デイライトの紹介:1996年アメリカ映画。ニューヨークとニュージャージーを繋ぐホランドトンネルで事故が起き、出口両側が落盤する。火災、浸水、崩落に怯える生存者達、偶然居合わせた元緊急医療班チーフの男は生還すら困難と思われる救出任務に挑む。監督自身が関わった古い海洋パニック作品のオマージュが散見される、スタローン主演のパニック映画。
監督:ロブ・コーエン 出演:シルヴェスター・スタローン(キット・ラトゥーラ)、エイミー・ブレネマン(マデリン・トンプソン)、スタン・ショウ(ジョージ・タイレル)、ヴィゴ・モーテンセン(ロイ・ノード)、クレア・ブルーム(エレノア・トリリング)、ほか
映画「デイライト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デイライト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「デイライト」解説
この解説記事には映画「デイライト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デイライトのネタバレあらすじ:第1幕
冬のニューヨーク、人々は様々な日々を過ごしていました。仕事中監視カメラ越しに、同僚の恋人が忘れて行ったブレスレットを見せ付け、恋の語らいをするトンネル警備員ジョージとグレース、アクティブなCEOロイ、犬を中心に余生を過ごすトリリング夫婦、旅行に来たクライトン一家、刑務所に移送される囚人達、仕事と生活、両方に行き詰まってニューヨークを後にしようとするマデリーン、そしてラトゥーラは仕事に勤しんでいました。彼等はマンハッタンとニュージャージを繋ぐホランドトンネルに向かいます。そこに、強盗をして警察に追われる暴走車が突入して行きました。そして運転を誤り、折り悪く居た爆発性違法廃棄物を積んだトラックを巻き込んで事故を起こし大爆発を招き、トンネルを崩落させ出口も塞ぎました。丁度トンネルに差し掛かっていたラトゥーラは車を離れ、手際良く救助活動を始めます。彼はトンネルの中に入りチーフに会い、点検抗等を使って現場に向かうのは時間が掛かるので、瓦礫を爆破して侵入路を作る事を提案します。しかしチーフは聞き入れません。険悪なっているのを見た隊員が割って入り、ラトゥーラを引き離します。彼はその隊員にチーフを説得しろと言ってその場を後にします。そして救助隊は、通路は駄目だとチーフに報告を上げます。生存者が集まり始めます。冒険家としても有名なロイは、救助に回るジョージから出口が全部ふさがっている事を聞き、車から登山道具を持ち出しました。マデリーンは横転した護送車に近付きます。囚人達は口々に助けを求めてきました。その護送車の上、切れた高圧電線が垂れ下がり、今にも車に接触しそうになっていました。マデリーンは助けを呼んでくると言いますが、囚人達は叫びに流され、亡くなった運転手から鍵を取り、檻を開けます。我先に出て行く囚人達ですが、電線が前以上に迫っていて、マデリーンを含め数名が車に取り残されます。そこにジョージが駆け付け、カメラに向かって電源を切れとゼスチャーを始めます。車の中ではマデリーンが、機転を利かせてゴム底の靴を脱ぎ、それで電線を押さえ始めました。混乱する指令室にラトゥーラが入り、モニターのジョージに気付きます。グレースもそれに気付きますが、主任は電源を切るとトンネルに空気を送る換気扇が止まると主張します。そこにラトゥーラが、電源が別だとアドバイスしました。電源は切られ、主任はラトゥーラがEMS、緊急医療班を指揮していた思い出しました。
デイライトのネタバレあらすじ:第2幕
