上海の伯爵夫人の紹介:2005年イギリス,アメリカ,ドイツ,中国映画。ノーベル文学賞受賞者である日系英国人作家カズオ・イシグロのオリジナル脚本による歴史ロマンス映画です。1930年代、日中戦争前夜の上海を舞台に、没落したロシア貴族の未亡人が盲目のアメリカ人元外交官と出会い、彼が開いたバーで働き始めるうちに恋に落ちていく姿を描いています。
監督:ジェームズ・アイヴォリー 出演:レイフ・ファインズ(トッド・ジャクソン)、ナターシャ・リチャードソン(ソフィア・ベリンスカヤ)、真田広之(松田)、マデリーン・ポッター(グルシェンカ)、ジョン・ウッド(ピョートル・ベリンスキー公爵)ほか
映画「上海の伯爵夫人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「上海の伯爵夫人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「上海の伯爵夫人」解説
この解説記事には映画「上海の伯爵夫人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
上海の伯爵夫人のネタバレあらすじ:起
1936年、上海。かつてヴェルサイユ条約の調印にも立ち会ったことのある盲目のアメリカ人の元外交官ジャクソン(レイフ・ファインズ)にはひとつの夢がありました。それはここ上海に他のどのバーとも違う自分だけのバーを開きたいというものでした。ある日、ジャクソンは中国人が経営するクラブでホステスとして働くロシア人女性ソフィア(ナターシャ・リチャードソン)と出会います。貴族だった夫を亡くし、ロシア革命で祖国を追われたソフィアは夫の親族と共に上海のアパートで貧しい暮らしを送っていましたが、未だに貴族のプライドを捨て切れない親族はろくに働かず、生活費の全てをソフィアに頼っているにも関わらず、ソフィアを卑しい女として辛く辺り、一人娘カティア(マデリーン・ダリー)をも引き離そうとしていました。
上海の伯爵夫人のネタバレあらすじ:承
ジャクソンはソフィアに可能性を見出し、自分の財産全てを競馬に賭けるという一世一代の大勝負に打って出て見事に馬券を的中させ、得た大金を元手に夢だったバー「白い伯爵夫人」の開店に漕ぎ付けます。ジャクソンはソフィアを自分の店に引き抜き、看板ホステスとして売り出します。ジャクソンは以前知り合った日本人実業家の松田(真田広之)のコネを利用して国民党員や共産党員、日本人など様々な国籍・人種の入り交じった国際色豊かな空間を作り上げ、店の経営も軌道に乗り繁盛するようになります。ジャクソンはあくまでもソフィアの雇い主に徹し、それ以上の踏み込んだ関係を持とうとはしませんでした。
上海の伯爵夫人のネタバレあらすじ:転
ある日、ジャクソンは街で偶然にもソフィアがカティアを伴っているところに偶然出くわし、今まで明かしてこなかった自らの過去を始めて明かします。ジャクソンはかつて、娘と二人でバスに乗っていたところを暴漢に襲撃され、娘は死亡、ジャクソンも視力を失っていたのです。この日を境にジャクソンとソフィアの距離は急接近、やがて二人は恋に落ちていきます。その後も「白い伯爵夫人」は繁盛を続け、順風満帆と思われた矢先、松田は実は日本軍と深い繋がりがあり、やがて日本軍が本格的に上海に侵攻してくるのではないかという噂が流れていました。
上海の伯爵夫人の結末
やがて噂は真実となり、上海の人々は安全な場所へ避難しようと大混乱に陥ります。しかし、ジャクソンは店を手放す気はなく、最後まで店に居座ろうと決意します。ソフィアの家族はジャクソンから借りた金で香港まで逃げようと画策、その際にソフィアを見捨ててカティアを連れて行こうとしました。そんなソフィアの窮状を見かねた隣人のユダヤ人がマカオまで逃がす手筈を用意してくれました。一方、店に塞ぎ込むジャクソンの元に松田が訪れ、上海から脱出するよう促しますがジャクソンは拒否します。そこで松田は「あなたは一人でいるべきではない。あの女性と一緒になりなさい」と背中を押し、ジャクソンは手探りでソフィアを追って港へ向かいます。そしてソフィアはカティアを奪還し、ジャクソンはソフィアやカティナと港で合流、マカオに向かって旅立ちました。
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