宗方姉妹の紹介:1950年日本映画。性格も考え方も正反対の姉と妹。姉は甲斐性のない夫を抱えて、なんとか家計をやりくりしています。そこへ姉の昔の想い人・宏がパリから帰ってきます。妹はどうにかしてもう一度二人をやり直させたいと願いますが、そう思い通りには行きません。それぞれの思惑が飛び交う中で、物語はどう決着をつけるのでしょうか。
監督:小津安二郎 出演者:満里子(高峰秀子)、節子(田中絹代)、宏(上原謙)、三村(山村聡)、忠親(笠智衆)ほか
映画「宗方姉妹」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「宗方姉妹」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「宗方姉妹」解説
この解説記事には映画「宗方姉妹」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
宗方姉妹のネタバレあらすじ:起
何事に関しても保守的な姉・節子と、新しいもの好きで奔放に生きる妹・満里子。節子は失業中の夫・三村を抱え、麻理子の面倒をみながらもバーを経営していました。そんな中、節子は京都にいる父・忠親の余命いくばくもない事を知ります。満里子には真実を伏せ、姉妹で京都へ行くと、ちょうどパリ帰りの宏がやってきます。宏はその昔、節子と親しくしていた仲の人でした。満里子は、節子と宏がお互いに気持ちがあった事を知っていました。節子の日記をこっそりと見てしまったからです。
宗方姉妹のネタバレあらすじ:承
それを機に、満里子と宏はたまに会うようになりました。満里子はそれとなく宏から節子への想いを探るのですが、うやむやにされてまともな返事は返ってきません。しかも宏のパリ時代の知り合いに、(満里子にとって)気に食わない女性がおり、満里子は次第に敵意を抱くようになっていくのでした。その頃節子は、父親と食事をしていました。自身の余命が少ない事を悟ってもなお、節子と満里子の行く末を心配してくれている父親をみて涙をこらえるのでした。
宗方姉妹のネタバレあらすじ:転
姉妹は東京へ戻ってきます。満里子は、ろくに仕事も探さずに家で大きな顔をしている節子の夫も、それに甘んじている姉さんにも納得がいかず、鬱憤を溜め込む毎日でした。相変わらず家計も苦しく、店も売られてしまう寸前です。そんな状況でも、三村は口癖の「お前のいいようにしろ」とだけ言い、我関せずなのでした。ふとした会話から、満里子が節子の日記をみた事をうっかり漏らしてしまいます。それに加えて、三村も日記をのぞいていた事も。節子は憤然としますが、満里子は勢いに任せて、どうして宏と結婚しなかったのか尋ねます。節子は自分の気持ちに気づけなかったと答えます。気づいたときには、三村との結婚が決まってしまい、宏もパリに行ってしまっていたと。
宗方姉妹の結末
遠路遥々、東京に宏が訪れます。どうにかお店を立ち行かせていくための援助を申し出てくれたのでした。その頃になると、満里子はちょくちょく遅くまで遊び歩くようになっていました。節子がそれを咎めると、満里子は日頃の鬱憤をぶちまけます。「姉さんは考え方が古い」と言い捨てると部屋へ行ってしまいました。節子は満里子を追うと、「私は古くならない事が、新しい事だと思うのよ」と静かな口調で諭すのでした。ついに、満里子は宏を問いつめます。今でもきっと姉さんが好きだと信じている満里子は、自分が宏と結婚して二人を近づけようとプロポーズまでしますが、逆になだめられてしまいます。一方、宏が援助をしてくれると知って、三村はいい気がしません。加えて、宏に会った事を黙っていた節子を責め立てます。誤解されてはたまらない節子は、宏の申し出を断ることを決意します。閉店になったバーに夜遅く訪れた三村。店仕舞いをしていた満里子は「姉さんが可哀想だ」「別れてしまえ」と、ここぞとばかりに啖呵を切ります。三村は言い返しもせずに聞いています。次の日、三村は節子に離婚話を持ちかけ、抗議する節子に平手打ちを浴びせると、出かけてしまいます。そして、しこたま飲んで帰ってくると、自室で心臓発作を起こして亡くなったのでした。長年の時を経て、ついに節子と宏は結ばれるかに思われましたが、三村の死に暗く悲しい影を感じた節子は、宏の想いを受ける事はありませんでした。怪訝な顔をする満里子に、節子は「私のいいようにしただけよ」と答えるのでした。
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