指令室で救助方法が検討されます。現場チーフは2次災害に巻き込まれ重傷を負っていて、ラトゥーラが頼られます。彼は、トンネル内の酸素が切れる前に救助隊を換気口から送り込む事を提案します。しかし換気扇は短時間しか止められませんでした。トンネルの中、ロイは自信満々に脱出プランを語ります。ジョージはそれとは別に、マデリーンに無線を渡し脱出口を探しに出ます。ジョージに言われマデリーンが無線に呼び掛けるとラトゥーラが出ます。彼は、出口を探しに出た人間が居ると聞いて、彼女に止めろと言いますが、そこで無線が途切れてしまいました。ラトゥーラは、僅か数十秒しか止められない超大型の換気扇を抜け、トンネルに入ります。何とか生存者達と合流すると、救援に喜ぶ彼らを置いてロイを連れ戻しに追って行きます。ロイに追い付いたラトゥーラは、彼に戻るよう説得しますが、ロイは自分の直感に絶対の自信を持っている為、耳を貸しません。彼はどんどんガレキを登って行きますが、瓦礫は今も崩れそうになっていました。そこに囚人の一人が連れて行って欲しいと追い掛けて来ました。これ以上危険な場所に留まれないラトゥーラは、仕方が無くロイを諦め、囚人を連れて戻ります。その直後瓦礫が崩れ、ロイを潰しました。崩落はガス爆発を引き起こし、トンネルで待っていた囚人を巻き込みました。ラトゥーラと彼を追った囚人は無事でしたが、更に追い討ちのように天井が崩れ、上の川から水が入り始めます。一同は慌てて高い所に登り始めます。その時、トリリング夫人がラトゥーラの素性に気付きます。彼は救助活動中の事故で死者を出し、懲戒を受けていました。生存者達は動揺しますが、彼は説得し、そして天井を爆破して水を堰き止める事を口にします。その頃指令室では、市の上層部が瓦礫を掘削し、救助隊を入れる事を決定していました。しかし大規模な掘削は、圧力均衡を保っているトンネルを崩す事になりかねませんでした。
デイライトのネタバレあらすじ:第3幕
ラトゥーラは、電線の機転を見込んでマデリーンを連れて爆破地点に向かいます。彼は、起爆装置とケーブルを彼女に託し、漏れ出る水に逆らい天井裏に入って爆薬を仕掛けます。水の勢いは凄まじく、天井を崩し続けます。ラトゥーラは何とか爆薬をセットし、マデリーンを先に退避させて起爆します。爆発で瓦礫等に襲われましたが、彼は無事でした。水没具合を確認していたジョージは、掘削が始まった事を知ります。それをラトゥーラ達に伝えに戻った時、地面が陥没し、彼は車に押し潰されてしまいます。ジョージは、駆け付けてきた生存者達が力を合わせ救出しました。その頃地上では、何も出来ず、唯事故に憤るグレースを主任が慰めます。グレースはジョージが帰る事を信じ、何か出来ないかと倉庫に向かいます。救出はされましたが、ジョージの様態は深刻で、首から下が動かせなくなっていました。先程の爆発は水の侵入を完全に防いだ訳でもないので、水位は少しずつ上がって行きます。深刻になっていく状況の中、ラトゥーラは指令室で知った建設員達の宿舎を思い出します。一番トンネルの詳しいジョージにその場所を聞き、ラトゥーラは宿舎を探しに行きます。入口は水没していましたが、宿舎自体はまだ無事でした。ラトゥーラは生存者達の所に戻り、宿舎へ避難するように指示を出します。生存者達はそこへ向かいますが、水に潜る為、ジョージは連れて行けませんでした。ラトゥーラは生存者達を先に行かせて、ジョージに事情を説明します。彼は躊躇なくここに置いて行けとラトゥーラに言いました。そして、グレースのブレスレットを渡しくれと頼み、太陽に下に行けと彼を激励します。ラトゥーラは、断腸の思いでその場を去って行きます。ジョージは、ここに居ないグレースに愛していると呟き、許しを請いました。
デイライトの結末
