心霊ドクターと消された記憶の紹介:2015年オーストラリア映画。「戦場のピアニスト」(2000)や「グランド・ブタペスト・ホテル」(2014)のエイドリアン・ブロディ主演。娘の死から立ち直れない精神分析医の男の前に、1人の不思議な少女が現れる。少女に導かれるように故郷へ戻った男は、記憶の底に埋もれていた少年時代の恐ろしい事件を思い出す。「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」(2010)や「ザ・ライト―エクソシストの真実―」(2011)の脚本家でも知られるマイケル・ペトローニが監督・脚本をつとめた悲劇のミステリー・ホラー。
監督:マイケル・ペトローニ
出演者:エイドリアン・ブロディ(ピーター・バウアー)、サム・ニール(ダンカン・スチュワード)、ジョージ・シェヴソフ(ウィリアム・バウアー)、ロビン・ベイリス(エリザベス・ヴァレンタイン)、ブルース・スペンス(フェリックス)ほか
映画「心霊ドクターと消された記憶」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「心霊ドクターと消された記憶」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
心霊ドクターと消された記憶の予告編 動画
映画「心霊ドクターと消された記憶」解説
この解説記事には映画「心霊ドクターと消された記憶」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
心霊ドクターと消された記憶のネタバレあらすじ:起
精神分析医ピーター・バウワー(エイドリアン・ブロディ)のもとには、さまざまな人間がやって来ます。今日の患者は中年男性フェリックス(ブルース・スペンス)。今は1987年だと言い張るフェリックスを見つめるピーターは、カルテに「前向性健忘症」と書き込みます。そんなピーター自身もダンカン・スチュワード(サム・ニール)という精神分析医にかかっていました。ピーターは娘のイヴィーを交通事故で亡くしており、妻のキャロル(ジェニ・ベアード)と共に苦しみから立ち直れずにいます。さらにピーターはたびたび訪れる謎の少女(ロビン・ベイリス)にも悩まされていました。少女は突然現れ、とり乱して姿を消すのです。残されたのは「エリザベス・ヴァレンタイン」と名前の入った定期券と、謎の数字を書いた紙切れだけです。ある日、ピーターは電車の中で自分の患者エリカ(アンナ・リース・フィリップス)を見かけますが、彼女はまるで亡霊のように目の前で消えてしまいます。怯えたピーターはエリカの身元を検索します。彼女は何年も前に亡くなっていました。さらに他の患者の名前を調べてみると、なんとフェリックスやエリザベスも故人。ピーターの抱える患者20人全員が1987年7月12日に死亡した人間だったのです。
心霊ドクターと消された記憶のネタバレあらすじ:承
彼らはみなスチュワードに紹介された患者でした。ピーターはスチュワードを問い詰めますが、彼もまたピーターの目の前で消えます。エリザベスが残した数字をヒントに、ピーターは自分の故郷へと向かいます。実家を訪ねたピーターは、母親の死後一人で暮らしている元警察官の父親ウィリアム(ジョージ・シェヴソフ)と再会します。その夜、町のバーで幼なじみのバリーを見かけたピーター。彼らには2人だけの秘密がありました。1987年7月12日の真夜中。14才だった2人がたまたま線路に乗り捨てた自転車に列車が接触。列車は横転し47人が死亡していました。警察官だった父親は息子の過失を隠ぺいしていたのです。後悔を口にするピーターにバリーは「ムショはごめんだ!」と言い捨て帰って行きました。ピーターは酒を煽って線路に佇み、事故直後の様子を思い出します。横転した列車の中に見えるのは、エリカやエリザベスの息絶えた姿。ピーターは恐怖にすくみます。翌日ピーターは警察に出向き、女性警官のバーバラ(ロビン・マクリ―ヴィー)に脱線事故の原因は自分だと告白します。バーバラはエリカの娘でした。思わず詫びるピーター。バーバラは彼の正直さに感謝を表します。大きな罪には問われないと聞き、ホッとして帰宅したピーターの前にエリザベスとスチュワードが現れます。スチュワードはまだ終わったわけではないと示唆して消えます。再び線路に向かったピーター。線路脇にある踏切小屋の扉を開けると、バリーが首を吊っていました。
心霊ドクターと消された記憶のネタバレあらすじ:転
ピーターの通報を受けたバーバラが踏切小屋へ到着します。ピーターはバリーもあの事件に関係していたと告白しますが、バーバラは嘘をついていたピーターに腹を立てます。途方にくれるピーターは再び現れたエリザベスに踏切小屋へと導かれ、忘れていた記憶の断片を思い出します。あの夜、小屋の中にエリザベスがいました。彼女を襲い首に手をかけ殺そうとしているのは父親のウィリアム。もがいたエリザベスは列車の切り替えレバーをつかみ、線路が切り替わりました。事故の原因はそれだったのです。ウィリアムはエリザベスの死体を抱えると、横転した列車の座席に座らせます。ピーターは父親の姿を見ていたのでした。一方、バーバラはピーターの実家を訪ねていました。踏切小屋でエリザベスの遺留品を見つけていたバーバラは、20年前の脱線事故についてウィリアムに話を聞きたいと言います。彼女はウィリアムが事件に関係していると見抜いていました。ウィリアムはバーバラに殴りかかり、手錠をかけると車のトランクに隠します。
心霊ドクターと消された記憶の結末
帰宅したピーターは、ウィリアムに自首するよう頼みます。ウィリアムはピーターに拳銃を向け、親子は取っ組み合いになります。ウィリアムはバーバラをトランクに閉じ込めたまま車で逃走。ピーターも車で後を追います。ウィリアムの車があの線路の上を通った途端、いきなり車が動かなくなります。車の外にはエリザベスの姿が。ウィリアムは必死に逃げ出そうとしますが車のドアは開きません。そこへ列車が近づいてきます。ようやく追いついたピーターは、列車が車に衝突する寸前にバーバラを救出。列車は絶叫する父親を轢いて走り去って行きます。列車の窓にはエリザベス、フェリックス、エリカら犠牲者達の顔が見えました。全てが終わり、ピーターとキャロルが海辺に座っています。ピーターの前にイヴィーが現れ、キスをして海に消えました。キャロルにイヴィーは見えませんが、微笑んでピーターに寄り添います。夫婦は苦しみを乗り越えたのです。
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