脱走特急の紹介:1965年アメリカ映画。ドイツ軍占領下のイタリアを北へ縦断する軍用列車に乗せられたアメリカ軍のライアン大佐以下700名の連合国軍捕虜が対立を乗り越えて自由を目指す。デイヴィッド・ウェストハイマーのイタリアで捕虜として過ごしてからドイツに送られた実体験に基づく同名のベストセラー小説を原作とする。『逆転』(1963年)等のベテラン、マーク・ロブソンが監督し、フランク・シナトラがシリアスにヒーローを演じた、戦争・脱走・鉄道アクション映画。
監督:マーク・ロブソン 出演者:フランク・シナトラ(ジョセフ・L・ライアン大佐)、トレヴァー・ハワード(エリック・フィンチャム少佐)、ブラッド・デクスター(ボスティック軍曹)、ラファエラ・カラ(ガブリエラ)、セルジオ・ファントーニ(オリアーニ大尉)そのほか
映画「脱走特急」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「脱走特急」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
脱走特急の予告編 動画
映画「脱走特急」解説
この解説記事には映画「脱走特急」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
脱走特急のネタバレあらすじ:起・捕虜収容所内の争い
1943年8月。イタリアはドイツ軍に占領されていた。連合軍はイタリア本土に上陸し、イタリア人の間には厭戦気分が漂っている。イタリアの町にアメリカ軍の飛行機が墜落するが、脱出した陸軍航空隊ライアン大佐をイタリア人の兵士たちはドイツ軍から隠して、イタリア軍の捕虜収容所に運ぶ。
大佐が捕虜収容所に着いたときはイギリス軍のロカート大佐の葬儀中。ライアンが捕虜の中でもっとも階級が上になるが、元々民間パイロットだった彼は、脱走計画に固執するイギリス人にボスティック軍曹を始めとする少数派のアメリカ人が不満を抱いてはいたものの、職業軍人であるイギリス軍のフィンチャム少佐に捕虜たちの指揮を任せる。
しかし、その夜、フィンチャムたちが、すぐに病人のために使うべき医薬品を脱走用物資としてため込んでいることを知り、少佐から指揮権を奪う。翌朝、ライアンは捕虜収容所長のバターリア少佐と交渉して捕虜の待遇改善を勝ち取るが、新しい服を所長は認めようとしない。そこで捕虜たちに服を焼かせて新しい服を所長が支給せざるを得なくする。ただしライアン自身は懲罰房に入れられてしまう。
脱走特急のネタバレあらすじ:承・捕虜収容所から捕虜輸送列車へ
ライアンは仲間によって懲罰房から出される。イタリア軍が降伏し看守たちが逃げてしまったのだ。ライアンはフィンチャム少佐がバターリア所長を略式軍法会議にかけて殺そうとしているのをやめさせ、今度はバターリアを懲罰房に入れる。しかしこの地域はドイツ軍占領下にある。
バターリアの副官で英米人との間の通訳をしていたオリアーニ大尉が「私もドイツが嫌いだから」と案内役を買って出て、捕虜たちは海へ向かって逃げることにする。だが、遺跡に隠れていた彼らを翌朝ドイツ軍が拘束する。ドイツ軍によって懲罰房から出されたバターリアが捕虜たちの行き先を教えたのだった。
捕虜たちは皆列車に乗せられる。ただし傷病兵は銃殺された。ライアンがバターリアを生かしたせいで悲劇が起きてしまった。ライアンをドイツ人の名のように「フォン・ライアン」と呼んでフィンチャムが罵る。
脱走特急のネタバレあらすじ:転・列車乗っ取り
連合国捕虜に加えて逮捕されたオリアーニを貨車に詰め込んだ列車はローマで休憩してからさらに北へ向かう。ライアンたちは木の床に穴を開け、給水で停車した列車が走り出したタイミングで線路側から脱出し、貨車の屋根にいる護衛の兵士たちを殺して列車を乗っ取り、捕虜輸送の責任者のフォン・クレメント少佐と愛人のイタリア人ガブリエラを捕らえる。
列車はフィレンツェで停車して少佐が直接次の命令を受けとることになっていたが、ドイツ留学経験のある従軍牧師をクレメント少佐にしたてて敵をだます。さらにドイツ軍高級参謀の命令書を偽造してボローニャで列車の進行方向を変える。
クレメントとガブリエラについてフィンチャムは殺せと言うが、ライアンはそれを許さない。だが、停車中に二人は逃亡を図り、ライアンは彼らを殺すより他なかった。
脱走特急の結末:スイスを目指す
夜、廃線の手前で列車を停め、一度は捕虜たちが汽車を降りて各自逃亡することになるが、味方であるイギリス軍爆撃機による爆撃に遭う。ここが行き止まり、万事休すと思われたが、イタリア人機関士が汽車ごとスイスに逃れるというアイデアを思いつく。
ミラノの手前の信号所を破壊すれば汽車の行き先がわからなくなる。そしてミラノの先でスイスに向かう路線に移る。作戦は成功し、アルプスの山並みが見えてきた。捕虜たちに希望がみなぎる。
ライアンたちの列車の位置がやっと分かったドイツ軍は追跡列車を走らせる一方、空からも列車を追う。ドイツ軍機の爆撃により線路の上に岩が転がり列車は立ち往生する。再び機関士がアイデアを出す。
岩をどかせた後、壊れたレールを今通って来た線路のレールと取り換えればよい。自分たちの汽車は再び走り出し、追跡列車は止まる。だが、追跡列車を降りて歩いてくるドイツ兵と、レールを取り換えるために時間稼ぎをしなければならない捕虜たちとの間で激しい戦闘になる。ボスティック軍曹も命を落とす。
そして最後まで敵を迎え撃っていたライアンは、走り出した自分たちの列車に追いつく直前で敵の銃弾に倒れるのだった。
以上、映画「脱走特急」のあらすじと結末でした。
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