サスペリアPART2の紹介:1975年イタリア映画。アルジェント監督作でも、とりわけマニアの評価の高い作品。「最初から真犯人の姿をさり気なく見せる」というミステリ的仕掛けが効果を上げている。PART2となっているが、内容は「サスペリア」1作目とは無関係。
監督:ダリオ・アルジェント 出演:デヴィッド・ヘミングス(マーク・デリー)、ダリア・ニコロディ(ジャンナ・ブレッチィ)、ガブリエレ・ラヴィア(カルロ)、マーシャ・メリル(ヘルガ・ウルマン)、クララ・カラマイ(カルロの母親)、ニコレッタ・エルミ(オルガ)
映画「サスペリアPART2」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サスペリアPART2」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「サスペリアPART2」解説
この解説記事には映画「サスペリアPART2」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サスペリアPART2のネタバレあらすじ:起
イタリアで超心理学会主催の講演会が催されています。ゲストとして呼ばれたのは、テレパシストであるヘルガ・ウルマン。最初は冷静にテレパシーの実演を見せていましたが、急に叫び声を上げ、恐慌状態となります。ある異常な殺人者の強い殺意を感じたためでした。彼女の耳には子供の歌声も聞こえてきます。ようやく落ち着いたヘルガはローマ市内のアパートへ帰宅。友人と電話をしていると、ドアのブザーが鳴り出します。不安を覚えながら入口まで行くと、すぐに誰かがドアをけ破り、斧で切り付けてきました。窓際まで一旦逃げたヘルガですが、とどめの一撃で後頭部を強打され、無残な最期を遂げます。その様子を偶然外の通りから見ていたのが、仕事でイタリアに来ているジャズピアニストのマークです。彼はアル中の音楽仲間のカルロと話していたのですが、殺人を目撃するなり、すぐにヘルガの部屋に急行。部屋中に飾られているたくさんの不気味な絵画に戸惑いながら窓際まで行き、ガラスに首を突っ込んだヘルガの体を床に降ろします。その時外を見下ろすと、茶色のレインコートを着た人影が去っていくところでした。マークは偶然同じアパートの上階に住んでいたこともあって、重要参考人として警察署へ連れていかれ、4時間も尋問を受けます。
サスペリアPART2のネタバレあらすじ:承
彼の心中にはひとつの謎が芽生えていました。それは彼がヘルガを助けに駆けつけた時に見た絵がいつのまにか消えていたことです。事件に興味を持ったマークは、警察署で知り合ったジャーナリストのジャンナ・ブレッチィと共同で調査を開始。超心理学会のメンバーに話を聞き、当日の講演会でヘルガがパニック状態になったことを知ります。しかし、肝心の犯人の正体は分かりません。さらに手がかりを求めて自分と同じ目撃者であるカルロの住むアパートへも行きますが、その母親の身の上話を聞かされるだけでした。やがてテレビで「犯人の顔を目撃した」と報道されたため、マークは犯人に狙われる羽目に。機転を利かせて自分の部屋のピアノの間に閉じこもったため、犯人は立ち去ります。マークはその時聞こえてきた音楽に興味を持ち、そのレコードを購入。超心理学会のメンバーにそのレコードを聞かせ、ヘルガが耳にした子供の歌とはこれではないかと質問します。結局ハッキリしたことは分かりませんが、メンバーの1人が子供の歌にまつわる怪奇現象を思い出したため、マークはその件を調べることになります。図書館でその怪奇現象が書かれた「現代の幽霊伝説」という本を読んだマークは、その著者であるアマンダ・リゲッティという女性に会おうとします。しかし、犯人はなぜか彼の行動を知り、アマンダを殺してしまいます。
サスペリアPART2のネタバレあらすじ:転
次にマークは「現代の幽霊伝説」の写真から怪奇現象の起こった屋敷を見つけ出し、その内部へ。ある部屋で子供が描いたらしい不気味な殺人の壁画を見つけます。さらに身元不明のミイラまで発見するのですが、何者かに襲われ気絶。屋敷も火事になり、それ以上のことは分かりません。さらにアマンダのダイイング・メッセージを見つけた超心理学会のメンバーまで殺され、事件はますます混迷の度を深めます。やがて不気味な殺人の壁画とそっくりな絵がある小学校にあることが分かり、マークはジャンナとともに深夜の校舎へ忍び込みます。調べた結果、その絵を書いたのはアル中のカルロであることが判明。2人の跡をつけてきたカルロはマークを殺そうとしますが、警察に追われ、車に轢かれて死んでしまいます。
サスペリアPART2の結末
これで事件は解決かと思われましたが、ヘルガが殺された時、カルロはマークのそばにいたため、犯人ではありえません。再びヘルガの部屋に入ったマークは、失くなった絵というのは実は鏡で、そこに犯人の顔が写っていたことを知ります。部屋を出ようとしたマークの前に現れたのは、カルロの母親。一連の殺人事件の犯人は彼女だったのです。彼女は精神を病んでいて、以前自分の夫を殺していました。それをカルロが目撃し、あの絵を描いたのです。カルロの母親はマークに襲いかかりますが、ネックレスが旧式のエレベーターに引っかかり、首を切断することに。マークは何とか彼女の魔手を逃れるのです。
「サスペリアPART2」感想・レビュー
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この映画「サスペリア2」は、一部に熱狂的なファンを持つ、イタリア映画界の鬼才・ダリオ・アルジェント監督の一種の本格推理物の作品だ。
スプラッター趣味の走りと思われる「サスペリア」に、辟易した人でも、この作品は耐えられるだろう。
霊媒師殺しに始まる、一連の殺人をデヴィッド・ヘミングスが、追う物語で、活字では不可能な映像ならではの、前代未聞のトリックが隠されている。
この映画の冒頭部分で、ミステリ映画史上、空前の伏線があるというのでも有名な作品だ。
テレパシー能力を持つ女性が何者かに殺害される。その現場を目撃したピアニスト、マークは殺人事件を目撃したためにその何者かに命を狙われる。その際に聞こえてきた音楽に興味を持ち、その音楽が収めれたレコードを購入。
また、事件関係者がその音楽がとある幽霊屋敷で聞こえていたと言い、マークがその屋敷に行き子供が描いたと思われる絵と身元不明の腐乱死体を見つけ事件に迫っていく…。アルジェントのフィルモグラフィーの中でもミステリー色の濃い作品です。
因みにこの作品はアルジェントが「サスペリア」の前に撮った作品でこの「part2」は日本で「サスペリア」がヒットしたため日本の配給会社が独断で題名付けしたもの。
なおこの「part2」私が初めてレンタルビデオで観た映画だけにとても感慨深い一本です。