隣の八重ちゃんの紹介:1934年日本映画。戦前の名匠・島津保次郎監督の代表作。隣り合ったサラリーマン家庭の子弟たちの交流を生き生きとしたタッチで描いている。助監督が後の名匠・豊田四郎、吉村公三郎の2人。そして撮影助手が木下恵介と、スタッフが豪華だった点も有名。
監督:島津保次郎 出演:逢初夢子(八重子)、岡田嘉子(京子)、大日方伝(恵太郎)、磯野秋雄(精二)、ほか
映画「隣の八重ちゃん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「隣の八重ちゃん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「隣の八重ちゃん」解説
この解説記事には映画「隣の八重ちゃん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
隣の八重ちゃんのネタバレあらすじ:起
富士山のよく見える郊外の住宅地。真新しい洋風の一軒家の庭で、兄弟がキャッチボールをしています。兄の帝大生・新海恵太郎はその投球フォームに色々と文句をつけるのですが、中学生の弟・精二の方は「自分がやってみろ」とブツブツ文句を呟きます。やがて球がそれて隣家の窓へ。ガラスが割れて、その家に住む若い女性が顔を出します。兄弟にとって幼馴染の服部八重子です。隣同士の新海家と服部家はほとんど親戚同然で、ガラスを割ってしまうのも日常茶飯なのです。
隣の八重ちゃんのネタバレあらすじ:承
翌日、帝大の授業から帰ってきた恵太郎は家の玄関に鍵がかかっているため、八重子の家へ。そこでご飯を食べていると八重子が友だちの真鍋悦子を連れて帰ってきます。恵太郎は照れますが、八重子の方はそんな恵太郎に呆れます。2人はまるで兄妹同様でしたが、悦子に恵太郎がフレドリック・マーチに似ていると言われると、八重子も異性としての彼を意識するのです。間もなく、八重子の姉・京子が夫・金田のところを飛び出してきて、離縁させてくれ、と涙ながらに両親に訴えます。浮気癖がひどく、女中に手を付けたり、結婚詐欺のような真似までする夫に、京子はほとほと愛想が尽きていました。
隣の八重ちゃんのネタバレあらすじ:転
恵太郎は京子の悩みを聞いて、将来自分が八重子と結婚した時のことを想像します。そこへ八重子が帰ってきて、恵太郎へ映画にゆこうと誘います。デートのつもりでしたが、京子や精二も一緒についてくるため、八重子は落胆。しかも京子と恵太郎が親しげな態度なので、そちらが気になって映画に集中できません。映画の後はカフェに行ったり鶏鍋料理の店に行ったりしますが、男性への対応に慣れている京子が色々と新海兄弟の世話をするため、八重子は疎外感と嫉妬を覚えるのです。
隣の八重ちゃんの結末
しばらく日が経ち、新海家を訪ねた八重子は、持ってきた花を恵太郎の部屋の花瓶に生けます。彼への思慕はますます募るのですが、一方の恵太郎は、毎日京子にまとわりつかれて困惑していました。籍を抜いてしまった彼女はもう独身。恵太郎と付き合う気満々なのです。しかし、八重子への思いを秘めた恵太郎は、京子の愛の告白もやんわり拒絶します。甲子園をかけた精二の野球の試合を一緒に見にゆく恵太郎と八重子。帰ってくると、京子が家出していました。泣き出す八重子を恵太郎は優しく慰めます。結局京子は帰ってこず、服部一家は彼女を残し、朝鮮半島へ転勤のため引っ越ししていきます。しかし、八重子だけは女学校に通うために新海家に下宿。もう「隣の八重ちゃん」ではなくなるのです。
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