吉原炎上の紹介:1987年日本映画。明治時代末期の日本屈指の遊廓街・吉原を舞台に、5人の花魁の生き様を4章に分けて描いた人間ドラマです。出演者による体当たりの濡れ場シーンが当時の話題となりました。1998年には舞台化、2007年にはテレビドラマ化もされています。
監督:五社英雄 出演者:名取裕子(上田久乃/若汐/紫太夫)、二宮さよ子(九重)、藤真利子(吉里)、西川峰子(小花)、かたせ梨乃(菊川)ほか
映画「吉原炎上」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「吉原炎上」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
吉原炎上の予告編 動画
映画「吉原炎上」解説
この解説記事には映画「吉原炎上」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
吉原炎上のネタバレあらすじ:「春の章」
1907年(明治40年)、当時まだ18歳だった上田久乃(名取裕子)は、船乗りの父が起こした海難事故の賠償のカタとして東京・浅草の一角にある日本屈指の遊郭街・吉原の「中梅楼」に売られてきました。吉原では、借金を背負った女たちが年季奉公の明ける6年間、春を売っていました。その素質を見込まれた久乃は御職(一番人気の花魁)である九重(二宮さよ子)にお目通りし、付き人となって花魁の世界のことを一から学んでいきました。やがて久乃は「若汐」という源氏名を名乗って遊女デビューすることになりましたが、恐怖のあまり初めての客から逃げてしまい、連れ戻されて九重から厳しい折檻を受けます。姉御肌の九重は身をもって若汐に性の技法を教えます。九重には宮田(井上純一)という若い学生の常連客がいましたが、借金を完済した九重は宮田を捨てて吉原を去る決心を固め、誰にも挨拶することなく去っていきました。
吉原炎上のネタバレあらすじ:「夏の章」
1908年(明治41年)、中梅楼の御職の座には吉里(藤真利子)が就いていました。この頃から若汐にも常連客として羽振りの良い財閥の若当主・古島信輔(根津甚八)が通うようになりましたが、古島はなぜか若汐を抱こうとはしませんでした。ある日、若汐と仲良しの菊川(かたせ梨乃)が稼ぎが悪いとの理由で品川の遊郭に住み替えとなり、若汐は名残を惜しみます。吉里には越後屋善之助(河原崎長一郎)や株屋の野口(益岡徹)といった常連客が通っており、吉里は野口に本気で惚れていました。しかし、株で大損した野口のため若汐を通じて古島から金を借りた吉里でしたが、野口に裏切られて人生に絶望し、越後屋善之助と心中しようと思い立ち吉原中を追いかけ回したあげく、最後は剃刀を自分の首に当て自決を遂げました。
吉原炎上のネタバレあらすじ:「秋の章」
1909年(明治42年)。中梅楼の御職の座には小花(西川峰子)が就き、若汐も遊女として人気が高まり、次第に御職の座を目指すようになっていました。若汐の願いは豪華絢爛な花魁道中を催すことでした。翌年に年季明けを控えていた小花は精力的に仕事をこなしていましたが、無理がたたって体調を崩し、吐血して入院してしまいます。若汐は小花に代わって中梅楼の御職の座に就き、晴れて花魁となった若汐は「紫太夫」と名乗ります。10月、中梅楼は恒例行事「仁和賀」で湧きたつ最中、御職の座を奪われて半狂乱となった小花は病院を抜け出して紫太夫と古島の前に現れ、その場で血を吐いて絶命しました。
吉原炎上のネタバレあらすじ:「冬の章」
1910年(明治43年)。古島は2000円を出して紫太夫を身請けし妻にしたいと願い出ます。しかし、古島に惚れていた紫太夫は一度も抱いてくれなかったことに不満を漏らして話を断ります。しかし一度出した金だから引っ込めないという古島に対して紫太夫はその金で花魁道中を開こうと提案、翌1911年(明治44年)の春、晴れて紫太夫の一世一代の晴れ舞台となった花魁道中が催されました。紫太夫は名実ともに吉原の頂点に登り詰めたのです。しかしその頃から古島は、安女郎に身を落としていた菊川の妹分であるお春(野村真美)の元に通い詰めるようになり、古島に会いに行こうとした紫太夫を菊川は必死で止めました。ある日、紫太夫は常連客の坪坂義一(小林稔侍)に身請けされ、岡山で結婚するため吉原を去ることになりました。しかし紫太夫が吉原を去る当日、失火により吉原は大火の炎に包まれてしまいます。古島は逃げ遅れて火災に巻き込まれ、紫太夫はただ黙って燃え盛る災を見つめるのみでした。
「吉原炎上」感想・レビュー
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吉原に興味を持って、いろいろ調べていた時に観た作品です。子供の頃、父がテレビで観ていて、チラ見して怖くてトラウマになりましたが、大人になって観ると、トラウマも克服できて、作品も楽しめました。ヒロインは遊女にしてはきれいに描かれすぎていたので、自分としては欠点があったり、壮絶な最期を遂げた他の花魁の方が親近感があって好きでした。特に財前さんの花魁が好きです。人間味あったなぁ。個人的には、吉原が炎上して終わり・・・ではなくて、その後どうなったのかも観てみたかったです。しかし、今思うと、これを普通に地上波のテレビでやってたかと思うとすごいですね・・・。昭和だなぁ。
私は時代物の映画はあまり観ないし、たまに観たとしてもあまり楽しめることがないのですが、この吉原炎上は最後まで楽しみながら観ることが出来ました。
この映画を観た時のイメージは、ストーリーも映像も色彩豊か、カラフルな映画だなと感じました。出演者のキャラクターもたくさんの色を持ったキャラクターが登場して面白かったです。
特に、花魁道中の映像は、偉そうなことを書くと日本の映画史を代表するシーンではないかと個人的には思っています。