悪い奴ほどよく眠るの紹介:1960年日本映画。独立プロとして自らの映画制作会社を設立した黒澤監督が、その第一作として発表したサスペンス・ドラマ。シェイクスピアの「ハムレット」を下敷きに、1人の男が父親の復讐のため巨大悪と戦う姿を描く。
監督:黒澤明 出演:三船敏郎(西幸一)、森雅之(岩淵)、香川京子(岩淵佳子)、志村喬(守山)、西村晃(白井)
映画「悪い奴ほどよく眠る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪い奴ほどよく眠る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「悪い奴ほどよく眠る」解説
この解説記事には映画「悪い奴ほどよく眠る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪い奴ほどよく眠るのネタバレあらすじ:起
豪華なホテルの一室で、厳かに結婚披露宴が行われています。そこへ押し寄せるジャーナリストたち。折から日本未利用土地開発公団の課長補佐が汚職絡みで逮捕されたばかりでした。花嫁がその公団副総裁岩淵の娘・佳子、花婿が岩淵の秘書・西幸一ときては、その関係者が一同にそろっている披露宴は絶好の取材対象なのです。
悪い奴ほどよく眠るのネタバレあらすじ:承
記者が会場外で見守るなか、表面的には静かに進行していた宴ですが、ウェディング・ケーキが運び込まれた時に一波瀾おきます。そのケーキが公団のビルとそっくりな形をしていて、ある窓にバラの花が挿してあったのです。それは数年前、公団課長補佐の古谷が自殺の際、飛び降りた窓でした。こうしてある男の復讐譚の幕が上がるのです……。
悪い奴ほどよく眠るのネタバレあらすじ:転
入札に絡む贈賄に関し、警察は数人の職員を尋問。そのうちの1人である課長補佐・和田は、上司の命令に従い自殺を覚悟します。身を投げようと火山口の縁へ進む彼の前に、ある男が立ち塞がります。意外にもそれは岩淵の娘婿である西でした。西が和田を助けたのには訳があります。実は彼は自殺した古谷の息子であり、父親を死に追いやった公団関係者への復讐をもくろんでいたのです。
和田を仲間に引き入れた上で、西がまずターゲットにしたのは契約課長の白井でした。金庫の中に公団ビルの写真を入れたり、死んだと思われている和田の姿を見せたりして白井を精神的に動揺させた西は、最終的に彼を狂気に追いやります。
悪い奴ほどよく眠るの結末
続いて西は管理部長の守山を拉致。彼が自分の正体に気づいたせいでした。結局守山のせいで、公団側は西が一連の事件の犯人だと気づきます。おまけに守山を監禁している場所に西の妻の佳子が姿を見せ、事態は紛糾。しかも帰宅した佳子は西の行動を父親の岩淵に話してしまい、そのせいでアジトの場所がバレてしまいます。西は薬を盛られ、車に押し込められた末、殺害されます。列車との衝突事故に偽装された上でした。公団の面目を保ち、安堵した岩淵ですが、心がズタズタになった娘の佳子は廃人のようになってしまいます。
なんとも後味の悪い映画です…
よく練られたストーリーで 復讐が成功していればスカッとした気分が味わえたでしょうけど、あえて失敗させることで日本の闇の部分を描きたかったのでしょう。
それに 上には上がいる。副総裁を社会的に葬っても結局はまた別の人がその地位に収まって悪事は続いていくのでしょう。
社会派ものの黒澤映画は初期の作品の方が好きです。
余談ですがポスターの香川京子さんの写真映りが悪いのが気になりました。