ユナイテッド93の紹介:2006年アメリカ映画。2001年9月11日、アメリカを襲った同時多発テロ事件。犯行グループによりハイジャックされた4機の旅客機のうち唯一目標に達しなかったユナイテッド航空93便の内部で起こっていたエピソードを管制センターや米軍などの動きを交えて描いた実録ドラマです。監督・脚本は『ジェイソン・ボーン』シリーズなどを手掛けたポール・グリーングラスです。
監督:ポール・グリーングラス 出演:ハリド・アブダラ(ジアド・ジャラー)、ポリー・アダムス(デボラ・ウェルシュ)、オパル・アラディン(シーシー・ライルズ)、ルサーメッド・アルサマリ(サイード・アル=ガムディー)、デヴィッド・アラン・ブッシェ(トッド・ビーマー)、リチャード・ベキンス(ウィリアム・ジョゼフ・キャッシュマン)、スターラ・ベンフォード(ワンダ・アニタ・グリーン)、オマー・バーデゥニ(アフメド・アル=ハズナーウィー)、スーザン・ブロンマート(ジェーン・フォルガー)、レイ・チャールソン(ジョゼフ・デルカ)、クリスチャン・クレメンソン(トーマス・E・バーネットJr.)ほか
映画「ユナイテッド93」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ユナイテッド93」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ユナイテッド93の予告編 動画
映画「ユナイテッド93」解説
この解説記事には映画「ユナイテッド93」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ユナイテッド93のネタバレあらすじ:起
2001年9月11日未明、アメリカ・ニューヨークのとあるホテルでは、レバノン人テロリストのジアド・ジャラー(ハリド・アブダラ)がアラーの神に祈りを捧げていました。
やがてジアドは仲間のサイード・アル=ガムディー(ルサーメッド・アルサマリ)、アフメド・アル=ハズナーウィー(オマー・バーデゥニ)、アフメド・アル=ナーミー(ジェイミー・ハーディング)と共にハドソン川を挟んだ対岸のニュージャージー州ニューアークに向かい、ニューアーク国際空港(現・ニューアーク・リバティー国際空港)に到着しました。ジアドたちが乗り込んだのは、ニューアーク発サンフランシスコ行きのユナイテッド空港93便でした。
同じ頃、マサチューセッツ州ボストンの航空管制センターでは異常事態が発生していました。ボストン発ロサンゼルス行きのアメリカン航空11便との連絡が取れなくなったかと思えば、突如として外国人らしき男が「コックピットは制圧した」と発した音声が舞い込んできました。ボストンの管制官たちは訓練通りに冷静に動き、すぐさまニューヨーク州ローマの北東地域防空指令センターに報告しました。
情報はバージニア州ハーンドンにある連邦航空管制センターの連邦航空局主任ベン・スライニー(本人)にももたらされ、程なくしてアメリカン11便はハイジャックされたと認定されました。しかし時すでに遅く、レーダーから姿を消したアメリカン11便はそのままニューヨークのワールドトレードセンタービル北棟に激突しました。
更には同じくハイジャックされたボストン発ロサンゼルス行きのユナイテッド航空175便もワールドトレードセンタービル南棟に激突、両ビルは衝撃により崩壊していきました。
ユナイテッド93のネタバレあらすじ:承
その頃、ニューアーク空港では、ユナイテッド93便の機長ジェイソン・M・ダール(J・J・ジョンソン)と副操縦士リロイ・ホーマーJr.(ゲイリー・コモック)がいつものように離陸の準備を始めていましたが、折しも朝のフライト・ラッシュにより93便は予定より30分遅れて離陸しました。当時機内に乗り合わせていたのは乗員乗客合わせて40名、ジアドたちは行動を起こす機会をうかがっていました。
その後、連続ハイジャック事件を受けた連邦航空管制センターは直ちに各空港の封鎖指令を出しました。情報が錯乱するなか、北東地域防空指令センターは連邦航空局の許可が得られないまま戦闘機をマンハッタン上空に進入させました。
