巌窟の野獣の紹介:1939年イギリス映画。ダフネ・デュ・モーリアの小説を、ヒッチコックが初めて映像化した作品(ハリウッドに渡ってからは彼女の「レベッカ」「鳥」を映画化している)。主演は自らプロデューサーも務めたチャールズ・ロートン。悠揚迫らぬ演技で悪漢たちの黒幕を演じている。
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:チャールズ・ロートン(ペンガラン)、モーリン・オハラ(メリー)、レスリー・バンクス(ジョス)、ロバート・ニュートン(ジェム)
映画「巌窟の野獣」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「巌窟の野獣」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「巌窟の野獣」解説
この解説記事には映画「巌窟の野獣」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
巌窟の野獣のネタバレあらすじ:起
1819年のイギリス・コーンウォールの海岸。嵐の夜、わざと灯台に見せかけた明りを点し、船を座礁させてはその積荷を強奪する集団がいました。無慈悲にも乗組員は皆殺しです。そんな悪党たちが巣食う町に、若く美しい女性が馬車に乗ってやってきます。彼女の名はメリー。母親が他界したため周りに頼る人間がいなくなり、今後のことを相談するため唯一の近親者である叔母・ペイシェンスに会いに来たのです。叔母はジョスという男性のところへ嫁いでいて、一緒にジャマイカインという宿屋を営んでいました。メリーが馬車の中でジャマイカインの話をすると、突然、馭者が顔色を変え、彼女を宿屋の手前で降ろしてしまいます。
巌窟の野獣のネタバレあらすじ:承
まるで、ジャマイカインへゆくなど真っ平ゴメンだ、という態度です。メリーは仕方なく、そばにある豪奢な邸宅に入り、助けを求めます。そこの主人はでっぷり太ったペンガランという貴族でした。メリーの目的地がジャマイカインだと知ると、ペンガランも「あんなところへゆくな」とアドバイスします。しかし他に身寄りがないため、メリーは叔母に頼るほかないのです。仕方なく、ペンガランは彼女に付き添ってジャマイカインへ出かけます。メリーが家の前に立つと、いきなり扉が開いて男が姿を現します。手には銃が握られていました。驚いたことに、その男がペイシェンス叔母の亭主ジョスでした。立ちすくんでいるメリーをジロジロ眺めるジョス。その後ろから叔母が姿を見せます。
巌窟の野獣のネタバレあらすじ:転
ようやく家に招き入れられ、用意された部屋に入りますが、ジョスといい、酒場にたむろしている男たちといい、怪しげな雰囲気が漂っています。やがて男たちの間で喧嘩が始まり、1人の新入りらしい男がリンチの目に会い、最後には首に縄をかけられ、そのまま殺されそうになります。2階の部屋からその様子を見ていたメリーはナイフを使って縄を切り、男を助けます。彼の名前はジェム。その説明を聞き、メリーは驚愕します。実は義理の叔父ジョスは積荷強奪集団の首領であり、このジャマイカインが集団のアジトになっていたのです。ジェムと一緒に逃げ出したメリーは悪党たちに追われますが、なんとか逃げ切り、ペンガランに助けを求めます。しかしペンガランこそ、ジョスを介して集団を操る悪の親玉だったのです。
巌窟の野獣の結末
そんなことも知らず、ジェムは自分の身元を明かします。彼は頻発する難破と強奪を調査している政府の役人でした。ジェムに協力するふりをしてペンガランはジャマイカインへ出向きますが、2人ともジョスたちに拘束されます。もちろん、ペンガランはすぐに縄を解かれ、今日も船を難破させることをジョスに命令。ジェムの捜査を知り、その積荷を独占して高飛びするつもりです。ペイシェンスに助けられてジェムは逃亡。そして難破の計画を知ったメリーはそれをうまく邪魔します。ジョスやペイシェンスは結局メリーを助けようとして命を落とし、彼女を人質としたペンガランはフランス行の船に乗るため港へ向かうのです。しかしジェムに率いられた警察がその計画を阻止。ペンガランはマストから落ちて死んでしまうのでした。
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