ウルフの紹介:1994年アメリカ映画。ジャックニコルソンが、狼男に扮したホラー映画で、妻と同僚の疑惑を狼男になった男が追求していくというストーリーが展開されます。
監督:マイク・ニコルズ 出演:ジャック・ニコルソン(ウィル・ランドール)、ミシェル・ファイファー(ローラ・アーデン)、ジェームズ・スペイダー(スチュワート・スウィントン)、クリストファー・プラマー(レイモンド・アーデン)、ほか
映画「ウルフ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ウルフ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ウルフの予告編 動画
映画「ウルフ」解説
この解説記事には映画「ウルフ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ウルフのネタバレあらすじ:狼に噛まれる
バーモントへ車で帰っている間、男性のランドールは、狼に噛まれてしまいます。彼は、出版社に勤めており、大物のレイモンド・オールデンによりその出版社が買収されることで、彼は出版社の編集長から降格させられてしまいます。
ウルフのネタバレあらすじ:妻の疑惑
オールデンに仕事を求めた彼ですが、その仕事はスチュワート・スウィントンという人物に変わってしまいました。ひょんなことから、ランドールの妻がスチュワートと関係を持っていると思った彼は、スチュワートの家を見つけると、彼に問題について尋ねます。ランドールは勝手にスチュワートの家の二階へと入ると、そこにランドールの妻が半裸でいるのを確認し、ランドールは何も言わずにその場を去ります。そして、彼はなぜか自分が狼の特徴を受け継いでいるのではないかと考えるようになりました。
ウルフのネタバレあらすじ:狼男への自覚
ランドールは、オールデンの頑固な娘、ローラの助けを借りて、新たな人生を歩むことにしました。狼男として自覚した彼は、夜に起きると鹿を追いかけました。朝になると、彼の顔と手が血まみれになっており、さらに自分自身が川岸にいることを発見します。その後、彼は博士を訪ねます。その博士は、彼が完全に狼男になる前に、お守りを渡しました。ローラに電話をし、彼は動物園へ行くと、手錠を警官から盗みます。その後、すべての記憶が消えたまま。
ウルフのネタバレあらすじ:スチュワートとの戦い
彼はホテルで朝を迎えます。ランドールはスチュワートの仕事の裏をかいて、彼を攻撃します。そして、スチュワートの方も彼に対して、妻を襲ったのは誰であるのかを問い、ランドールは警察に逮捕されてしまいました。警察署についた彼は、そこで妻に会います。しかし、ますます狼男の正体がばれそうになったことで、ローラの助けを借りて出国を急ぎました。スチュワートはその頃、ランドールの妻を襲おうとして、ランドールはスチュワートと戦いをします。そして駆けつけたローラにより、スチュワートは射殺されてしまいます。
ウルフの結末:狼男へ
人間に戻ったランドールは、森の中へと消えて行きました。警察がその現場に到着するも、そこにはローラがいるのみです。ランドールはその後、完全なる狼男へと変身するのでした。
「ウルフ」感想・レビュー
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若い頃のミシェルファイファー綺麗だな60歳過ぎた今も美貌は健在
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“巨大な企業が個人を飲み込んでしまうというプロットと、狼へと変身していく自己との葛藤を通して狼男の神話のファンタジーを描いた「ウルフ」”
怪奇映画の三大怪物のヒーローと言えば、”ドラキュラ”、”フランケンシュタイン”、”狼男”ですが、1990年代の前半は、フランシス・フォード・コッポラ監督、ゲイリー・オールドマン主演の「ドラキュラ」、ケネス・ブラナー監督、ロバート・デ・ニーロ主演の「フランケンシュタイン」があらたな着想でリメイクされ、第3の怪物、”狼男”もマイク・ニコルズ監督、ジャック・ニコルソン主演で製作されました。
この映画は狼男への変身という題材を、ラブストーリーに仕立てた、”ロマンティック・ホラー”とでも言うべき作品で、ニューヨークの大手出版社に勤めるウィル(ジャック・ニコルソン)が、狼に噛まれた事から、会社で部下の野心家のスチュワート(ジェームズ・スペイダー)に足元をすくわれて、左遷人事で飛ばされそうになっていましたが、”野生に目覚め”たウィルは、仕事にも俄然、やる気を取り戻し、社長令嬢のローラ(ミシェル・ファイファー)と激しい恋に落ちたりします。
映画の前半部は、生き馬の目を抜くとも言われる熾烈で過酷なニューヨークのビシネス社会の中で、冴えない企業戦士が狼に噛まれ、野生の力に戸惑いながらも、スーパービジネスマンへと変貌していく過程は、コメディすれすれの状況で描かれていきますが、さすがにマイク・ニコルズ監督、丁寧な描写を積み重ねていく事で、シリアス・ドラマ風の展開へと持っていきます。
“巨大な企業が個人を飲み込んでしまう”というリアルなプロットと、”狼へと変身していく自己との葛藤”という、狼男という神話のファンタジー。
この”ウィルVSライバルとの外的な戦い”と”狼へ変身していく自己との葛藤”というものが、見事に二重構造となっていて、恐らく、マイク・ニコルズ監督もジャック・ニコルソンも、この映画を単なるホラーとしてではなく、その「ふたつの戦い」を描く事が狙いだったのではないかと思います。
ウィルは月夜の晩になると狼に変身し、セントラルパークを徘徊したりするのですが、朝になると記憶が全くないのです。
そんな折、ウィルの妻が獣のような生き物に惨殺されるという事件が発生します。自分の仕業かもしれないという疑念にかられたウィルは、”理性と野性の間で苦悩”する事になります。
そして、理性で野性の行動を抑える事が出来なくなったウィルに警察は嫌疑の目を向けていきます。そんなウィルの理解者は恋人のローラだけで、このローラとのロマンスは、まさに”美女と野獣”のようで、狼へ獣化していくウィルは、ローラを愛するがゆえに近付ける事が出来ません。
この映画は全編、ダークな色合いを基調とした映像がゴシック風の美しさを漂わせていて、オスカー受賞歴のある名手リック・ベイカーの特殊メイクが我々怪奇映画ファンを楽しませてくれます。
そして、この映画は名優ジャクニコルソンと、私の大好きな俳優ジェームズ・スペイダーの白熱した演技合戦がさすがに見応えがありましたし、現代の”お伽噺”としても、十分に楽しめる映画になっていたと思います。
深夜のTV放送を録画するかどうか迷って、このページを拝見しました。録画容量は少ないし、再生してエンディングに失望するなら時間の無駄なので、とても参考になりました。主人公が殺されて終わりではないようなので、録画して見てみようと思います。有難うございました。