雪の轍(わだち)の紹介:2014年トルコ,フランス,ドイツ映画。アントン・チェーホフの短編小説「妻」を原作とした長編映画で、トルコの世界遺産の街カッパドキアを舞台に、ホテルのオーナーで資産家の男とその妻との葛藤や周囲の人間模様を描いています。
監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン 出演者:ハルク・ビルギネル(アイドゥン)、メリサ・ソゼン(ニハル)、デメット・アクバァ(ネジラ)、アイベルク・ペクジャン(ヒダーエット)、セルハット・クルッチ(ハムディ)ほか
映画「雪の轍」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「雪の轍」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
雪の轍の予告編 動画
映画「雪の轍」解説
この解説記事には映画「雪の轍」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
雪の轍のネタバレあらすじ:起
トルコが誇る世界遺産カッパドキアにある小さなホテル「オセロ」。このホテルのオーナーを務めるアイドゥン(ハルク・ビルギネル)は、イスタンブールで舞台俳優として活動した後、父の遺産を引き継いで俳優を引退し、今は年下の妻ニハル(メリサ・ソゼン)や、夫と離婚して出戻った妹のネジラ(デメット・アクバァ)と共に暮らしています。アイドゥンはホテルの他にも複数の不動産を運用する資産家として裕福な生活を送っています。しかしそんなある日、アイドゥンが使用人と共に車で外出すると、道端の少年から石が投げつけられ、危うく事故を起こしそうになります。犯人の少年は、アイドゥン保有の借家の家賃が払えず、家財を差し押さえられたイスマイル(ネジャット・イシレル)の息子イリヤス(エミルハン・ドルックトゥタン)でした。
雪の轍のネタバレあらすじ:承
イリヤスは、家財差し押さえの際に父が執行官に殴られたのを恨んでいたのです。裕福なアイドゥンと、刑務所帰りでアルコール中毒を抱える貧しいイスマイルは境遇の違いから真っ向から対立し、イスマイルの弟でイスラム教の聖職者のハムディ(セルハット・クルッチ)が仲裁に入ります。ハムディは、アイドゥンの許しを請うため時折彼の元を訪れますが、両者の意見は対立したままでした。
雪の轍のネタバレあらすじ:転
アイドゥンはホテル経営や不動産業の他にも、地元の新聞に芸術などについてのエッセイを連載しており、好評なことから本の出版を考えていましたが、ネジラはそんな兄の才能を快くは思わず、エッセイの内容は欺瞞だとして批判的でした。さらにはイスマイル親子の件でも意見が合わず、ネジラは兄のもとを去ることになります。やがてカッパドキアにも冬が訪れ、客足が落ちると、今までもギクシャクしていたアイドゥンとニハルの関係も溝が深まっていきます。ニハルは夫の資産を元手に慈善活動を展開しているのですが、アイドゥンは怪しげな人間がたかってくることを警戒していました。
雪の轍の結末
やがて、ニハルとの一時的な別居を決意したアイドゥンはイスタンブールに向けて旅立ちますが、激しい大雪に行く手を阻まれ、友人の農場に立ち寄ります。一方、イスマイル一家の元へ向かったニハルは、生活の苦しい彼らに援助の金を渡しますが、イスマイルはそれを拒絶し、金を暖炉の火の中に放り投げます。一方、やはりニハルへの想いを断ち切れないアイドゥンは、友人たちと酒を飲み、再びニハルの元に戻る決意を固めると再び雪の道を辿り、カッパドキアに向けて出発します。そしてホテルに戻ると、ニハルに正直な想いを伝えるのでした。
この映画の感想を投稿する