女優と詩人の紹介:1935年日本映画。この時代には珍しい、妻が稼ぎ頭の二ツ木夫婦。夫の月風は妻の尻に敷かれながらも、童謡をかきながら、料理に洗濯に毎日頑張っています。二人の辿り着く夫婦増とは一体どんなものなのでしょうか。
監督:成瀬巳喜男 出演者:二ツ木月風(宇留木浩)、二ツ木千絵子(千葉早智子)、能勢(藤原釜足)、お浜(戸田春子)、お浜の亭主(三遊亭金馬)ほか
映画「女優と詩人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「女優と詩人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「女優と詩人」解説
この解説記事には映画「女優と詩人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
女優と詩人のネタバレあらすじ:起
売れない童謡詩人・月風と女優・千絵子の夫婦は、もっぱら妻が稼ぎ頭となり、夫が家事全般を任せられ、月風が少々尻に敷かれ気味でした。洗濯を干すのも、食器を洗うのも、隣の奥さん・お浜の長話に付き合うのも月風です。千絵子は家でも仲間と芝居の練習に励みます。月風が家事の合間に童謡を作っていても、呼び出して煙草や芋やみかんを買いに行かせたり、こまごまと使いっ走らせます。煙草を買いに行った先で、月風は友人の売れない作家・能勢が家賃を滞納し、立ち退き寸前である事を知ります。
女優と詩人のネタバレあらすじ:承
ある日、近所の空き家に若い夫婦が越してくる事になります。隣人のお浜は、保険会社で働く夫を急かして、さっそく契約を取りにいかせます。すると若い夫婦は快く契約に応じてくれました。その場にいた月風も交えて、契約が取れた祝杯をあげます。夫婦に勧められて、思ったより飲み過ぎてしまった月風。どちらかと言えば亭主関白な隣の家に勢いづいて、「亭主様のお帰りだぞ!」と家に帰ります。そして、壁にかかった千絵子の肖像を見て、ひとりをくだをまきます。月風より一足遅く帰った千絵子は、その様子を静かに見つめて、夫の日頃の不満を知るのでした。
昨晩はそのまま眠ってしまった月風、翌日は通常通りてきぱきと家事をこなします。と、遅くに起きて来た千絵子が、薮から棒に稽古を手伝ってほしいと頼みます。それは夫婦喧嘩のシーンでした。今まで一度も夫婦喧嘩をした事がないから、なかなか感じが掴めないというのです。素直に手伝ってやる月風でしたが、その台本があまりにも自分たちの状況と似ていて、次第に縮こまっていく彼なのでした。
女優と詩人のネタバレあらすじ:転
次第に演技はエスカレートしていき、つかみ合いの真似事をやり出します。そこへ、友人の能勢が訪れて来て、慌てて止めに入りますが、芝居だと分かって一件落着。能勢はついに借間を追い出されたらしく、月風宅の2階の間借りを願い出てきたのです。千絵子から「お金に関する事なら断って頂戴ね」と言われていたにも関わらず、月風は能勢の「君はここの主だろ」の一言で思わず意地になり承諾してしまいます。能勢はずうずうしくいろいろと頼むと、荷物をとりにでかけました。
女優と詩人の結末
勝手に2階に居候を置く事に決めた月風に、千絵子は憤然としてさっきの台本のセリフそのままを言ってみせます。思わず、月風の口からも言い訳のセリフが出てきます。そのうち本当のつかみ合いになり、騒々しくやりだしたところへ能勢が帰ってきます。さっきと同じように演技だと思っている彼は、座ってのうのうと見物しだします。ところが、今回は本物だと分かり、原因が自分だと分かると、能勢は潔く厄介にはならない事を申し出るのでした。
そのころ、近所に越してきた若い夫婦がなんと心中未遂をします。保険の件で損をしかけたお浜の夫婦も大げんかを始めます。独身の能勢はこれらの事態を見て、夫婦の大変さを思いますが、喧嘩の末により中を深めた月風の夫婦を見て、悪くもないと思ったりもするのでした。
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