そんな中、今度はワシントンD.C.・ダレス国際空港発ロサンゼルス行きのアメリカン航空77便が消息を絶ったとの報告が入り、スライニーは米国内の全ての空港の封鎖命令を出し、空軍に全ての不審機に護衛機を出すよう要請しました。
一方、順調に飛行を続けていたユナイテッド93便でしたが、遂にジアドらテロリストたちが行動を開始しました。アル=ハズナーウィーはトイレに入って爆弾を組み立て、アル=ナーミーは乗客の一人の首を刺して乗務員に襲いかかりました。
乗客はアル=ハズナーウィーの持つ爆弾を見てパニックに陥るなか、ジアドらはコックピットに乱入して機長ダールと副操縦士ホーマーを殺害して機内を占拠しました。
ユナイテッド93のネタバレあらすじ:転
操縦桿を握ったジアドは目標のワシントンD.C.へと向かい、ユナイテッド93便がハイジャックされたとの情報はクリーブランド航空管制センターにも伝わりました。連邦航空管制センターのスライニーはユナイテッド93便に関する情報の収集を命じ、北東地域防空指令センターではハイジャック機のワシントンD.C.突入を阻止するための対策が練られました。
その頃、ユナイテッド93便内では、ジアドたちが同志たちの乗っ取った機のうち2機が目的を達したことを知る一方、乗務員のサンドラ・ブラッドショー(トリッシュ・ゲイツ)は地上に機内の状況を知らせていました。
刺された乗客の手当てをしたサンドラは、機長と副操縦士が殺害されたのではと感じ、家族らと電話で連絡を取った乗客たちは次第に地上で何が起きたかを把握していきました。テロリストたちも乗客にこの93便が目標に向かっていることを告げ、乗客たちを恐怖のどん底に陥れました。
一方、北東地域防空指令センターではハイジャック機の襲来に備え、民間機ではあるものの攻撃機の準備を始めました。やがて消息を絶っていたアメリカン77便がワシントンD.C.に向かっているとの情報が入り、管制センターはは直ちに非武装機による進路妨害の許可を求めましたが、アメリカン77便は米国防総省ペンタゴンに墜落してしまい、緊急戦闘事態と判断したスライニーは直ちに全米の上空を飛ぶ全ての航空機に着陸命令を出し、国際線は国内に入れさせないよう命じました。
ユナイテッド93の結末
乗客のひとりトーマス・E・バーネットJr.(クリスチャン・クレメンソン)はニューヨークの惨劇を知り、サンドラら乗務員や乗客たちに一致団結してテロリストたちに立ち向かうよう呼びかけました。覚悟を決めた乗客たちは地上の家族に連絡を入れて別れを告げ、熱湯やワインボトル、ホークやナイフなど武器になりそうなものをかき集めました。
そして乗客たちはアル=ハズナーウィーの持つ爆弾が偽物であることを見破り、一気に襲い掛かって拘束するとコックピットへと突入しました。ジアドらテロリストが焦るなか、乗客たちはジアドから操縦桿を奪うと、機体の制御を立て直そうと試みましたが、制御を失ったユナイテッド93便はそのままペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の森の中へと墜落、乗員乗客は全員死亡しました。
時に2001年9月11日午前10時3分、後に「アメリカ同時多発テロ事件」と呼ばれることとなる一連の事件でハイジャックされた4機の旅客機のうち、唯一目標に到達しなかったのはユナイテッド93便だけでした。
軍上層部がユナイテッド93便のハイジャックを知ったのは同機が墜落してから4分後のことであり、同便に最も接近した戦闘機は現場から160km離れていました。
午前10時18分、時の大統領ジョージ・W・ブッシュはハイジャック機への攻撃を承認しましたが、誤ったターゲットの撃墜を恐れた軍部は戦闘機パイロットにそのことを伝えませんでした。
午後12時6分、全米を飛ぶ全ての民間機に強制着陸命令が出され、全米の空域は完全に封鎖されました。
以上、映画「ユナイテッド93」のあらすじと結末でした。
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