プラネタリウムの紹介:2016年フランス,ベルギー映画。1930年代パリ。死者と交信ができるアメリカ人のローラとケイトのバーロウ姉妹はヨーロッパツアーのためパリを訪れる。ローラがショーを仕切り、ケイトが降霊術を披露、話題の美人姉妹として順調に稼いでいた。そんな2人の才能に惚れた映画プロデューサーのコルベンは、心霊映画を撮影するために姉妹と契約、自宅へ住まわせる。降霊術で見えないものを見せようとする姉妹と、映画で見えないものを撮ろうとするコルベン。見えないものをどう捉えるかで人生の在り方や人との関わり方が変わってくることをテーマにした作品。ヴェネツィア国際映画祭やトロント国際映画祭でも上映され話題となった作品。
監督:レベッカ・ズロトヴスキ 出演:ナタリー・ポートマン(ローラ・バーロウ)、リリー=ローズ・デップ(ケイト・バーロウ)、エマニュエル・サランジェ(コルベン)、ルイ・ガレル(フェルナンド)、ほか
映画「プラネタリウム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プラネタリウム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プラネタリウムの予告編 動画
映画「プラネタリウム」解説
この解説記事には映画「プラネタリウム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プラネタリウムのネタバレあらすじ:起
1930年代、パリが最も華やかだった頃。アメリカ人スピリチュアリストのバーロウ姉妹はヨーロッパツアーのため憧れのパリを訪れる。美しく聡明な姉のローラ(ナタリー・ポートマン)はショーを仕切る野心家、好奇心旺盛で純粋な妹のケイト(リリー=ローズ・デップ)は物静かで自分の世界に閉じこもりがちな少女。ショーではローラの言葉に誘導されたケイトが死者を呼び寄せるという降霊術を披露し、神秘的な美人姉妹として話題になった2人は順調に金を稼いでいました。ある日、ショーを見た大富豪の映画プロデューサー、コルベン(エマニュエル・サランジェ)の個人的な降霊をすることになります。コルベンをケイトの向かいに座らせるローラ。降霊された亡き人が座る椅子も用意されました。降霊が始まるとケイトの呼吸は次第に深くなり「足音が聞こえる」とコルベンは言います。さらにケイトの呼吸は深くなると同時にコルベンの体は座ったまま仰け反り、だんだん息苦しそうな様子になります。異変に気付いたローラはケイトに降霊をやめさせコルベンを起こします。コルベンの目には一筋の涙が。ところが嫌がる様子はなく、むしろ悦び溢れる表情で何かを決意した様子でした。コルベンはこの姉妹にすっかり取り憑かれ、自宅へ住まわせ映画製作の契約を交わします。
プラネタリウムのネタバレあらすじ:承
コルベンは、斬新な発想と新技術によりフランス映画を開発するという大きな夢を抱いていました。これまでに誰もやったことのない映画を作りたい一心で、姉妹によって呼び寄せられた霊をフィルムに収めるという世界初の試みにより姉妹を有名にすることを約束します。ローラの女優としての才能を感じたコルベンと監督のセルヴィエは彼女を主演に早速映画製作を進めます。はじめは役者としての葛藤もあったローラですが、若き俳優フェルナンド(ルイ・ガレル)との熱いキスシーンをきっかけに野心を目覚めさせていくのです。「すべてが欲しい」と。ある日のパーティのこと、酒に酔った姉妹をコルベンは部屋へと連れていき、個人的にセッション(降霊会)を依頼します。疲れているからと断るローラですが、ケイトは引き受けコルベンの手を握り深く呼吸をしはじめます。目を閉じたコルベンの顔に笑みがさし、息が荒くなっていく姿を不機嫌に見るローラ。法悦に浸るコルベンの股間は次第に膨れていき、耐えられなくなったローラは降霊をさえぎりコルベンを追い出します。怒りをあらわにするローラですが、ケイトはそんなコルベンを理解し同情している様子です。そしてローラに言うのです。降霊させたのは女性ではないと。
プラネタリウムのネタバレあらすじ:転
この一件以来、コルベンとの間に溝ができたローラはフェルナンドとドライブへ出かけます。コルベンと離別する覚悟ですが、フェルナンドに抱かれていても心はコルベンから離れるどころか惹きつけられていくのを感じます。そんな自分の感情を上手くコントロールできずローラは困惑していきます。一方コルベンはケイトの不思議な能力に惹かれていき、霊の姿を撮ることに夢中になっていきます。彼女を超常現象研究所へ連れていき、降霊の瞬間をフィルムへ収めようとします。霊の撮影には体に害を及ぼすほどの電磁波を当てる必要がありますが、ケイトはコルベンのために協力を惜しみません。モルモットのように器具を装されたケイトはコルベンの手を握り降霊を試みます。ついに霊をフィルムに収めた!コルベンから知らせを聞いた関係者と姉妹は映写室へ呼ばれます。皆が固唾を飲んでフィルムに目を向け、コルベンはまるで子供のように来るぞ来るぞとその瞬間を見張ります。ところが…映っていたのは曖昧な一瞬の影。呆れたみんなをよそに映画の成功を確信するコルベン。狂気に満ちた発想であることをセルヴィエは忠告しますが、コルベンは聞き入れません。セルヴィエは見切りを付け監督をおります。
プラネタリウムの結末
この実験的撮影がきっかけとなり、ある日倒れてしまうケイト。医者から白血病と聞かされます。一方、監督を欠いた製作途中の作品。莫大な資金を湯水のように使ったことを製作陣やスポンサーより問い詰められるコルベンでしたが、自分の資産を使ったと弁明しても狂人扱いされてしまい製作は暗礁に乗り上げます。そこへさらなる逆境がやってきます。フランス人として生活してきたコルベンが実はユダヤ人だったということが取り出され詐欺師呼ばわりをされた上に失脚を余儀なくされました。数日が経ち、組織的中傷の犠牲者となったコルベンを警察が訪ねてきます。コルベンは落ち着き払い、警察を家に招き姉妹と共にコーヒーを飲みます。ふとしたことをきっかけに声をあげ笑い合う3人。警察もつられて笑います。まるでこれが3人で過ごす最後の時になると分かっているかのように、束の間の幸せを共有します。コルベンは穏やかな声で一言「心配しなくていい」と言い残し、警察に連行されていくのでした。コルベンはフランス国籍を剥奪。じきアウシュビッツが待つポーランドへ強制送還されます。時が経ち、ローラはコルベンと関係のあった女優エヴァと会い近況を話しています。「ケイトは亡くなった」と。エヴァはローラに舞台の端役から始めるようにと監督を紹介します。ある舞台の一幕。子供達と共に窓の向こう無数に広がる星を眺めるナニー(子守)役を演じているローラの姿がありました。
以上、映画プラネタリウムのあらすじと結末でした。
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