ビリディアナの紹介:1960年スペイン映画。頑なに信仰を貫こうとする女性ビリディアナ。自分の行動が叔父を死に追いやったことへの自責の念から行った弱者救済が、彼女の信仰心を砕いていく様を描いた心理ドラマ。
監督:ルイス・ブニュエル 出演:シルヴィア・ピナル(ビリディアナ)、フェルナンド・レイ(ドン・ハイメ)、フランシスコ・ラバル(ホルヘ)、マルガリータ・ロサーノ、ほか
映画「ビリディアナ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビリディアナ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビリディアナの予告編 動画
映画「ビリディアナ」解説
この解説記事には映画「ビリディアナ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビリディアナのネタバレあらすじ:起・唯一の肉親
唯一の肉親である叔父ハイメ(フェルナンド・レイ)からの援助を受け、修道院で暮らすビリディアナ(シルヴィア・ピナル)は、誓願式を控えたある日、叔父から式には欠席するが会いに来てほしい、という知らせを受ける。
ほとんど会ったこともない叔父に愛着が湧かないビリディアナは、修道院を出ることに抵抗を示すが、恩義を果たすようマザーに諭され、渋々ハイメの館を訪れる。
広大な敷地に大きな館を持つハイメだったが、彼は若くして妻を亡くし、ほかの女との間に息子ホルヘ(フランシスコ・ラバル)がいたが、ホルヘは女と共に去っており、住んでいるのはメイドのラモナとその娘、数人の使用人のみで孤独だった。
ビリディアナのネタバレあらすじ:承・叔父の欲望
ハイメは迎えたビリディアナがかつての妻に良く似ていたことから、彼女にずっと館に留まってほしいと懇願するが、修道女になることを決めていたビリディアナはそれを拒む。
しかしせめても、という願いを聞き入れて彼の妻の花嫁衣裳を身に着けると、ハイメはその姿に我を忘れ、ビリディアナに結婚を申し込み、激しく拒絶する彼女に薬を入れたお茶を飲ませて昏睡させる。
眠りに落ちた彼女を我が物にしようとしたハイメだったが、寸前で彼は思い留まる。
翌朝、眠りから覚めたビリディアナにハイメは去られたくない一心で、夕べ彼女を自分の物にしたと嘘をつくが、彼女はショックを受けながらも荷物をまとめて館を出ていく。
しかし修道院への道中、警察に呼び止められ再び館へ戻ったピリディアナは、そこで首を吊っているハイメを目にする。
ビリディアナのネタバレあらすじ:転・ビリディアナの懺悔とホルヘの苛立ち
ハイメの遺産はビリディアナと息子ホルヘが相続人となった。
ハイメを死に追いやったと自責の念にかられるビリディアナは館に留まり、自身の信仰を貫くべく、敷地に離れを設けて、街の物乞いや障碍者を住まわせて面倒を見始める。
一方のホルヘは荒れた土地を再び開墾し、古びた館を改築するなど建設的に行動し始め、堅い身なりで慈善に没頭するビリディアナを信仰で腐っていると蔑むと同時に、自分を意に介さないピリディアナに苛立ちを感じて、メイドのラモナと関係を持つ。
ビリディアナの結末:揺らいだ信仰
ある日、相続の手続きのためピリディアナ、ホルヘ、ラモナは公証人の元へ出かけて館を留守にした。その隙に物乞いらは館へ入り込んで暴飲暴食、酔って乱痴気騒ぎを起こしていた。
ホルヘらが戻ると物乞いらは散り散りに去って行くが、残っていた男2人に襲われ、ホルヘは拘束されてしまう。1人の男がビリディアナを犯そうとするのを止めるため、ホルヘはもう1人の男に金を掴ませ、彼女にのしかかる男を殺させる。そこへラモナの通報で駆け付けた警官が駆けつける。
騒動が収まり日常が戻ったが、ビリディアナの信仰心は揺らいでいた。彼女は髪を下ろし、胸の空いた服に着替えると、ホルヘの部屋を訪ねる。
部屋にラモナがいることに驚いたビリディアナだったが、ホルヘは2人の女をテーブルにつかせ、「こんな日がくると思っていた」とつぶやくと、カードを始めるのだった。
以上、映画「ビリディアナ」のあらすじと結末でした。
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