イン・ディス・ワールドの紹介:2002年イギリス映画。パキスタンの難民キャンプで育った孤児の少年が、従兄弟と共に遠く離れたイギリス・ロンドンへ死と隣り合わせの密入国の旅をするドキュメンタリータッチのロード・ムービーです。ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞を受賞しています。
監督:マイケル・ウィンターボトム 出演者:ジャマール・ウディン・トラビ(ジャマール)、エナヤトューラ・ジュマディン(エナヤット)、イムラン・パラチャ(旅行案内業者)、ジャマウ(エナヤットの父)、ナビル・エルアービ(ユシフ)ほか
映画「イン・ディス・ワールド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イン・ディス・ワールド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「イン・ディス・ワールド」解説
この解説記事には映画「イン・ディス・ワールド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イン・ディス・ワールドのネタバレあらすじ:起
パキスタン・ペシャワールのアフガニスタン難民キャンプで育った15歳の孤児ジャマール(ジャマール・ウディン・トラビ)は、地元のレンガ工場で安い給料で働いていました。一方、ジャマールの従兄弟エナヤット(エナヤトューラ・ジュマディン)は家族経営の家電販売店を手伝っていましたが、息子に未来のある生活をさせたいと願うエナヤットの父(ジャマウ)は、密入国業者に金を払ってまで親戚のいるロンドンへ行かせようとしていました。とはいえエナヤットは英語を全く話せず、英語を話せるジャマールも同行することになりました。自分の国で生きる方が幸せだと引き留める人もいましたが、二人は胸に期待を膨らませ、約6400km離れたロンドンに向けて出発しました。
イン・ディス・ワールドのネタバレあらすじ:承
二人はバスでクエッタに行き、あらかじめ指定された場所へ密入国手配業者に会いに行きます。二人は警察に捕まってしまいますが、餞別にと貰っていたウォークマンを渡すことで難を逃れます。二人はトラックでイラン国境まで移動し、バスでテヘランに向かおうとしますが検問所で引っ掛かり、パキスタン国境に戻されてしまいます。二人はエージェントに金を払い、二度目の挑戦でようやくテヘランに辿り着きます。国境の村ヤクーで二人はクルド人の温かいもてなしを受けます。イランからトルコの国境越えは国境警備隊を避けて夜間の雪降る中、現地のガイドに案内されて雪山をひたすら歩き続けます。
イン・ディス・ワールドのネタバレあらすじ:転
難所を越え、トルコに入った二人はトラックでイスタンブールに入ります。二人にとっては生まれて初めての大都会でした。二人は現地の金物工場で働いて旅費を稼ぐと、同じくヨーロッパへ密入国しようとする難民数人と共に貨物輸送用のコンテナに入り、そのまま貨物船に積まれて地中海を航行します。イタリアのトリエステに到着、数十時間ぶりにコンテナの外に出ますが、エナヤットはコンテナの中で脱水症状を起こして死亡していました。
イン・ディス・ワールドの結末
一人になってしまったジャマールは、イタリアで観光客のバッグを盗み、その金で列車に乗りフランスに入ります。サンガト難民キャンプに辿り着いたジャマールは、ロンドンのレストランで働いていたというユシフ(ナビル・エルアービ)と知り合い、彼と行動を共にします。ジャマールとユシフはトラックの車体の底に潜り込み、遂に無事ロンドンに到着します。ジャマールはパキスタンの難民キャンプに電話をかけ、同行者である自分だけがロンドンに着いたことと、エナヤットの死を伝えます。エナヤットの父の目からは涙が溢れていました。その後、カフェで皿洗いの仕事を得たジャマールは、神に祈りを捧げていました。
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