新兵隊やくざ 火線の紹介:1972年日本映画。有馬頼義の小説「貴三郎一代」をベースにした「兵隊やくざ」シリーズ第9作目にして最終作ですが、前8作とは独立した内容です。中国大陸を舞台に、やくざ上がりの荒くれ兵士と名門出身のインテリ兵士が美貌の女スパイを巡って悪徳軍曹と対決します。
監督:増村保造 出演者:勝新太郎(大宮一等兵)、田村高廣(有田上等兵)、大楠道代(芳蘭)、大瀬康一(北井少尉)、宍戸錠(神永軍曹)ほか
映画「新兵隊やくざ 火線」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新兵隊やくざ 火線」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「新兵隊やくざ 火線」解説
この解説記事には映画「新兵隊やくざ 火線」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新兵隊やくざ 火線のネタバレあらすじ:起
太平洋戦争も終盤に差し掛かった1944年の中国大陸。やくざ上がりの大宮一等兵(勝新太郎)とインテリで戦争嫌いの有田上等兵(田村高廣)は軍用トラックに乗って移動していたところを八路軍に襲撃され、辛くも二人だけ生き残ります。二人は小隊長の北井少尉(大瀬康一)率いる北支の前線部隊に配置されており、温厚な性格で戦争嫌いの北井少尉に対して、陰で小隊を仕切る分隊長の神永軍曹(宍戸錠)は根っからの戦争屋で汚い性格の持ち主です。トラック襲撃の直後、北井部隊が駐屯する村の村長で親日派の王(大滝秀治)の息子・黄(坂本香)が八路軍のスパイ容疑で捕らえられます。勝手に決めつけるなという北井少尉の言うことを無視した神永軍曹は独断で大宮に黄を処刑するよう命じます。
新兵隊やくざ 火線のネタバレあらすじ:承
元やくざながらも子供は手にかけないと決めている大宮はやる気のなさを見せ、その間に密かに有田が北井少尉を呼び、処刑は中断され黄は釈放されます。王村長は黄の命を助けた大宮と有田に深く感謝します。その翌日、大宮の元に黄の姉・芳蘭(大楠道代)が訪れ、お礼として鶏を渡していきます。大宮は美貌の芳蘭に一目惚れしますが、かねてから芳蘭を狙っていた神永軍曹は彼女にスパイ容疑をかけてレイプしようとします。そこに間一髪で大宮が現れ、何とか芳蘭を救い出します。
新兵隊やくざ 火線のネタバレあらすじ:転
北井少尉は有田に、芳蘭がスパイかどうかを探れと命じます。有田は大宮にその役目を任せ、大宮は芳蘭と次第に打ち解け、相思相愛の間柄になっていきます。数日後、芳蘭は大宮に、八路軍がこの日の夜12時に南方から攻めてくるとの情報を教えます。芳蘭の正体は八路軍のスパイでしたが、任務よりも大宮への想いが勝ったのです。そのまま上層部に報告すれば芳蘭は処刑されてしまうと考えた大宮は密かに彼女を逃がします。そして芳蘭の情報通り、夜12時きっかりに八路軍が進攻してきますが、事前に備えていた北井部隊はこれを退けます。大宮は芳蘭を逃がした罰として凄惨なリンチを受けます。その夜、営巣で寝ていた大宮の元に黄が忍び込み、大宮を芳蘭のもとに連れていきます。
新兵隊やくざ 火線の結末
大宮は芳蘭から八路軍に入らないかと誘われますが、再び八路軍が北井部隊を襲撃するとの情報を聞き、有田の身が心配になって村に戻ります。しかし、村長は神永軍曹に殴り殺され、北井少尉は戦死に見せかけて神永軍曹の手で暗殺され、有田は拉致されていました。大宮と芳蘭は有田を救うため中国人に変装して忍び込みますが二人とも捕らえられ、有田とともに処刑されそうになります。芳蘭は神永軍曹の女になることを条件に二人の解放を要求、大宮の目の前で芳蘭は神永軍曹に抱かれます。大宮と有田は解放されますが、程なくして二人の射殺命令が下されます。その時、黄の呼びかけに応じた八路軍が駆け付け二人は助けられます。神永軍曹への怒りが頂点に達した大宮は単身で乗り込み、神永軍曹と一対一の殴り合いとなります。そして、神永軍曹は芳蘭の手で射殺されます。芳蘭と別れた大宮と有田は中国人に成りすまして、あてのない旅に出ていきました。
勝新さんとエースの錠さんの嬉しい顔合わせの映画ですね。宍戸錠さんが褌姿で大楠道代さんをレイプしているところを勝さんが助ける。邪魔された錠さんは「出て行け」勝さんは「お前こそ出て行け」錠さんが「それが上官に向かって言う言葉か!」と怒ると勝さんが「上官?褌丸出しで何が上官だ、上官なら上官らしくしろ」と言い返すシーンが笑えました。