スウィート ヒアアフターの紹介:1997年カナダ映画。閉鎖的な小さな町で起きたスクールバス転落事故をめぐり、集団訴訟を起こそうと訪れた弁護士のもとで明かされる、町の人々と弁護士自身の暗い影を静かに描き出す。
監督:アトム・エゴヤン 出演:イアン・ホルム、カーザン・バンクス、サラ・ポーリー、トム・マッカムス、ガブリエル・ローズ、ブルース・グリーンウッド、ほか
映画「スウィートヒアアフター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スウィートヒアアフター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スウィートヒアアフター」解説
この解説記事には映画「スウィートヒアアフター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スウィートヒアアフターのネタバレあらすじ:起・訴訟
弁護士のミッチェルはとある小さな町を訪れていた。ガソリンスタンドで洗車中に離れて暮らす娘ゾーイから電話がかかってくる。ゾーイは薬物依存の精神不安定状態で、かかってくる電話は常に支離滅裂で話にならず、ミッチェルは疲弊していた。車を降りたミッチェルの前には廃車寸前のスクールバスがあった。彼はこの小さな町で起きたスクールバス転落事故で子供を亡くした親たちに集団訴訟を起こさせるためにやってきたのだった。
スウィートヒアアフターのネタバレあらすじ:承・町の秘め事
町に住む少女ニコールは優しい父の応援のもと、ロック歌手を夢見て遊園地で歌っていた。その傍ら、彼女は自動車整備士ビリーの2人の子供たちのベビーシッターをしていた。妻を亡くしていたビリーはいつも子供たちの乗るスクールバスの後を車で学校までついていき、子供たちを安心させていた。ハートリーとワンダのオットー夫妻も毎日のようにスクールバスに乗り込むわが子を見送っていた。しかし平穏そうに見えた町の中にも秘められた影があった。ベビーシッターを終えたニコールを迎えに来たサムは車をとある空き家に走らせ、そこで父娘は肉体関係を結んでいた。一方でビリーはモーテルを営むリサと不倫関係にあった。
スウィートヒアアフターのネタバレあらすじ:転・それぞれの思惑
そして事故当日、いつものようにバスの運転手ドロレスは子供たちを乗せて学校に向けて出発、ビリーもバスのあとについて車を走らせていた。そんなビリーの目の前で突然バスが崖下に転落、乗っていた子供たち21人が犠牲となり、ドロレスとニコールはかろうじて助かったもののニコールは車椅子の生活を余儀なくされる。ミッチェルはサムやウェンデルとリサのウォーカー夫妻、オットー夫妻らを訪ねて運転手や整備士個人の過失ではなく、バス会社らの責任を追及する訴訟を起こすことを説明し、契約を取り付ける。ミッチェルはドロレスに過失がないことを証明するためにニコールに裁判での証言を依頼する。そして夜中に事故車を調べていたミッチェルの前に現れたビリーに、ドロレスが制限速度を守っていたことの証言をしてほしいと頼む。しかしビリーはよそ者の介入を嫌い、ミッチェルを追い払おうとする。
スウィートヒアアフターの結末:町のしきたり
ニコールが証言する日の前日、ビリーはサムの元を訪れ、訴訟を取り下げるよう説得する。しかしサムはニコールの医療費や今後の生活に金がかかることを理由に取り下げに応じない。その様子を見ていたニコールはサムに、かつて2人で夢を追いかけていたときの話をし、自分を見る目が事故の前と変わったことを言い当てる。そしてニコールの証言の日、彼女はサムを見つめながら、事故当時ドロレスが猛スピードを出していたとウソの証言をする。この証言により訴訟を起こすことは不可能となった。2年後、ミッチェルは空港で元気に働くドロレスの姿を目にする。閉鎖的なあの小さな町には、誰もが平穏に暮らすための町独自のしきたりがあったかのようだった。
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