ゴッホ 真実の手紙の紹介:2010年イギリス映画。世界的に有名な画家ゴッホと彼の弟テオが交わした手紙に記されていた真実を再現したストーリー。自ら左耳を切り落とす騒ぎを起こし病院に入れられたゴッホ。追い詰められた精神状態の彼が弟テオとの手紙のやり取りを通して自身の人生を回顧し始める。
監督:アンドリュー・ハットン 出演:ベネンディクト・カンバーバッチ(フィンセント・ファン・ゴッホ)、ジェイミー・パーカー(テオドルス・ファン・ゴッホ)、ほか
映画「ゴッホ 真実の手紙」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゴッホ 真実の手紙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ゴッホ 真実の手紙」解説
この解説記事には映画「ゴッホ 真実の手紙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゴッホ 真実の手紙のネタバレあらすじ:起
子供の頃寄宿学校で絵画の勉強をしたゴッホは1869年の16歳で美術商の見習いとして働き始めます。その3年後ゴッホの弟テオも彼と同じ道に進みます。そしてこの頃から2人は手紙のやり取りを始めます。美術商の仕事を始めて4年。ゴッホはロンドンへと転勤します。そこで彼は新聞に掲載されていた労働者を題材にした白黒版画を目にし、版画の虜になります。そして彼はこの版画を見て牧師である彼の父親のことを思い出し彼も牧師になることを目指します。聖書の勉強に没頭するあまり美術商の仕事をクビになったゴッホはオランダへと戻り本格的に牧師になるための勉強を始めますが、1年で挫折してしまいます。残された道はキリストの教えを広める伝道師になることです。ゴッホは伝道師になる道を歩み始めベルギーの炭坑に派遣されますが、その過酷な労働環境を目の当たりにして心を痛め、病人やけが人の手当を献身的に行います。しかし半年後伝道師になることも挫折してしまいます。人生の挫折を感じるゴッホでしたが、弟のテオはゴッホから送られる手紙の同封されていた彼のスケッチを見て兄のただならぬ才能を感じゴッホに画家になることを勧めます。画商を辞めてから4年、ゴッホは天職に巡り会うことが出来たのでした。それからというもののゴッホは作品の制作に没頭します。
ゴッホ 真実の手紙のネタバレあらすじ:承
作品に愛を注ぐ一方ゴッホは両親の実家で1人の未亡人に出会います。彼女はゴッホの従兄弟に当たる女性でしたが、ゴッホは彼女に恋をします。残念ながらこの恋はゴッホの片思いでした。更にゴッホは両親から彼女に会うことを禁止されてしまいます。それでもゴッホは諦めず彼女に手紙を送り続け、そして我慢できずに彼女に会いに行きます。しかし叔父に追い返され彼女に会うことは叶いませんでした。このゴッホの恋は父親に怒りをかいました。ゴッホは父親と口論になり家を出ます。全てを失ったゴッホは弟のテオを頼りました。ゴッホはテオの負担にならない範囲でいいからお金を送ってほしい、とお願いします。そしてその変わりに自分の絵を送ることを約束します。テオはこの申し出を了承しますが、ゴッホと父親の仲直りを願います。一方家を飛び出したゴッホはオランダの南西部ハーグに小さなアトリエを構えます。ゴッホはここで近代的な町並みの風景画を書きました。そんなある日ゴッホは妊娠中の女性と出会います。ゴッホは彼女にモデルを頼み一緒に暮らし始めます。シーンという愛称で呼ばれるその女性はゴッホより年上で実は娼婦だったのです。ゴッホは彼女のデッサンを通して、自分の作品で人々を感動させたい、風景画も人物画のように感情を込めて描きたいと思うようになります。しかしシーンとのことは従姉妹に恋をしたとき以上に家族の怒りを買いました。今回ばかりはテオも腹をたてゴッホにお金を送ることを辞めてしまいます。その結果ゴッホはシーンを養うことができなくなり2人の生活は終わりを迎えます。ゴッホは都会を離れオランダの農村地帯に移り住みます。ゴッホは自然の美しさに浸りながら作品を作っていきますが、次第に孤独を感じるようになります。そして孤独に耐えきれなくなったゴッホは仲違えしていた両親のもとへ帰ることを決心します。家族は渋々ゴッホのことを受け入れます。家族との関係はうまくいきませんがゴッホはこの頃から素晴らしい作品を残していきます。ゴッホは作品に色彩を取り入れていくようになりそして「ジャガイモを食べる人々」を描き上げます。しかしテオやゴッホの友人で画家仲間でもあるラッパルトはこの作品を評価しませんでした。
