誘惑の紹介:1953年日本映画。当時名コンビと言われた監督・吉村公三郎、脚本・新藤兼人が、お互いに好意を抱きあう既婚代議士と女医学生の心理を細かく描いたメロドラマ。巧みな構成と原節子の清楚な美しさが見どころ。
監督:吉村公三郎 出演:原節子(人見孝子)、佐分利信(矢島隆吉)、杉村春子(矢島の妻)、山内明(武田三郎)
映画「誘惑」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「誘惑」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「誘惑」解説
この解説記事には映画「誘惑」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
誘惑のネタバレあらすじ:起
大学時代の恩師の墓へ参りに出かけた矢島隆吉は、そこで恩師の1人娘である医学生・孝子と出会います。帰りの汽車がないため、2人は安宿の同じ部屋に泊まることに。矢島は身寄りのない孝子が将来のことを悲観して泣き出したのを見て、自分の家に引き取ることにします。孝子は他人から世話を受けるのに抵抗があり、最初その提案を拒絶しますが、同じ医学生仲間の武田三郎の逮捕と裁判の件で矢島が助力を申し出たため断りきれなくなり、やむなく彼の家に同居。矢島は元々学者でしたが、現在は代議士でした。妻は結核で湘南の療養所にいて、子供も2人います。子供たちは一緒に暮らし始めた孝子とすぐに仲良くなり、さながら新しい母親が出来たようでした。
誘惑のネタバレあらすじ:承
孝子も父親を亡くした悲しみを忘れ、一家の世話をすることに生きがいを見出します。しかし、矢島が家族とともに孝子を連れて妻を見舞うと、妻は孝子の若々しさに不吉なものを覚えるのです。やがて、そのことが的中する事件が起こります。矢島が所属する党の反対を押し切って、学者仲間の応援演説のため地方へ出かけた時のことです。ちょうど釈放された武田が孝子を訪ねている最中、孝子のところへ矢島が病気で倒れたという電報が届きます。孝子は文面を見るなり、武田をほったらかしてすぐに矢島の旅行先へ。
誘惑のネタバレあらすじ:転
幸い、矢島は疲れが溜まって、めまいを起こしただけでした。ちょうどいい機会だというので、2人はそのままそこの旅館に滞在し、日頃の疲労を癒そうとします。興が乗った彼らはダンスを一緒に踊るのですが、急に孝子が泣きそうな顔で外へ飛び出してしまいます。矢島への恋慕の思いが急激に溢れてきたためでした。このままでは一線を踏み越えてしまうと知った彼らは慌てて帰京します。しかしその炎は静まらず、矢島は自宅の書斎で孝子に愛の告白をし、唇を奪ってしまいます。
誘惑の結末
ところがたまたま帰宅していた矢島の妻が2人のただならぬ様子に気づきます。孝子を責める妻。孝子は罪悪感で家を飛び出し、妻の方は感情が激したせいで吐血。一気に症状が重篤な状態へ。孝子は矢島のことを諦めるため、武田の部屋を訪問。故郷へ帰るという彼についてゆく気になります。しかし、そこへ矢島の妻が危篤という知らせが来たため、あわてて帰宅します。孝子を前にした妻は「私が死んだら矢島と子供たちをお願い」と言い残して他界するのです。孝子の気持ちを理解した武田はおとなしく身を引きます。こうして、晴れて孝子は矢島と結ばれるのでした。
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