SADA 戯作・阿部定の生涯の紹介:1998年日本映画。戦前に起きた「阿部定事件」を題材にした作品。阿部定の波乱に満ちた半生を斬新な映像美で描き、ベルリン国際映画祭にて国際批評家連盟賞受賞をしました。
監督:大林宣彦 出演者:黒木瞳(阿部定)、片岡鶴太郎(喜久本龍蔵)、椎名桔平(岡田征)、ベンガル(立花佐之助)、根岸季衣(喜久本よし)
映画「SADA 戯作・阿部定の生涯」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SADA 戯作・阿部定の生涯」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SADA 戯作・阿部定の生涯の予告編 動画
映画「SADA 戯作・阿部定の生涯」解説
この解説記事には映画「SADA 戯作・阿部定の生涯」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SADA 戯作・阿部定の生涯のネタバレあらすじ:起
大正8年の夏、女がある屋敷の前に立ち、戸を叩いています。女は娘がこの屋敷の息子に手籠めにされたと訴えますが、取り合ってはもらえません。娘の名は定、14歳の彼女は大学生の斉藤に浅草の旅館に連れ込まれ、強姦されます。定が目を覚ますと、斉藤の友人岡田が布団に横たわる二人を見下ろしています。医学生の岡田は処女を失い、傷を負った定を優しく手当てしてくれるのでした。岡田の優しさに触れた定はたちまち彼に恋心を抱きます。そして傷物にされた自分と結婚できないならば、一緒に心中しようと岡田に持ちかけます。しかし岡田は遠い所へ行くため、二度と会えないと定に別れを告げます。岡田はハンセン氏病を患っていることをどうしても打ち明けることができないのでした。別れ際定は岡田からメスを託されます。
SADA 戯作・阿部定の生涯のネタバレあらすじ:承
すっかり投げやりになってしまった定は、不良少年達と付き合い始めるようになります。そして両親に自ら芸者として働くことを申し出るのでした。昭和4年、芸者から売春婦へ身を落とした定は全国を渡り歩いていました。妖艷さを武器にして男を翻弄する定は、怖いもの知らずの女へと変貌していくのでした。昭和10年、市会議員の立花の愛人になった定の生活は安定します。人格者である立花に影響された定は、荒んだ生活を改めて真面目に生きようと思うようになるのでした。
SADA 戯作・阿部定の生涯のネタバレあらすじ:転
昭和11年冬、定は立花から紹介された料亭で働きだします。しかし料亭の主人喜久本龍蔵から目を付けられた定は、ある夜誘惑されて関係を持ってしまいます。立花に素っ気なくされた定は、次第に龍蔵との愛欲に溺れるようになっていきます。しかし二人の関係はたちまち龍蔵の妻に知られることとなり、定は店を追い出されてしまいます。それでも龍蔵との関係を立ちきれない定は、遊ぶ金が尽きると立花に無心してしまうのでした。
SADA 戯作・阿部定の生涯の結末
この頃から定はふざけ半分で龍蔵の首を締めるようになり、その戯れは日常化していきました。ある夜龍蔵から首を絞めるなら最後までやめてはいけないと言われた定は、彼が本当に死にたがっているのでないかと考えるようになります。そして龍蔵が眠り込むと、腰紐で首を強く締め上げて絞殺してしまうのでした。定はメスで切り取った龍蔵の局部を持ち歩き、町を彷徨います。その後自殺しようと泊まった宿で逮捕された定でしたが、重荷から解放されたような安堵の表情を浮かべるのでした。愛を貫いた女として定は一躍時の人となって注目を浴びます。昭和16年には刑期を終えて出所した定でしたが、今では行方も途絶え、定の存在は世間からも忘れられていくのでした。
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