居酒屋兆治の紹介:1983年日本映画。山口瞳原作。函館で居酒屋「兆治」を、妻の茂子と切り盛りする、元高校球児の藤野栄治と、かつての恋人で今は資産家の奥さんとなった、さよや、居酒屋に訪れる人々が織りなす、切なく、あたたかい人間模様を描いた映画です。
監督:降旗康男 出演:高倉健(藤野英治)、加藤登紀子(藤野茂子)、大原麗子(神谷さよ)、田中邦衛(岩下義治)、伊丹十三(河原)、ちあきなおみ(峰子)、ほか
映画「居酒屋兆治」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「居酒屋兆治」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「居酒屋兆治」解説
この解説記事には映画「居酒屋兆治」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
居酒屋兆治のネタバレあらすじ:起
藤野英治は函館で小さな居酒屋「兆治」を妻の茂子と営んでおり、店も繁盛しています。英治は店にちなんで「兆治」と呼ばれていました。英治は昔、造船所で働いていましたが、会社からリストラで同僚の首を切るように言われ、反発して会社を辞めました。幼馴染みの岩下、酒を飲んでは兆治に何かと難癖をつけるタクシー会社副社長の河原、タクシー運転手の秋本、小学校時代の校長先生で30歳年下の奥さんをもらった相場先生などが常連客です。
居酒屋兆治のネタバレあらすじ:承
英治は若いころ、さよという女性と愛し合っていましたが、貧しさゆえに一緒になる事ができませんでした。さよの縁談が持ち上がった時、さよの将来を思って英治が身を引き、さよは裕福な牧場主の神谷と結婚しました。子供にも恵まれていましたが、さよは結婚後も英治の事を思っていました。ある夜、さよの不注意から牧場で火災が起き、さよはそのまま家を出ます。そして店にふらりと現れ、英治に「あなたが悪いのよ。」と言います。秋本の妻が、家で急に具合が悪くなり、亡くなります。
居酒屋兆治のネタバレあらすじ:転
秋本はその時、妻に扇風機を当ててやっていたのですが、それが死因になったと店に来て酔った河原が秋本を責めます。「ああいう言い方は止めて下さい。本人も傷ついているんですから。」と諫める英治に逆切れした河原を、英治が殴り、警察に拘留されます。ところが取り調べでは、河原の件でなく、さよの件を聞かれます。警察は、さよと英治が共謀して牧場に火をつけたのではないかと疑っていました。釈放された英治は、スナックのママ、峰子から「さよをススキノで見かけたという男がいた。」と聞きます。
居酒屋兆治の結末
英治はさよの写真を持ってススキノを探しますが見つかりません。そして札幌に来たついでに、サラリーマンを辞職する原因になった上司が末期がんで入院している病院に寄り、花束を受付に預けます。そこで元同僚の越智と偶然会い、越智が夢中になっている、ススキノで知り合ったリリーというホステスが、さよである事が分かります。英治がさよを見つけた時、さよはすでに深酒と荒れた生活で食道動脈瘤破裂を引き起こし、血を吐いて英治の胸の中で亡くなります。さよの葬儀は青年団によって行われました。英治は店で、さよと一緒に写った写真を燃やすのでした。
「駅-STATION」では、倍賞千恵子
「海峡」では、吉永小百合
「夜叉」では、田中裕子
そしてこの作品では、健さんが居酒屋をやっていますね。
大原麗子さんの薄幸なお芝居が良いですよね。