掘削は進み、トンネルにきしみが入ります。生存者達に追い付いたラトゥーラは、ジョージは駄目だったとだけ伝えました。ラトゥーラは生存者を率いて水に潜り、何とか宿舎に辿り着きました。しかしトリリング夫人が飼い犬がない事に気付きます。犬と逸れてしまったのです。夫婦にとって犬は、若くして死んだ子供の代わりでした。夫が夫人を慰めます。その時、逃げ惑う大量のネズミが宿舎に入ってきました。それに怯える生存者達ですがラトゥーラは、鼠の群れが宿舎に掛かっていたキリスト像の向こうに逃げて行く事に気付きます。彼等は必死に壁を壊し始めます。そこは出口があり、彼等はその奥へ向かいました。しかし、トリリング氏は妻を抱え動こうとしませんでした。夫人は、犬を失った事と息子を失った事を重ね、ショック死していたのです。自分も残ると言い出したトリリング氏にラトゥーラは、それなら自分も残るし誰も残さないと叱咤します。トリリング氏はそんな彼に説得され、先に進む事を決断しました。鼠を追うように生存者達は奥に進みます。一番奥に未完成の下水道を見つけた時、トリリング氏の犬が彼等を追って来ました。ラトゥーラは迷いましたが戻り、犬を助けます。しかしトンネルの崩落で足場が崩れ、ラトゥーラは水に落ちてしまいました。皆が助けに戻りますがラトゥーラは必死で止めます。そして、崩落の振動で今度はマデリーンが落ちてしまいました。必死に助けを求めるマデリーンとは対照的にラトゥーラは先に行けと叫びます。一行を託されたクライトン氏は、苦渋の顔で懐中電灯をラトゥーラ達の近くに投げ込み、先に進みました。泣き崩れるマデリーンを連れ、ラトゥーラは近くの配電盤からヒューズを外し、宿舎に戻ります。彼は天井を爆破し、圧力差で吸い出される水と一緒に外に出る事を考えていました。グレースと主任は、倉庫に入ります。その時、下から聞こえて来る声に気付きました。二人は救助隊を呼び、出口を壊し救出を行います。グレースはジョージが居ない事に落胆し、クライトン氏はラトゥーラ達が上がってこない事を気にしていました。ラトゥーラ達は天井裏に潜り込みます。絶望するマデリーンを余所に、ラトゥーラは爆弾を泥の中に埋め込み、トンネルに挑むようにまだ生きていると声を張り上げます。彼女はそれに勇気付けられ、彼に誰も見捨てなかったと言葉を掛けます。ラトゥーラは導火線に火を点け、二人は水の中に飛び込みました。その直後爆発が起こり、開いた天井の穴から二人は物凄い勢いで吸い出されます。先にマデリーンが水面に出ました。彼女はラトゥーラを探します。暫くして彼が浮上します。二人は近くに居た船に直ぐに救助されました。陸に上がり、精根尽き果てたようにタンカで運ばれるラトゥーラですが、その彼には、チーフが着る救助隊のジャケットが掛けられていました。ラトゥーラは、近寄ってきたグレースにジョージから預かったブレスレットを手渡します。彼女はそれが形見になった事を悟りました。歩く体力のあるマデリーンはラトゥーラの救急車に乗り込み、家も引き払い、家財は車と一緒におしゃかに、なったので彼に着いて行くと告げます。ラトゥーラはそれに一つだけ条件を出しました。それは、橋を渡って行こうという条件でした。
「デイライト」感想・レビュー
-
批評も多いようですが、とても分かりやすくて面白い映画でした。
水の中を潜るシーンも、一緒に息を止めて見守ったりと、スリルのある
内容でした。
1人また1人と死んでいく中で、みんなで協力しながら脱出を目指すシーンは
込み上げるものがあります。
大事故により崩落した巨大トンネルが舞台の映画です。出入口は岩盤で塞き止められ、完全に閉じ込められた状況です。そこに外部からシルベスター・スタローン演じる主人公が救助にやってくるのですが、そう簡単には脱出できません。トンネル内部で様々なトラブルが発生し、生き残った人々も徐々に数を減らしていきます。それでも諦めずに脱出を目指す、その過程がスリリングで最後までハラハラドキドキが止まりません。