大魔神怒るの紹介:1966年日本映画。大魔神シリーズ2作目です。魔人像が祀られる神ノ島を崇める名越の国と千草の国に攻め込んだ隣国の御子柴の悪行に大魔神が怒り、制圧するという話です。一作目の大ヒットに続き同じ年に急遽制作された作品です。
監督:三隅研次 出演者:本郷功次郎(千草十郎時貞)、藤村志保(早百合)、丸井太郎(度々平)、内田朝雄(名越兵衛)、北城寿太郎(鬼子島玄蕃)、藤山浩二(荒井一角)、上野山功一(名越勝茂)、神田隆(御子柴弾正)ほか
映画「大魔神怒る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大魔神怒る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「大魔神怒る」解説
この解説記事には映画「大魔神怒る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大魔神怒るのネタバレあらすじ:起
戦国時代八雲の湖のほとりに名越の国と千草の国がありました。共に同族で湖の恩恵を受け栄えていました。そして湖の中に浮かぶ神ノ島には魔人像があり、神と拝められていました。二つの国は神ノ島で祭事を行っていました。その時魔人の像の顔が真っ赤になりました。この光景を見た名越兵衛は何か不吉な出来事の前触れじゃと恐れました。そのころ隣国の御子柴弾正が配下の者と、千草の国に攻め込んで領土にしようと計画していました。
大魔神怒るのネタバレあらすじ:承
そして御子柴弾正らは千草の国に攻め込みました。寝込みを襲われた千草十郎は刀で戦いますが、十郎の命を守ろうとする配下の者たちと抜け道を通って逃げました。十郎を探す御子柴弾正らは名越の国に行きました。そして領主の名越兵衛の元に行き、十郎を出せと迫りますが知っていても教えないといいました。さらに戦をしようという配下のものたちを制止しました。しかし名越兵衛は息子の勝茂、娘の早百合の目の前で切り殺されました。そして勝茂を人質にして勝茂を助けたければ十郎を差し出せと言い、さらに名越の国も御子柴弾正の領土とするといって帰りました。
大魔神怒るのネタバレあらすじ:転
その後御子柴弾正らは神ノ島に渡りました。そして小百合らが止めるのも聞かず魔人像を破壊しました。すると湖は真っ赤に染まり御子柴弾正らは立ち去りました。その後船が一艘神ノ島に流れ着きました。十郎が倒れていました。小百合の看病もあって十郎は回復しました。十郎は勝茂を助けに行くと御子柴の国に行きました。そして勝茂を救い出し神ノ島に帰っていました。しかし早百合が御子柴の軍政が待ちぶせているのがわかり鐘を鳴らして知らせました。この鐘の音を聞き御子柴の軍政が攻め込み、早百合、十郎、勝茂らが捕らわれました。そして早百合は見せしめに火あぶりの刑に処され火を付けられました。
大魔神怒るの結末
火の手が早百合を包み始めました。十郎や勝茂も縛れており手の打ちようがありません。早百合は祈りを捧げました。そして涙が流れ落ちました。すると湖が割れ大魔神が現れました。辺りは真っ暗になり、早百合らの所に大魔神がやって来ました。大魔神は早百合を解放しました。そして見守っていた平民たちが十郎らを解放しました。大魔神は御子柴らを征伐し、あたりをすべて破壊しました。早百合が大魔神の足元へ行き怒りを鎮めるようお祈りを始めました。そして早百合の涙が大魔神の足に落ちると大魔神は粉々に崩れ消え去りました。やがて平和が戻り鐘の音が響いていました。
「大魔神」シリーズの2作目の「大魔神怒る」は、1作目と似たり寄ったりで、悪い城主(神田隆)が隣の湖を持つ、良い城主(本郷功次郎)の国を攻める。
本郷功次郎は、なんとか逃げおおせる。
神田隆は、本郷功次郎が隣国の城主(内田朝雄)を頼って逃げたので、内田朝雄の城も攻め入り(内田朝雄が演じてるから実は腹黒いのか?と思ったが、そんなことはない)殺してしまう。
さらに、湖の島にある守り神の埴輪形の武人像を、火薬で爆発させ壊してしまう。
この時、神像の首の部分もぶっ飛ぶ迫力。
本郷功次郎や内田朝雄の娘で、本郷功次郎の恋人の藤村志保も遂に捕まり、磔にされたところで、遂に大魔神が立ち上がるのだ。
この作品は、夏の公開だったから、涼しげに水を使った特撮が印象的だ。
特に、水の中から現れる大魔神の迫力は物凄い。
その上、登場後に「十戒」のごとく、左右に割れた水の中央に立ち、大見得を切ってくれる。
ここで何故、左右の水が割れて、その真ん中に立つのか、カットの繋がりからいって、よくわからないのだけれど、ただただ”こういう画が欲しかった”という、強引な繋がりも大魔神の迫力の前には納得させられてしまう。
前作では、「俺の眠りを覚ました奴は許せん」と、悪い城主を殺した後、民衆も襲おうとして、高田美和の涙で許すという展開だったが、今回はその辺はわかっていて、磔にされた藤村志保をまず助けてくれる。
悪い奴を最後になぎ倒すあたりの勧善懲悪は、やはりいい。
「ドカンドカン」と足音を響かせながら、鬼のような形相で悪人どもをなぎ倒すのは、爽快感があり、また普段の顔つきが柔和なだけに、その迫力が否応にも増して、素晴らしい。
音楽は、もちろん、東宝の「ゴジラ」を手掛けた伊福部昭。
この「大魔神怒る」に限ったことではないけれど、このシリーズ、大映らしい泥臭さを持った、今観ても素晴らしい、傑作特撮時代劇だ。