エデンの東の紹介:1954年アメリカ映画。ジョン・スタインベックの大河小説の一部を映画化。ジェームズ・ディーンにとっては初主演作で、アカデミー賞主演男優賞にノミネート。若くして死んだディーンの「理由なき反抗」と並ぶ代表作となった。
監督:エリア・カザン 出演:ジェームズ・ディーン(キャル・トラスク)、ジュリー・ハリス(アブラ)、レイモンド・マッセイ(アダム・トラスク)、ジョー・ヴァン・フリート(ケート)
映画「エデンの東」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エデンの東」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エデンの東の予告編 動画
映画「エデンの東」解説
この解説記事には映画「エデンの東」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エデンの東のネタバレあらすじ:起
1917年、カリフォルニア州のモントレーへ汽車の無賃乗車で出かけるキャル。彼はモントレーで売春宿を経営しているケートという女性が母親ではないかと考え、その様子を探りに行ったのです。父親に真実を教えるよう迫っても、母親は死んだのだと言うばかり。直接ケートに会ってもみますが、彼女は自分が母親だということを否定します。しかし、両親の古くからの友人であるクーパー保安官から見せられた写真には確かにケートが写っていました。
エデンの東のネタバレあらすじ:承
キャルは、父親が自分を愛さず、兄であるアロンばかり可愛がっていることで肉親の愛情に飢えています。その気持が母親を求める行動につながっていたのです。キャルはその事をアロンの恋人であるアブラに打ち明けます。キャルに同情するアブラは、いつしか彼への愛を覚え始めるのです。元々農業を営む父親は冷凍処理を施したレタスによって大儲けを狙いますが、それが失敗。父親に認められたいキャルは豆の取引が有望だという話を聞いて、その資金をケートのところに借りにいきます。最初は拒否したケートも、キャルの話を聞くうちに情にほだされ、金を貸すことに。
エデンの東のネタバレあらすじ:転
第一次世界大戦が相場に影響し、キャルの商売は上手くいきます。そして父の誕生日に儲けたお金をプレゼントしようとしますが、戦争によって得た金などいらない、と父親は受取を拒否。キャルの父親への憎しみが膨れ上がります。おまけにアブラと親密になったことがアロンにばれ、兄弟仲も最悪に。キャルはわざわざアロンをケートのところに連れてゆき、売春宿の女主人が自分の母親だということを知らせて、モラリストのアロンを動揺させるのです。
エデンの東の結末
アロンは家を出てゆき、その事を知った父親はショックを受けて寝たきりとなります。キャルは自分の行動で父と兄が窮状に陥ったことを反省。アブラがキャルの気持ちを父親に説明し、ようやくキャルを蔑ろにしていた事を自覚させます。キャルはアブラとともに、心を入れ替えた父親の看病を続けることになります。
以上、映画「エデンの東」のあらすじと結末でした。
「エデンの東」感想・レビュー
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宣教師に英会話を習っていたとき、この映画を見せて頂き感激しました。
特に弟アベルを殺したカインに神が語った言葉「あなたは罪を治めなければ
ならない」しかし、ユダヤ人の学者が、この言葉に治めることで、道が開かれ
る意味もある。罪の許しと人生の再出発の道。 -
認めて欲しいが故の行動が、その意図が伝わらず怒らせてしまう。青春時代に限らず、少なからず経験したことがあると思います。それが大切な人であればある程、その気持ちの切なさは大きい。キャルの豆が育つのを待つ間の楽しみ、やっと育ってお金を手にしたが父親に拒絶された哀しみ、そして本当に父親と心が通った時の喜びが痛い程伝わってきます。そして、アブラという側でキャルの理解者の存在に心が救われます。
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テレビ映画で50数年ぶりに見ましたが色褪せない映画ですね。若大将シリーズや日活ロマンポルノのように暇つぶしの映画も好きですが、魂のある映画は満足感があります。
若い時に見た印象ほど鮮烈さは無いにしろ「名画」です。録画します -
いつの時代も親と子の確執や宿命などの点で,上手くいってる親子はいいものの,正直,あまり上手くいってない親子は,いつの世も大小いろんな事で,仲違いしたりして争ったり或いはお互いスレ違いから意地になって無視しあったり仲良く手を。同じ屋根の下に住む家族なんだからせめてどちらかが死ぬまで,寄り添ってたまには喧嘩はしたとしても,最後には,仲直りして仲良く手を取り合って一緒にほほえむくらいのスキンシップをみせてほしい。
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ジェームス・ディーン、カッコいい….
けれど、声がイメージとだいぶ違って、え?ってなった….
主人公の設定もディーン本人も20歳を超えているのでは?それで肩を丸めたあの演技、いい大人がすねてるみたいで、思わずしっかりしなよ、と言いたくなる。そしてヒロインもどうしても隠しきれないおばさん感(こんなこと書いて本当にごめんなさい)二人とも年齢的に無理あんでしょ!と思ってしまった。 -
親子の確執、そして束縛からの解放、色んな意味で課題提示している映画でした。やはり人間は常に心の拠り所を求めているのです。
これほど父親と息子の葛藤がうまく描かれた映画はないと思います。50代以上の人ならばジェームス・ディーンは人気があったので、多くの人が見ていると思いますが、ぜひ若い人、特に父親との関係性に悩む青年には見てほしい名画です。ちなみにタイトルは旧約聖書のカインとアベルの話から取っています。映画とリンクするテーマなので、この映画が気に入った方はそちらにも目を通してみてください。