヒルコート 出演:ケイシー・アフレック(クリス・アレン)、キウェテル・イジョフォー(マイケル・アトウッド)、アンソニー・マッキー(マーカス・ベルモント)、アーロン・ポール(ゲイブ・ウェルチ)、ほか
映画「トリプル9 裏切りのコード」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トリプル9 裏切りのコード」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「トリプル9 裏切りのコード」解説
この解説記事には映画「トリプル9 裏切りのコード」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トリプル9 裏切りのコードのネタバレあらすじ:汚職警官と犯罪組織
アトランタの犯罪組織、ラッセル、ゲイブ兄弟とマイケルは新しく現職の警官のマーカスとフランコを仲間にする。彼らはロシアマフィア、ヴァシリが収監されてから彼の妻イリーナからの依頼を受け、富豪のペトロフの貸金庫のある銀行を襲った。しかしイリーナによればさらに政府機関に押収されたデータファイルが必要だと言う。無報酬でさらなる依頼をされたことを渋ると、ラッセルがイリーナの手下によって死にかけにされてしまった。一方、警察ではジェフ・アレン刑事が部下のリンと、この強盗事件の監視映像から犯人たちは軍の訓練を受けた者の仕業だと見当をつけた。警察間でもあるフランコは、999(トリプルナイン)という警官が殺された時に、全警官達が犯人を補足するべく現場に急行する暗号を使い、気をそらさせている間にイリーナの望むファイルを強奪しようと言い出した。しかしそれには現職の警官を殺害することが必要不可欠だった。
トリプル9 裏切りのコードのネタバレあらすじ:標的にされた警官クリスと敏腕刑事アレン
ロシアマフィアと同じくして幅を利かせているラテン系の麻薬カルテル組織の大物たちが、三人殺された。犯人はイリーナとはじめとするロシアマフィアだった。マーカスは新たな相棒クリスと組み、カルテル関係者の住む住宅地で聞き込みを開始するが、住民たちは自分たちに濡れ衣が着せられると気が立ち、今まで比較的治安のよい所を担当していたクリスは早速彼らと乱闘をしてしまった。元警備員でイリーナの妹エレナとの間に息子もいるマイケルは、自分のエレナと息子のためにも早くこの件に方をつけ、イリーナと手を切りたかった。しかし、エレナと息子のフェリックスはイリーナによって海にほど近いリゾートへ連れて行かれ帰国如何はイリーナの機嫌次第となり、マイケルはさらに焦った。ジェフ・アレンは、強盗犯の身のこなしから彼らが軍・警察関係者だと目星をつけ、銃撃戦の末見つけた彼らの隠れ家から、ゲイブが不信発砲で免職となった警官であると言うことと、マイケルが元警備員、そしてすでに死亡しているラッセルは過去に不法武装で起訴されかけたが、証人たちが全員死亡してしまったために、不起訴になった事件の関係者という事実に行き当たる。そしてゲイブを監視していると、偶然にも、クリスの家に辿り着いた。そこでアレンは現職警察が事件に関わっているのではないかと直感した。
トリプル9 裏切りのコードのネタバレあらすじ:緊急コード999の発信
計画遂行の日、マーカスはクリスを情報提供者に会うと理由をつけ、今は廃墟の公営住宅の中に共だった。そしてひそかに撃つためにクリスを一人にしてその廃墟中を歩かせた。しかしクリスは途中で出会った男に狙われている事を知らされてしまう。するとそこに現れたマーカスとその男が相撃ちになり当初の計画とは異なるが、クリスによってマーカスが打たれたと999が発信される。999が発信されたのを見計らって政府機関DHSのビルにマイケルとフランコが入り、警備員たちに起爆装置をつけながら目的のものを探した。そのビルから発せられた警報に、アレンは部下のリンに現場に急行するように言いつける。それに気づきつつ、三ケル達は人質を一人見せしめに足を吹き飛ばしながら、金庫を開け目的のものを強奪した。しかし外に出て人質が自分たちから離れ車で逃走しようとすると、少ないながら配備された警官に一斉射撃を受けた。その車の中から、フランコはアレンに999の発信現場に今から向かうと連絡を入れた。
トリプル9 裏切りのコードの結末:四人目は誰だ
集合住宅でクリスは保護され、マーカスは一命こそ取りとめたものの、頭に銃弾が残り昏睡状態だった。本格的に現職警官の関与を疑い始めたアレンはリンに初めの銀行強盗の際に指紋検査をした警官で、本件に関わっている人物が誰か洗い出すように頼んだ。マイケルは、息子へのプレゼントを持ってイリーナに強奪したものを渡しに行った。札束の入った鞄を投げてよこした彼女は中のファイルを確かめると、手下に銃を突きつけさせ、二度とエレナとフェリックスを探さないようにと釘を刺しプレゼントの中身だけを持って去っていった。彼らが離れていくのを確認するとプレゼントの中に仕込んだ爆弾を遠隔操作で爆発させた。そして自分の車を発進させ、爆発し燃えている車を横目に走った。するとやってきたフランコが、マーカスはまだ息をしているとだけ言って、マイケルの頭を撃った。クリスはマーカスと相撃ちになり死んだ男の所持品から、集合住宅の住所の書かれたメモを発見する。そこで初めて不思議に思った彼は、マーカスと聞き込みに行った時に出会った少年から、相撃ちなった男とマーカスはもともと知り合いで、マーカスが自分を殺す気だったと、気づいた。始めの銀行強盗の四人の男のうち、マイケル、ゲイブ、マーカス、の三人は分かったが、最後の一人がわからないまま、マーカスの見舞いに来ると、クリスの調書を取らなければならないと迎えに来た。そしてエレベーターに乗ると、アレンからの電話で、フランコが四人目だったと知る。エレベーターを降りた二人はそれぞれの車に乗り込んだ。そこで初めて、フランコは自分の車の後部座席にアレンが乗っていることに気づく。咄嗟に持っていた銃で相撃ちになる二人の銃声を聞いたクリスは、倒れたフランコの頭に押され鳴り響くクラクションの中、再び999を発信した。腹を撃たれたアレンは不敵に笑っていた。
トリプル9 裏切りのコードのレビュー・感想:二回鳴らされた999のコード
作中、999の緊急コードはクリスによって二回鳴らされる。一度目は、はめられかけた罠が原因で。二つ目は彼を殺そうとした集団の最後の一人が死亡したと言う理由で。この二回のコード発信はくしくも殺され役に選ばれていたクリスによって発信されていると言うのが、なんとも皮肉だと思う。しかしこの世に正当化できる犯罪など何一つなく、報復は報復の連鎖を際限なく生み続けるマイケルと、フランコのように怨恨など関係なく無感情で容易に人を殺害できる人間を対称的に描いている。
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