トラ・トラ・トラ!の紹介:1970年アメリカ,日本映画。日本海軍の真珠湾攻撃を描いた作品です。日本軍の飛行機はアメリカの飛行機を改造して実際にアメリカ空母から発信をすることで有名になりました。飛行場をゼロ戦が攻撃をするシーンは実写をしているので迫力がありました。
監督:リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二 出演:マーティン・バルサム(キンメル太平洋艦隊司令長官)、山村聡(山本五十六海軍中将)、ジェイソン・ロバーズ(ショート将軍)、ジョセフ・コットン(スチムソン陸軍長官)、三橋達也(源田少佐)、ジェームズ・ホイットモア(ハルゼイ中将)、東野英治朗(南雲中将)、ほか
映画「トラ・トラ・トラ!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トラ・トラ・トラ!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
トラトラトラ!の予告編 動画
映画「トラ・トラ・トラ!」解説
この解説記事には映画「トラ・トラ・トラ!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トラトラトラ!のネタバレあらすじ:起
日本の連合艦隊に昭和15年山本五十六大将が着任するところから物語は始まる。次第に情勢が戦争気運になるときにアメリカとの戦争ではまともに戦えば勝ち目がないことを知っている山本長官は近衛首相にもし開戦になれば1年ぐらいは暴れるが後は戦にならないと予言をしてる。実際まともの戦えたのは1年ぐらいだから正確に戦争を予言していたと言えます。アメリカ側も同じころ海軍の基地をハワイに移して日本との戦いに備えました。キンメル提督を迎えて太平洋艦隊を纏めましたが本人の希望である偵察機を増やすことを議会に反対されてあらかじめ奇襲を防ぐことが出来なくなりました。
トラトラトラ!のネタバレあらすじ:承
山本長官は日本が勝つには奇襲しかないと思い大西提督や源田実参謀に真珠湾を飛行機で攻撃できないかを指示します。それにしたがい機動部隊空母6隻を中心とした世界初の機動部隊を編成して日本国内で猛訓練を開始、真珠湾の浅い海底でも使用できるように魚雷を改造し、戦艦長門の主砲弾を改造して800k爆弾を水平爆撃で戦艦を撃沈することが出来るようになりました。アメリカ側はレーダーが山頂に取り付けられて警戒網を作っていました。
トラトラトラ!のネタバレあらすじ:転
11月下旬に開戦が決まり12月初旬に艦隊に暗号名「新高山のぼれ」を受信、艦隊はひそかにハワイオアフ島北に接近12月8日未明6隻の空母から約180機の第一次攻撃隊が発進、一路真珠湾を目指します。アメリカ側は山の上のレーダーで島の北から黒い影が近ずいてくるのを発見、直ちに上官に報告するもそれはB17の編隊だと言われ警報は出ませんでした。同じころ真珠湾入り口では哨戒艦が不審な潜水艦を発見して爆雷攻撃をしています。これも報告をしますがなぜかキンメル提督には届きませんでした。
トラトラトラ!の結末
山をかすめて攻撃機が真珠湾に接近をして攻撃隊長が我れ奇襲に成功せりと「トラトラトラ」を発信して全機攻撃を開始、戦艦アリゾナの大爆発を始め大戦果を上げたのでした。飛行場もまだ一機も飛び立てずにすべて日本機に撃破されたのでした。しかし重大な失態がありました、ワシントンの大使館が開戦通告を出すのに手間取り攻撃から1時間後に手渡したのです。すでにアメリカ側は暗号解読で日本の攻撃を知っていました。すぐにルーズベルト大統領はリメンバーパールハーバーと言ってアメリカ人を奮い立たせて日本との戦争に踏み切りました。山本長官は真珠湾を攻撃してアメリカ人の戦意を低下させることでしたが皮肉にも敵意を高めてしまい今後の戦いを不利にさせました。
「トラ・トラ・トラ!」感想・レビュー
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やはりラストに山本五十六さんが、眠れる巨人を起こし、奮い立たせる結果を招いたも同然である。と作戦は失敗した。と部下達に告白し旗艦長門の船首に立ち、燃え盛る真珠湾を写し終る。最高のラストですよ。
真珠湾攻撃についての軍事的評価は永遠の論争となるでしょうね。ただ言えるのは標的同然の状態であったにはせよ、日本軍は実に良く訓練されており、最小の犠牲で多大の成果を挙げたということです。私は戦争そのものについて好感は全くありません。それでも戦が避けられない状態となってしまったのなら有利な条件での和平を、という考えは理解できます。外交の行き詰まりが結果としての日米開戦につながったということはこの映画の前半で詳しく述べられています。そう、戦争も政治がもたらした結果なのです。当時の日本は八方ふさがりで、軍部が政治を掌握してしまったこともこの後の多くな悲劇へとつながりましたが、少なくとも作戦という点では期待していた以上の成果を得ることができたと思います。第二次攻撃や空母の殲滅という点も考えられましたが、全ては結果論ですよね。成功することが前提での物言いに過ぎないと思います。細かい点では登場する零戦のデザインが似つかわしくないことや、海軍軍人の軍服の生地が安価である点などへ目が行ってしまいますが、空襲シーンは良く作られています。同じ場面の違うアングルからの使い回しや細かい失敗の点も見つけましたけれど少なくとも迫力は充分でした。CG中心の今日ではもうこのような大作映画は制作できないでしょう。公開から早半世紀近くになりますが、目にする機会の度毎に新たな発見ができるというのもこの映画ならではないでしょうか。キャストの多くの方がもう鬼籍に入られましたが、実際に前の大戦を経験された方ならではの演技力もあったでしょう。現在でも観る価値充分の大作映画です。