第五福竜丸の紹介:1959年日本映画。1954年に起きた第五福竜丸事件を新藤兼人監督がドキュメンタリータッチで映画化した作品。新藤監督が核の悲劇を扱うのは、1952年の「原爆の子」以来2度目となる。キネマ旬報ベスト・テンでは8位に入選。
監督:新藤兼人 出演:宇野重吉(久保山愛吉)、乙羽信子(久保山しず)、稲葉義男(見島民夫)、永田靖(県衛生部長)、原保美(美波博士)
映画「第五福竜丸」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「第五福竜丸」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
第五福竜丸の予告編 動画
映画「第五福竜丸」解説
この解説記事には映画「第五福竜丸」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
第五福竜丸のネタバレあらすじ:起
1954年1月22日、マグロ漁船・第五福竜丸が焼津港を大勢の人に見送られて出港していきます。乗組員は23人。いずれも気心の知れた仲間たちです。穏やかな海を小笠原諸島の辺りまで進んだところで、漁労長の見島が「ソロモンへゆく予定を変更してはどうか」という案を出します。南方の安いキハダを獲るより、値のいい東沖のメバチを狙うべきだというのです。
第五福竜丸のネタバレあらすじ:承
無線長の久保山をはじめ一同も賛成し、やがて船はミッドウェイ島の沖合へ。早速漁を始めますが獲れるのはサメばかり。マグロはなかなか掛かりません。延縄もサンゴ礁にやられて散々です。このままでは借金がかさむので、船はさらに南に向かいます。たどり着いたのは、ビキニ島の沖。ここでいくらか獲物があり、みんな一息つきます。異変が起こったのは、一同がのんびりしていた時間帯、午後3時45分ごろでした。
第五福竜丸のネタバレあらすじ:転
第五福竜丸からはるかに離れた地平線の辺りで、突然太陽のような火の玉が上がります。そして8分後に、大きなキノコ雲が発生。みんなは慌てて甲板に出て、その異様な光景を見つめるのです。やがて作業を始めた船上に、チリのようなものが落下し始めます。いわゆる”死の灰”でした。それをかぶった一同はたちまち顔や肩が真っ黒になってしまいます。漁を終えた船は再び焼津港へ。船元の西山は全員が真っ黒な顔をしているのに驚きます。久保山たちから事情を聞いた西山はすぐに地元の医者に診てもらうように提案。そのことから新聞記者に情報が漏れ、「邦人漁夫、ビキニ原爆実験に遭遇」という見出しが大きく新聞紙面を飾ります。
第五福竜丸の結末
以後、この事件は世間の注目を浴び、市役所、ひいては政府が対応に追われることに。乗組員たちの身柄も、東大付属病院と東京第一病院が預かることになりました。アメリカの協力を仰ぎながら、治療と研究が共に行われますが、ストロンチウムを体から排出させるのは中々困難なことです。やがて患者の1人だった久保山の体調が悪化。妻と子供の顔を見て一旦は持ち直すのですが、彼女たちが家に帰ると再び危篤状態となり、ついに永眠します。日本中がその死を悼むのでした。
以上、映画「第五福竜丸」のあらすじと結末でした。
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