仁義の墓場の紹介:1975年日本映画。少年時代に組の門を叩いた石川力夫は、成長するにつれ、兄貴分や親分の言う事を聞かなくなり、最後には親分に対して刃物で切り付けてしまい、10年間の関東所払いになりました。しかし1年足らずで東京に戻ってきた石川はヤク中になり、さらに狂暴になっていました…という、実在したヤクザ『石川力夫』の、義理も仁義も無視した半生を描いた実録物です。
監督:深作欣二 出演者:渡哲也(石川力夫)、梅宮辰夫(今井幸三郎)、多岐川裕美(石川地恵子)、芹明香(大阪の娼婦)、池玲子(今井照子)、山城新伍(田村卓司)、室田日出男(吉岡安夫)、成田三樹夫(梶木昇)、田中邦衛(小崎勝次)、ハナ肇(河田徹)、安藤昇(野津喜三郎)ほか
映画「仁義の墓場」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「仁義の墓場」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
仁義の墓場の予告編 動画
映画「仁義の墓場」解説
この解説記事には映画「仁義の墓場」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
仁義の墓場のネタバレあらすじ:起
石川力夫は若くして河田親分の杯を受け、渡世の道に入りました。組は上下関係が厳しく、下っ端の石川には苦痛でした。そんな時、少年刑務所で一緒だった今井と再会しました。石川と今井は兄弟分で、今井の連れには杉浦や田村がいました。今井は親分や兄貴分の機嫌を取りながら暮らすより、自分で組を立ち上げて組長になろうと石川に話しました。
戦争で負けた日本は、第三国人と呼ばれる、朝鮮、台湾、中国の愚連隊たちが勢力を伸ばしていました。今井らは石川を誘い、第三国人の開く賭博場を襲撃しました。銃撃戦になり、石川は置家に逃げ込みました。部屋には地恵子がいて、銃を預け外へ飛び出しました。
通報を受けた警察と進駐軍によって石川らは逮捕されました。署長は今井と杉浦を牢屋から出し、第三国人を逮捕することが出来て助かったと言って、牢屋の鍵を渡し、石川ら仲間を脱走させました
仁義の墓場のネタバレあらすじ:承
石川は地恵子の部屋に寄りました。そして地恵子をレイプし、有り金を全部渡しました。敗戦により民主国家になった日本では、河田組の親分が一目置く存在の、新宿の大親分の野津が衆議院選挙に立候補しました。
そのころ河田組の縄張りに親和会の連中がごろつきはじめました。石川は河田組の縄張りのクラブで親和会の幹部らが、自分の組関係の女をホステスにして入店させているのを知り、幹部をナイフで襲い、大けがをさせました。病院に詫びを入れに行った吉岡らでしたが、親和会の大幹部の梶木に断られ、全面抗争の様相になりました。
河田の親分は、選挙に落選した野津に仲裁を求めました。野津は、河田と親交がある進駐軍の将校に頼めと言ました。両組織の兵隊たちが睨み合いをする場所に、進駐軍がやって来て、河田組と親和会を制圧しました。河田組では石川が親分に説教を受けていました。石川は『オレがやったことで、縄張りが増えたのに、なんで怒らるのか!』と愚痴をこぼして出て行きました。
仁義の墓場のネタバレあらすじ:転
野津の賭場でいちゃもんをつけた石川は、野津に叱られて出て行きました。腹いせに石川は野津の車に火をつけて燃やしました。組に帰った石川は、河田の親分に瀕死になるくらい棒で殴られました。今井の部屋に逃げ込んだ石川は、手当てを受けて少し回復しました。すると石川は河田の親分の所へ行き、ナイフで親分を襲い、重傷を負わせました。その足で地恵子の部屋に行った石川は、千恵子に助けを求めるように寄り添いました。
殺人未遂罪で服役した石川は、刑務所で、親分に刃を向けた男として刑務所じゅうのヤクザ達を敵に回しました。出所した石川は河田組から10年間の関東所払い(関東からの追放)を通達されました。地恵子を残し、石川は大阪へ行きました。大阪の娼婦からシャブ打ちを教えられた石川は、やがてヤク中になり、ヤクを買う金の無くなった石川は、同じくヤク中の小崎と知り合い、ヤクを強奪して関東に戻りました。
大阪に移って1年足らずで関東に戻りました。そして石川は今井組の賭場に顔を出しました。今井は「兄弟分とはいえ、自分の立場をわきまえろ」と言い、大阪に帰れと説教しました。これに怒った石川は、今井を切りつけ重傷を負わせました。
仁義の墓場の結末
石川は地恵子に会いました。地恵子は再会を喜び、二人は愛し合いました。石川は再び今井組に乗り込み、今井を射殺し、今井の妻にも銃弾を浴びせました。そして石川は小崎とビルの一室に籠城しました。警察と今井組、河田組に包囲された石川でしたが、途中でヤクが切れて飛び出したところを逮捕されました。
懲役刑を受けた石川は上告し、地恵子は給料を前借して保釈金を構えました。保釈された石川は、今井に手を合わせたいと今井組に行きますが、妻に追い返されました。地恵子の部屋に帰ってもシャブ漬けの石川でしたが、それでも寄り添った地恵子が、血を吐いて倒れて死んでしまいました。
火葬された地恵子の骨を骨壺に入れた石川は、河田の親分に会いに行きました。地恵子の遺骨を食べながら、「組を作りたいので、土地と金をくれ」と言い出しました。組を出た石川は墓地に向かいました。河田の子分たちが石川を襲いました。しかし石川に返り討ちに遭い、殺されました。
殺人罪で服役した石川は、刑務所の屋上から、服役者たちが見守る中、飛び降り自殺しました。
以上、映画「仁義の墓場」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する