英国総督 最後の家の紹介:2017年イギリス映画。1947年、インドが英国から独立する前夜を舞台に、最後のインド総督として赴任した英国貴族ルイス・マウントバッテン卿とその家族の姿、そして総督の元で働くインド人青年とイスラム教徒の女性秘書との悲恋を描いた歴史ドラマです。
監督:グリンダ・チャーダ 出演者:ヒュー・ボネヴィル(ルイス・マウントバッテン)、ジリアン・アンダーソン(エドウィナ・マウントバッテン)、マニシュ・ダヤル(ジート・クマール)、フマー・クレイシー(アーリア)、デヴィッド・ヘイマン(エワート)、マイケル・ガンボン(ヘイスティングス・イズメイ)、サイモン・キャロウ(シリル・ラドクリフ)ほか
映画「英国総督 最後の家」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「英国総督 最後の家」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
英国総督 最後の家の予告編 動画
映画「英国総督 最後の家」解説
この解説記事には映画「英国総督 最後の家」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
英国総督 最後の家のネタバレあらすじ:起
1947年、第二次世界大戦終結から2年が経った英国。かつて“大英帝国”の名と栄華を欲しいがままにした時代も今は昔、英国は二度の世界大戦に費やした膨大な軍事費が財政を圧迫、国力は疲弊の一途を辿っていました。そして、折しも植民地として支配し続けてきたインドもいよいよ独立への動きを加速させ、もはやインドを抑えきれなくなった英国は遂にインドからの撤退と独立承認を決定しました。そしてインドへの主権譲渡までの約6ヶ月間、最後のインド総督として英国貴族のルイス・マウントバッテン卿(ヒュー・ボネヴィル)が任命されました。
マウントバッテン卿は妻のエドウィナ(ジリアン・アンダーソン)娘のパメラ(リリー・トラヴァース)を伴って首都デリーの荘厳な総督官邸入りしました。総督官邸は広大な敷地に巨大な邸宅を構え、大広間と迎賓室がそれぞれ34部屋、食堂が10部屋もあり、約500人もの使用人が仕えています。使用人の中には若きインド人ジート・クマール(マニシュ・ダヤル)の姿がありました。
英国総督 最後の家のネタバレあらすじ:承
マウントバッテン卿は大英帝国の威信にかけて混乱を招くことなく無事にインドの主権譲渡を成し遂げる責務を負っていました。総督官邸では連日連夜、人種や宗教の壁を超えて統一国家を樹立したいネルー(タンヴィール・ガニー)率いる国民会議派と、インドから分離してイスラム国家を樹立したいジンナー(デンジル・スミス)率いるムスリムとが激しい論戦を交わしており、マウントバッテン卿はその意見の違いの仲裁に追われていました。
執務を離れると、マウントバッテン卿やエドウィナは使用人に対しても分け隔たりなく接していました。そんな中、ジードは令嬢の女性秘書アーリア(フマー・クレイシー)に淡い恋心を抱いていました。しかし、ジードはヒンドゥー教徒であるのに対し、アーリアはイスラム教徒であり、更にアーリアには幼い時に親から決められた婚約者がいたのです。
英国総督 最後の家のネタバレあらすじ:転
インド全土ではヒンドゥー教徒とイスラム教徒との抗争が激化、民衆による暴動が多発するなど混乱を極めていたため、英国政府はインド独立の過程を早める決断を下しました。当初は統一インド案を支持していたマウントバッテン卿も分離はやむを得ずと判断、一旦本国に戻ると分割案への指示を取り付けました。マウントバッテン卿は更に、経験の浅い弁護士シリル・ラドクリフ(サイモン・キャロウ)にインドを分割した場合の国境の線引きを依頼しますが、独立の時が迫っているなかラドクリフは中々決断できませんでした。そんな時、チャーチル政権の首席補佐官であるヘイスティングス・イスメイ(マイケル・ガンボン)はラドクリフにある文章を提示してきました。それは、英国がソ連に対する利権である重要な港・カラチをパキスタン側に線引きするというものであり、既に2年前にチャーチル自ら承認していた分割案だったのです。英国とムスリム連盟との密約を知ったマウントバッテン卿は衝撃を受けました。
英国総督 最後の家の結末
遂にインドと新国家・パキスタンは分離・独立を果たしました。500人もの総督官邸の使用人たちは、インドに残るかパキスタンへ移るかの二択を迫られました。やがて戦争に駆り出されていた婚約者が戻って来たことから、アーリアは家族と共にパキスタンへ移住することになり、ジードは叶わぬ恋と諦めざるを得ませんでした。
数日後、ジードは目にした新聞でアーリアが乗った列車が暴徒に襲撃され、乗客全員が虐殺されたとの報道を知り、深く打ちのめされました。ジードは失意のうちに総督官邸の使用人の職を辞めました。
デリーは難民で溢れかえり、マウントバッテン卿は混乱の責任を取って独立後も家族とともにインドに残り、可能な限りの支援を行うことを決めました。その頃、難民支援のボランティアに参加していたジードは、重傷を負いながらも生存していたアーリアの姿を見つけ、二人は再会を果たしました。
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