ゴッホ 真実の手紙のネタバレあらすじ:転
そんな中ゴッホは父を亡くします。不仲であったもののゴッホは父の死を悲しみ父親の聖書の絵を描き上げます。そしてゴッホは故郷のオランダを離れ芸術の都フランスのパリを目指します。1886年ゴッホはパリに移り住みテオと一緒に暮らし始めます。久しぶりに会ったゴッホにテオは雰囲気が変わった印象を抱くものの2人は仲良く暮らします。ゴッホはパリが持つ芸術的な雰囲気に浸りながら新しい作品を生み出そうとします。その課題は良い肖像画を描くことです。ゴッホは最初暗い色の自画像を描いていましたが、その色使いや筆遣いは変わっていき、流行を取り入れより軽やかにカラフルになっていったのです。勢力的に作品作りに取り組む一方でゴッホには悪い習慣がついてしまいます。彼は浴びる程酒を飲むようになってしまったのです。その結果彼は弟テオからの信頼を失ってしまったのです。2人の間には口喧嘩が絶えなくなり、そんな関係に嫌気がさしたゴッホはパリを離れる決意をします。1888年の2月ゴッホはフランスの南部アルルへと移り住みます。ゴッホはアルルへ向う列車の中から見える美しい風景に息を呑みます。彼はアルルで一軒家を借りすぐに制作に取りかかり始めました。そしてゴッホの作品は次第に色鮮やかになっていきました。アルルに来てから前向きになっていたゴッホでしたが、一人きりの寂しさがまた彼を襲ってきます。そこでゴッホは友人であるゴーギャンにアルルで一緒に住まないかと手紙を送ります。そして1888年の10月ゴッホのもとにゴーギャンがやってきます。そして2人はアルルで作品作りに没頭し、ゴーキャンとの制作はゴッホに影響を与えるようになります。実際の風景を見てその風景にそってしっかりと描くゴッホに対して風景を見てその記憶をもとに描くゴーキャン。ゴッホはこのゴーキャンのスタイルに習って彼も今まで描いた作品をイメージで描いてみたりもするのでした。始めのうちはうまくいっていた2人の関係性でしたが、ゴッホは再び酒を頻繁に飲むようになり2人の関係はギクシャクしてきます。そして遂に2人は激しい口論になり、ゴーキャンは家を飛び出します。しかしその後ろから聞きなじみのある足音がします。ゴッホがゴーキャンにむかって走っていたのです。そしてその手にはカミソリが。ゴッホがゴーキャンを傷つけることはありませんでしたが、ゴッホはそのカミソリで自身の耳の一部を切り落としてしまいます。
ゴッホ 真実の手紙の結末
ゴッホは病院に5ヶ月入院します。一度は退院するものの自身の精神の不安定さを自覚し、テオにまた入院したいと言います。ゴッホはしばらく絵も描けずにいましたが、次第にその情熱を取り戻していき再び筆を取るのでした。そして更に素晴らしい作品を生み出す一方ゴッホの精神状態は追い詰められていき発作が起こると自殺を計ろうとするのでした。入院して1年以上が経ち、ゴッホはテオへの手紙に退院したいと綴ります。そしてゴッホはフランスの北部に住む精神科医ポール・ガシェの診察を受けるためにそこに移り住みます。ゴッホは医師であるガシェと良い友人になりました。しかし彼の孤独感は拭いきれず、銃で自分の胸を打ち抜き37歳でこの世を去るのでした。
以上、ゴッホ 真実の手紙のあらすじと結末でした。
ゴッホ展など、美術館の絵画で知ってはいるものの、映画となるとよりストーリーも知ることができるため、気になった作品でした。ベネディクト・カンバーバッチがゴッホ役で主演していることもあり、弟のテオと手紙のやりとりをモノローグ形式で進めていくスタイルも独特で、惹き込まれるようなかんじでした。イギリスのBBCが製作したとのことで、ドキュメンタリー映画としても完成度が高いと思ったのと、ベネディクト・カンバーバッチの演技力の高さも再確認しました。