有楽町で逢いましょうの紹介:1958年日本映画。1957年5月に開業する有楽町そごう(現在は角川シネマ有楽町等が入る読売会館)は各種マスメディアとタイアップして一大キャンペーンを展開。「有楽町で逢いましょう」が流行語になり、フランク永井の歌った楽曲は大ヒットし、ついに映画も作られました(映画の冒頭ではフランク永井自身が主題歌を歌います)。有楽町(と大阪)を舞台に繰り広げられる、デザイナーと建築家、彼らの弟、妹をめぐる恋愛コメディー。
監督:島耕二 出演者:京マチ子(小柳亜矢)、川口浩(小柳武志)、菅原謙二(篠原練太郎)、野添ひとみ(篠原加奈)、北林谷栄(小柳てつ)、山茶花究(前田)、浪花千栄子(よね[ばあや])、ほか
映画「有楽町で逢いましょう」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「有楽町で逢いましょう」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「有楽町で逢いましょう」解説
この解説記事には映画「有楽町で逢いましょう」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
有楽町で逢いましょうのネタバレあらすじ:起・趣味の違い
フランス帰りのデザイナー小柳亜矢は大阪のそごう百貨店で斬新な着物のファッション・ショーを成功させた。今は東京で祖母と弟と暮らしているが大阪は生まれ故郷。ショーには小さいころの亜矢と弟の武の面倒を見たばあやとその娘も来て拍手をおくっていた。その夜の夜行列車で東京に向かう亜矢は、隣の席の男が亜矢を花形デザイナーとして紹介する雑誌をまるめて尻にしいているのがおもしろくない。
亜矢は有楽町そごうの中で多くのスタッフをかかえて仕事をしている。大阪から帰った次の日、女子大生加奈が、ためた小遣いを使って亜矢にデザインしてもらった服を着て帰っていった。とてもすてきだと思ったのだが、出張から帰った兄で建築技師の篠原練太郎のアパートに行って見せびらかすと兄は悪趣味だとけなす。そうかもしれないと思った加奈は後日仕立直しを頼みに来る。ちょうど居合せた武志は、姉は忙しいからと言って親切のつもりで胸元の飾りをハサミで切ったが、ドレスの胸元が深く切れてしまう。これではその日のお呼ばれに着て行けない。無責任にも、部屋にある服をどれでも代わりにもって行くようにと武志は加奈に言ってしまう。ところが加奈の選んだワンピースはその日お客様に渡すことになっていた…。そんなことはつゆ知らず、大学生の二人はすっかり仲好くなり、武志はアメリカン・フットボールの試合のチケットをプレゼントする。
自分の弟の責任とは知らず、自分がデザインしたドレスをだいなしにしたうえに他のお客の商品をもっていった加奈に亜矢は怒りを爆発させる。さらに加奈の兄がデザインを悪趣味と言ったという話が怒りの火に油を注ぐ。亜矢が建設現場におしかけると加奈の兄は夜行列車の隣の乗客だった。センスの違いをめぐって口喧嘩となる。
アメリカン・フットボールの試合に武志は途中出場。加奈も観客席で声援を送るが、テレビ解説者をしている篠原は武志が亜矢の弟であるとも知らずに武志を酷評。その直後に武志がすばらしいプレーを見せ、テレビの前の亜矢は溜飲が下がる思いをする。
有楽町で逢いましょうのネタバレあらすじ:承・女子寮侵入事件
加奈の誕生日、加奈は武志とボートに乗って楽しむ。武志は女子寮まで加奈を送ったが、プレゼントを渡し忘れていた。もう門限時間は過ぎている。武志は2階の加奈の部屋の窓によじのぼるが、玄関から帰ろうとして寮母に見つかってしまう。加奈は謹慎に。武志もフットボール部の合宿を追い出されてしまう。
寮に呼び出された篠原はヘルメットをかぶったまま亜矢の仕事場まで武志のことで抗議におしかける。家で亜矢は加奈のような無軌道なアプレの不良とは付き合うなと弟に申し渡すが、武志は卒業したら加奈と結婚すると言い、もう姉さんには頼らず一人で生きるとたんかを切ってしまう。
有楽町で逢いましょうのネタバレあらすじ:転・あなたを待てば雨が降る
若い男では電話を取り次いでくれないので祖母に女子寮に電話してもらい、武志は午後1時に加奈と有楽町そごうの女神像の下で会う約束をする。
武志が加奈を待っている頃、デパートの中では姉がその時ファッション・ショーを開催していた。雨が降り出し武志はデパート内の喫茶店に移って窓の外に注意を配る。友人たちの協力で寮母の目をすりぬけて出てきた加奈だったが、武志と結局すれ違いになってしまう。
その日のショーは直ちに新聞で酷評される。だが、たまたま喫茶店で出会った篠原は、自分は批評家の言うことは半分しか信じないと言ってさりげなく亜矢をなぐさめる。
有楽町で逢いましょうの結末:有楽町で逢いましょう
家出した武志は大阪のばあやの元へ。大歓迎され、ばあやの娘が経営する貸しボート屋を手伝って過ごす。弟の逃亡先がばあやの家に違いないと気づいた亜矢は、大阪に行く列車でまた篠原といっしょになる。篠原もばあやの家に同行する。姉弟は決裂するが、篠原が仲裁に入る。彼は妹の部屋にあったのと同じ、ボートの上で写した写真を武志ももっているのを見たのだった。写真の裏には「あなたと私の合言葉。有楽町で逢いましょう」ということばが。なんとなく二人のまじめさを篠原はわかる。結局、二人の交際は許され、弟は飛行機で東京に帰ることに。その晩今度こそ女神像の下で二人は会うだろう。
東京へ戻る夜行で亜矢と篠原はまたまたいっしょになる。僕たちは働きすぎ、たまには山に行きたいですねということになり、途中下車してリゾート・ホテルに別々の部屋を取ることにしたが、やはり仕事が気になる亜矢が職場に電話をすると海外のコンテストで亜矢が優勝したとわかる。すぐ帰ると言ってしまう。仕事が気になるのは篠原も同様だった。結局二人は口をそろえて東京に帰らなければならないと話を切り出す。
帰りの汽車の中、僕たちは有楽町で逢うしかないですねと言う篠原に、でも、度々ねと答える亜矢だった。
以上、映画「有楽町で逢いましょう」のあらすじと結末でした。
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