情婦の紹介:1957年アメリカ映画。推理小説の巨匠アガサ・クリスティー原作の「検察側の証人」を映画化した作品です。殺人容疑をかけられた青年ボールの弁護を引き受けた弁護士ウィルフリッドの前に、青年の妻であるクリスチーネが検察側の証人として立ちはだかります。スリリングな法廷劇が繰り広げられる本格的なミステリー映画です。
監督:ビリー・ワイルダー 出演者:タイロン・パワー(レナード・ボール)、マレーネ・ディートリヒ(クリスチーネ)、チャールズ・ロートン(ウィルフリッド・ロバーツ)、エルザ・ランチェスター(ミス・プリムソル)、ヘンリー・ダニエル(メイヒュー)
映画「情婦」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「情婦」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「情婦」解説
この解説記事には映画「情婦」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
情婦のネタバレあらすじ:起
病み上がりの老弁護士ウィルフリッドは、看護師ミス・プリムソルに付き添われ、仕事に復帰します。そこに事務弁護士のメイヒューが依頼人のボールという青年を連れてやってきます。なんでも、重大な事件の依頼だと言います。身体を心配する使用人や看護師プリムソルの反対を遮って、ウィルフリッドは相談に乗ることにしました。それはエミリー・フレンチ事件と呼ばれるものでした。
裕福な未亡人が何者かに殺害され、知人であったボールが警察から疑われているというのです。ボールはある日、妻へのプレゼントを探しているところでフレンチ夫人と出会ったと語り出します。その後、偶然再会した二人は急速に親しくなり、ボールは度々夫人の家を訪れるようになっていきました。
ボールは事件のあった日も夫人と夕食を楽しんでおり、アリバイを証明できるのは彼の妻のみという圧倒的に不利な状況です。ボールは夫人を殺していないと強く訴えます。しかし追い打ちをかけるように夫人が8万ポンドもの遺産をボールに譲る遺言状を残していたことが判明するのでした。
情婦のネタバレあらすじ:承
警察がやってきてボールは逮捕され、入れ違いでボールのドイツ人妻クリスチーネが訪ねてきます。クリスチーネは夫とは正式に結婚をしていないと言い出し、冷酷な態度を見せます。ボールが妻に愛されていないと感じたウィルフリッドは、彼の無実を信じて弁護を引き受けることに決めたのでした。
いよいよ裁判が始まりました。被告のボールが強盗の犯行と見せかけて夫人を殺害したと主張する検事に対して、ウィルフリッドも応戦していきます。証言台に立ったフレンチ夫人の使用人は、ボールが夫人に遺言状を書き換させたのを聞いたと主張します。しかし耳の遠い使用人の証言は信用できないことをウィルフリッドが証明してみせるのでした。
情婦のネタバレあらすじ:転
裁判3日目クリスチーネが検察側の証人として証言台に立ちます。夫の共犯者と思われることに憤った彼女は、ボールが夫人の殺害に関与したことをほのめかす新たな証言をするのでした。保身のために偽りの証言をしているのではないかとウィルフリッドは彼女を責めます。クリスチーネの非情な態度に対して、法廷では少しずつボールへの同情が集まっていくものの、不利な状況は変わりません。
すっかり疲弊し、事務所へ戻ったウィルフリッドのもとに、クリスチーネのネタを握っているという女から電話がかかってきます。ウィルフリッドとメイヒューは電話で呼びだしてきた謎の女から、クリスチーネの裏切りを証明する手紙を買い取ります。
最終弁論でウィルフリッドは、手紙の内容からクリスチーネが恋人と一緒になるためにボールを陥れようとしていたことを証明したのでした。クリスチーネの身勝手な企みが分かり、陪審員はボールに対して無罪という評決を下すのでした。
情婦の結末
裁判を終えたウィルフリッドの元へやってきたクリスチーネは、これまでの証言がすべて芝居だったことを告げます。彼女はボールが殺人を犯していることを知りながら、愛する夫を救うために偽証罪に問われることを覚悟の上で悪妻を演じていたのでした。
手紙を渡してきた謎の女を演じたのはクリスチーネであり、手紙の内容もすべて作り物だったという事実を知ったウィルフリッドは驚愕します。妻の名演技に助けられたと喜ぶボールに対して、ウィルフリッドは法律をばかにしていると強く非難します。そしていつか罪を償わなければならない時がやってくると忠告します。
ボールを抱きしめようとするクリスチーナでしたが、そこへ若い女が駆け寄ってきます。ボールと熱い抱擁を交わした女は、ボールの恋人だと判明します。二人は手にした遺産で旅に出る計画まで立てていました。クリスチーネはボールに騙され、都合よく利用されていたことに気づくのでした。
ボールにあっさりと別れを告げられたクリスチーネは、逆上してボールを刺し殺してしまいます。連行されていくクリスチーネを見て、ウィルフリッドは彼女の弁護をすることを決めたのでした。
以上、映画「情婦」のあらすじと結末でした。
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