ベロニカは死ぬことにしたの紹介:2005年日本映画。自殺をはかったトワは森の中の精神病院に運ばれます。その病院には色々な人がいます。やがてトワはその中の言葉を全くしゃべらない青年・クロードにトワは魅かれ始めます。死ぬことしか頭になかった女性が自立し、再び生きる力を得ようとする姿を描いた、ブラジルの作家パウロ・コエーリョの同名小説の映画化です。
監督:堀江慶 出演者:真木よう子(トワ)、イ・ワン(クロード)、風吹ジュン(ショウコ)、中嶋朋子(サチ)、荻野目慶子(婦長)、多岐川裕美(京子)、淡路恵子(紅子)、市村正親(院長)ほか
映画「ベロニカは死ぬことにした」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベロニカは死ぬことにした」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ベロニカは死ぬことにした」解説
この解説記事には映画「ベロニカは死ぬことにした」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベロニカは死ぬことにしたのネタバレあらすじ:起
図書館で仕事を終え酒を飲んで帰ってきたトワが、睡眠薬を飲んで自殺をはかります。目覚めたトワは森の中の療養所のベットにいました。両手を縛られ、暴れると二人の看護師に押さえつけられ注射をうたれます。
そこは森の中の大きな精神病院で、老若男女色々な人達が入院しています。院長が往診にやって来ます。トワは「私死ぬんだから」と吐き捨てます。院長は冷静な顔で「1週間以内、長くて10日が君の余命だ」と言います。
トワは病院を抜け出そうとしますが、見張っていた看護師に捕まります。「ここは刑務所?」と聞くトワに、看護師は「精神病院よ」と言います。「私はおかしくない」と言うトワに、「ここに来る人は皆そう言うの」と言います。傍らで、青年がトワを見つめています。そこへ同じ病室のサチがやって来ます。色々話をしますが、サチのぶっ飛んだ話にトワには何を言いたいのかわかりませんでした。
リビングでバカ騒ぎをする患者たちの中で、馴染めないトワは一人座っています。庭に出たトワにサチが「自殺したんでしょう、睡眠薬いる?」と聞きます。「手に入るの?」と聞くトワに「ショウコさんに聞くといい」と答えます。話を聞くとショウコは回復しているのに退院しない、ここのヌシだと言います。
ベロニカは死ぬことにしたのネタバレあらすじ:承
リビングでショウコに話しかけようとすると、画家風の男がトワをバカにします。すると周りの人たちも同調しトワをバカにしたため、怒ったトワが画家風の男を張り倒してしまいます。これを見た別の男がトワに襲いかかります。するとあの青年がトワを助けます。トワを見つめていた青年はクロードという名でした。
ショウコがトワに「あなたはもうすぐ死ぬのに、クロードはずっとあなたを見つめている、あなたにきっと何かあるんでしょう?」と話しかけます。
院長が「君は何故自殺しようとしたんだ」とトワに聞きます。「図書館で働き彼氏もいた、でも一度若さを失うといいことは一つもない、何もないから、退屈な人生にうんざりしたから」とトワが話します。
「私は優秀な弁護士だった」と言うショウコがトワを連れ町に出ます。薬局で睡眠薬を大量に買うと、映画館へ連れて行きます。「昔この映画館に夫と来た、映画を見ている時突然息苦しくなり、耐えられなくなって外に出たの。パニック障害と診断された。その後も発作が起こるようになり、会社からクビを宣告された。夫は私の為に診療所に入院させた。この時点で弁護士の仕事もできなくなった。だから私は、残りの人生を人の為に生きようと思ったの」とショウコが話すと、館内に入ります。しかし発作が起こりロビーに出ます。弱気になるショウコに「あなたは立ち直ったわ」とトワが言います。
ベロニカは死ぬことにしたのネタバレあらすじ:転
催眠療法をやっていたサチの心が飛んで行ったまま戻らなくなり、医師や看護師が騒いでいます。しばらくして戻ってきたサチにトワが「何故ここに来たの?」と聞きます。サチは「15歳で初恋をしてフラれた。その人を忘れる為に色んな男の人と付き合ってきた。でもやっぱり忘れられない。だから催眠術で自分の体を抜け出し飛ぶことにしたの」と言います。トワは「愛する者があるからいい、私には何もない」と言います。
そこへ酒に酔った婦長がやって来ます。婦長は院長の事を褒め、トワにリストカットの跡がいっぱいある手首を見せます。その時バルコニーからクロードが見つめていました。
トワの母・京子が面会に来ます。トワは「会いたくない」と怒っていなくなります。京子は院長に「夫と別れトワを私が育てたけど何不自由はさせていない。ピアノをやっていたトワには音楽大学に行ってもらいたかった。でもあの日・・・」と言います。学生だったトワはピアノの演奏に試験で突然ひけなくなり、次の番の女の子に笑われたことがトラウマになっていたのでした。
そのころトワはピアノの前にいました。そこへクロードが来ます。「私は楽しくピアノをひきたかった。お父さんは、私がひけたことを喜んでくれた。でも母は、自分の理想を私に押し付けていただけなの」と言って暴れ出します。するとクロードがトワを押さえつけ大声で助けを呼びます。
落ち着いたトワに院長がクロードの事を話します。「政治家の子供として生まれたクロードは、政治家になるべく教育を受けていた。でも本人は画家になりたくてそのことを両親に伝えると猛反対された。それ以来クロードは心を閉ざしたままで。でも君を助けるために大声を出した。一言もしゃべらなかったクロードが大声を出したんだよ」と言います。
ベロニカは死ぬことにしたの結末
院長はトワに「君もここにきて1週間だ、何も変わっていないというが、何も変わらない事はないんだよ、成長しているんだ」と言います。
ショウコがトワに「楽しい事は最後の最後まであきらめない事」と言います。サラも「私もそう思う、気持ちいい事やりたいでしょう、オナニーすればいい、自分で気持ちいい事できるんだから」と言います。そしてショウコは「大切なのは自分自身を受け入れる事なの、自分自身を好きになってほしい」と言います。
トワはピアノの前にいます。目の前にはクロードがいて、突然オナニーを始めます。そしてクロードに「もうすぐ死ぬの、最後の彼氏になって」と言って見つめます。トワはクロードとピアノをひきます。
すると院内の皆が集まります。そしてトワとクロードも交えてパーティーが始まります。トワが院長に余命を聞きます。「24時間、あるいはもっと短いかも」と言います。
愕然としたトワは、クロードに会い「私の命はあと一日しかない」と言って病院を飛び出します。二人で食事をし、話をします。しゃべらないクロードはトワの話を聞きます。トワは「私がいなくなっても、私の絵を描いて」と言います。
病院ではショウコが退院します。院長室では、医師が「院長の嘘の余命宣告は素晴らしい。あの言葉で生きる勇気を与えているんですね」と言っています。トワに言った余命も院長の嘘だったのです。
その夜、トワとクロードは結ばれます。愛し合うクロードがトワに話しかけます。トワもクロードも大きく成長したのです。そしてトワはもう一度生きようと決めたのでした。
以上、映画「ベロニカは死ぬことにした」のあらすじと結末でした。
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