ブラインド・デートの紹介:2014年フランス映画。プロのピアニストを目指すある女性が引っ越して来たアパルトマン。壁の向こう側の名も知らぬ隣人の男性との交流を通して、殻を破る。そして二人の恋の行方は?
監督:クロヴィス・コルニアック 出演者:メラニー・ベルニエ(彼女)、クロヴィス・コルニアック(彼)、リル・フォッリ(シャーロット)、フィリップ・デュクズヌ(アルテュス)、グレゴリー・オースターマン(エヴゲニ)、ほか
映画「ブラインド・デート(2014年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブラインド・デート(2014年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブラインド・デートの予告編 動画
映画「ブラインド・デート(2014年)」解説
この解説記事には映画「ブラインド・デート(2014年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブラインドデートのネタバレあらすじ:起・奇妙な隣人
師匠の元を離れて独立しようとしていた、とあるピアニストの女性、しかし暮らし始めた部屋は夜になると、壁に掛けられた船の絵が動き、奇妙な唸り声が聞こえた。怖くなった彼女は師匠の家にもうひと晩厄介になる事にした。
しかし、彼女の部屋の奇妙な出来事は、隣の部屋に住むアナログのパズルやゲームを作っている男性が、隣人が引っ越して来るたびに追い出すためにやっていた。
翌日それに気づいた女性が隣の部屋に話しかけてみると、「壁が薄く防音ができていないから追い出している」のだと言った。
そこで彼女は二人の間で「音を出していい時間の取り決めをしよう」と提案したが、交渉は決裂し、それからはお互いに騒音で相手の生活の邪魔をした。
それが仕事に支障をきたし始めた頃、彼女はメトロノームを掛け続けるという最終手段に出て、折れた隣人と取り決めを交わした。
ブラインドデートのネタバレあらすじ:承・壁越しの対話
ある日の夜、彼女がショパンのポロネーズを弾いていると、隣人は、父親が舞台の裏方をしていたと言って、彼女のショパンの技術は完璧だけれど誰の心に残らない、彼女の魂がないと言い、壁越しに彼女の演奏に指示を出していくと、素晴らしい演奏になり、彼女は変わり始めた。
壁越しに話をするようになり、彼は七年かけてパズルを作っている事、彼女はプロを目指しているけれど、コンクールは15前に幻想即興曲で大失敗したことが原因で、パニック発作を起こすようになったと話した。
すると壁越しに、隣人の彼は、自分は社会の人とうまく付き合えない事、そして彼女には才能があると励まし、二人は互いの容姿を言い合ったり、眠るまで話し込み、それからは壁越しに挨拶を交わす仲になった。
ブラインドデートのネタバレあらすじ:転・会うべきか
壁越しの二人はそれぞれに少しずつ変わり、毎日黒板に数式ばかりを書き込んでいた隣人は花の絵を描き始め、彼女は、彼がウエスタンブーツを履いていると言うので、町の男性たちの靴を見て歩くようになった。
ある日、彼女は、カフェでウエスタンブーツを履いた隣人ではない男性に、勘違いしてアプローチをし、互いに声を出さない事を条件に自分の部屋へ誘うメモを残してしまう。
その頃、隣人は、友人のアルテュスが財布をすられた代わりに飲み代を払いに行くと、同席していた女性に、ゲーム制作の契約の話を持ち掛けられた。しかし、携帯ゲームだったため、交渉は決裂してしまった。
彼女が隣人と勘違いした男性を家へ迎え、食事がデザートになり、いい雰囲気になって来た時、隣の家のドアが開く音で、彼女は自分の勘違いに気がつき、その男性と別れた。
壁越しの隣人の男性は、会ってもいいのではと彼女をお茶に誘ってみるものの、お互いの性格と生活を重んじ、あくまでも壁越しの関係でいようと決め、壁越しにそれぞれのベッドとテーブルを寄せて生活を始めた。
そして互いに壁越に、彼はアルテュスを、彼女は姉シャーロットを紹介した。二人とも壁越しの「誰かさん」との付き合いの良い所を言うが、表情が見えない、言葉が必要だと指摘した。
ブラインドデートの結末:最後の試練
師匠のエヴゲニがオーディションの件で連絡を取り、彼女の部屋を訪ね、ショパンではなくメンデルスゾーンを弾かせると、完成できておらず、師匠の指示の元、前のようなお堅い演奏に戻ってしまった。
彼女が耐えられず洗面室へ立ったうちに、隣人の彼は、例の船の絵画を使って、師匠を追い出した。事前に厳しい師匠だからと釘を刺しておいたのに、彼がした事に彼女は激昂し、喧嘩をしてしまう。
そして間の悪い事に、シャーロットが若い男を彼女の部屋に連れ込みいちゃついているのを、隣人の彼は勘違いしてしまい、八つ当たりをしてしまう。ついに彼女はこの壁越しの関係を終わりにすると、オーディションを終えたら引っ越すと告げた。
アルテュスは彼に、この新しい出会いを逃すのかと一晩なだめ諭した。
オーディション当日、アルテュス、シャーロットはそれぞれ彼女を応援しに来ていた。そして、彼女がお堅いメンデルスゾーンを弾き始めると、舞台のカーテンの越しに指示を出そうとして、関係者につかまり、最後に自分を解き放てと言った。
すると彼女は髪を解き、上着を脱いで因縁の幻想即興曲を弾き、審査員や観客を感動させた。
シャーロットとアルテュスは会場で出会い、車でどこかへ。演奏する姿におかんむりの師匠に、女はそれに頭突きで反抗した。
そして帰宅し、壁越しに素直な気持ちを告げると、隣人の彼は壁を壊し、二人は初めて顔を合わせた。そして、名乗る前に二人はキスをするのだった。
以上、映画「ブラインド・デート」のあらすじと結末でした。
ブラインドデートのレビュー・考察:隣の誰かさん
SNSなどの発展で、直接知らない相手とも親交を深めることのできる昨今、主人公二人もまた直接顔を合わせる事はラストまでない。しかし二人の関係はあくまでも壁越しと言う、限りなく近いけれど、顔を合わせる事はない、さらに直接会話ができると言う点ではSNSとは違う。もちろん物理的距離が近いが故のトラブルも起きる。名前さえ明かしていれば回避できたかもしれないが、エンドロールでも徹底していて二人の役名は「誰かさん」に所はフランス映画らしい粋な演出だと思う。
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